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第20話


 字が読めない。

 私がそう言ったら酒場の方で爆笑が起こった。

 おー笑っとけ笑っとけ。

 笑うと福が来るんだぞ。

 お腹抱えて床で転げ回ってるレダルには来なくてもいいけど。

 っていうか君まだそこにいたの。

 

 「勇者様は読み書きが苦手らしいぜ!」

 「女にモテてもそれじゃあなぁ?」

 

 ということらしいんですけどここの識字率が気になります。

 ロリーナは私の代わりに怒ってくれたみたいで、反論しようとしてくれた。

 うん…、事情がわかってる立場なので怒る気にもならないんだ。

 なんかごめん。

 

 「ヒノメ様は字が読めないだけで書けないわけでは…!」

 「ごめんロリーナ今のところ書けないな私この字!」

 

 これ以上見栄は張れないのでロリーナの弁明にストップをかける。

 というか読めないのに書けるってどういう状況。

 翻訳機能が壊れてるそれ。

 ギルド長は私が字が書けないとは思ってなかったのか驚いた顔をしていたけど、すぐに気を取り直して私に聞いた。

 

 「どうする、代筆もやってるぞ?」

 「えー、うーん、私の故郷の字でいいなら自分で書くけど…。」

 「どんな字かわからんが、適当に書くなよ?この国じゃそいつが一生ついて回るからな。」

 「マジ?じゃあちゃんと書く。」

 

 いや適当書く気はなかったけど。

 

 「あの、もしやヒノメ様の故郷の文字というのは、いつも見ていらっしゃる透明な紙の字ですか?」

 「そーなの、大天使いい仕事するよねー私仕様。」

 「それでしたら!私も読み書きできます!古い魔術教本の精霊文字ですから!」

 「ほんとー!?バイリンガル~!ロリーナが有能ですごい助かる~!今度ここの文字教えてね?」

 「はいっ!ヒノメ様のお役に立てて嬉しいですっ!」

 

 ロリーナがそう言って寄り添ってくるから私からはハグをお礼に。

 いやー通訳さんがいてくれるってすっごい助かる。

 ロリーナはいつも私を助けてくれてめちゃいい子!

 

 「…お前さん、本当に何処の出身なんだ?」

 「大企業秘密トップシークレット。」

 

 ピースのピ。

 たぶん言ってもわからなくて面倒が増えるだけなのでここは秘密にしておこうね。

 私はロリーナと新米ちゃんに聞きながら該当欄に記入。

 名前はフルネームじゃなくて名前の一部ならなんでもいいらしい。

 ただしやっぱり真名は書いてはいけないとのこと。

 名前はヒノメ、歳は18、住所は未記入、魔法適性はぜんぶ♡。

 名前以外はロリーナに代筆してもらった。

 あ、最後の♡は私だけど。

 それを提出。

 する前に酒場に持って行って見せびらかした。

 

 「どーだ読めないだろ!私だって字書けるんだぞ!精霊文字だって!かっこいい言い方だけど母国では日本語といいます!新しくギルドに加入する私ヒノメと可愛い可愛い超一流アイドル魔術師のリーナちゃんをよろしくね!!!」

 「うるせー可愛がってやるから覚悟しろよテメェ!!」

 「リーナちゃんは普通に可愛がってやってもいいけどな!!」

 「は?リーナにセクハラしたらレダルをぶち転がす。」

 「なんで俺なんだよッ!!」

 

 登録用紙広げて見せて回りながらそうよろしくお願いしといた。

 酒場のオッサンたちにノリでぶん殴られそうになったけど素早さは私が上だ!

 わはは!

 レダルは大振りだったので足引っかけてぶち転がしといた。

 

 「さっきリーナに凄んだ罰だやーいやーい!女の子には優しくしろ!」

 「っんのクソ勇者がぁ!!」

 「褒めても投げキッスしか出ねーよ!んーまっ♡」

 「やめろ!!!」

 

 怒ってる怒ってる。

 私はおまけにウインクしてロリーナと新米ちゃんとギルド長のところに戻った。

 ギルド長は頭を抱えていた。

 頭痛いのかな?

 

 「新任の挨拶によろしくお願いしてきたよ。」

 「あれは挑発っつーんだよ!」

 「うん、知ってる。」

 

 ギルド長が再度頭を抱えて肩を落としたのは見なかったことにした。

 ギルド長って荒くれ者たちをまとめなきゃいけなくて大変そうだね。

 

 「ところで私人前でロリーナのことロリーナって呼んじゃってるけど改めた方がいい?」

 

 結構ずっと呼びながら迷ってたんだけど。

 そう首を傾げるとロリーナは首を横に降って微笑んだ。

 天使。

 

 「大丈夫です。偽名をいくつか使っている人もいますし、裁判では勝手に人を真名で呼ぶことは不正契約と見なされ最悪の場合には死罪になります。」

 

 死罪。

 え?マジ?

 

 「ですので名乗られるまでは決して名を呼ばないのが暗黙のルールとなっていて、ここではリーナと登録すれば皆さんリーナと呼んでくださいます。」

 

 待って、私さっき思いっきりレダルとか名乗られてないのに名前呼んだけど。

 え?死罪?

 これ死罪?

 

 「心配しなくてもギルドで真名を呼び合う馬鹿はいねぇよ。あいつも偽名だ。」

 「あ、はい、よかった。安心。びっくりした。」

 

 結構かなり本気で。

 というかギルドで真名を呼ぶ馬鹿がここにいるんですが。

 ギルド長それ頭痛めた仕返し??

 

 「まぁ、よっぽどの奴じゃなけりゃ真名を耳にしてもそいつで呼ぶような真似はしねぇよ。呼べば不正と不敬のセットで軽く2回は死ぬしな。」

 

 ひえ。

 なにそれ怖い。

 そうだよねー知らないとはいえロリーナお姫様だもんねー。

 あの国王様と爺やとティカロなら間違いなく死罪にしそう。

 怖い。

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