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第19話


 「チッ、これだから勇者ギルドの連中は…。」

 

 レダルはそう言ってため息をつく。

 勇者ギルドなんてものがあるのか。

 でも私そんな人助けな依頼には興味ないからな…。

 フィールドワーク!ダンジョン!!お宝とモンスター!!!

 これでしょ。

 そうそう、ギルドに登録しなきゃ。

 ロリーナの手を引いて冒険者ギルドの中に入った。

 

 「あっ、おいこらテメェ!」

 

 レダルが後ろから肩を掴もうとして手を伸ばしてきたみたいだけどひらり。

 レダルはスカってつんのめった。

 どんまい。

 中に入ると当然のように注目の的。

 まぁあれだけ入り口で騒いでたからね。

 次いで視線が私の髪に集まる。

 なんかハゲそうだからやめて欲しい。

 ストレスとか刺激とかで。

 

 「アンタたち、冒険者ギルドに何の用なのよ?」

 

 イエラさんが後から入ってきて私にそう問いかける。

 視線はロリーナだけど。

 訝しそうな顔してちょっとバレそうで心配。

 お姫様までいるなんてゴロツキやチンピラにまで知られたくないしなぁ。

 

 「何って、登録に?」

 「…アンタたち、勇者ギルドの連中じゃないの?」

 「勇者ギルドって何?」

 

 私が首を傾げるとイエラさんは驚いた顔をした。

 えっ知らないの?って感じの顔だねそれ。

 一般常識~。

 明日か明後日は図書館行きたいな流石に…。

 困ってロリーナに助けを求めると、ロリーナは丁寧に説明してくれた。

 

 「勇者ギルドというのは、勇者に憧れる人たちで作られた組織です。冒険者ギルド程ではありませんが応募者が年間数百人と多く、それに反して加入には厳しい条件があり合格者はそれだけで周囲から注目される存在となります。」

 

 何それやばい、目立ちたがり屋しかいなそう。

 

 「一応聞くけど、加入の条件って?」

 「まず髪の色が金か銀であること。この時点でヒノメ様は即合格ですね。次に魔力が高いこと。光属性に適性があること。これらの内1つと、あとは面接による総合的な判断で合否が決まります。」

 

 うーん、すごく勇者勇者しい。

 皆の理想を集めましたみたいな。

 勇者ギルドって言うよりアイドル事務所かなんかかな…。

 

 「ヒノメ様なら全てにおいて合格と思いますが…冒険者ギルドはやめて勇者ギルドに登録なさいますか?」

 「え、いいよ。私がしたいの冒険だし。イメージ業とか苦手。そんなことより採集とかやりたい。モルフォ蝶とか捕まえられるかな?」

 

 発想が完全に虫取り少年だけどそれはいいんだよ。

 あと時をかけるアイドルはもはやアイドル枠じゃない。

 あれは職人枠。

 

 「もるふぉちょうはわかりませんが、オパールボムビークスの捕獲依頼は確か冒険者ギルドに卸していたかと…。」

 

 オパールボムビークス!

 ボムビークスってあれでしょ、シルクワームでしょ!

 あの白くて可愛いって噂の蚕蛾!

 シルクなのかオパールなのかわかんないけど夢のある生き物だな!捕まえてみたい!!

 

 「何それ魅惑的!やっぱり冒険者がいい!早く登録しよ!」

 

 ロリーナを連れて受付らしき方へ向かう。

 依頼書の貼り出された掲示板と酒場の間の通路を抜けてカウンターに近づくと、そこには赤茶色の髪をした女の子がガチガチに緊張した様子で座っていた。

 胸のサイズは………。

 ………………がんぱれ。

 

 「よっ、よよよよよようこっそっ、ゆゆゆゆう勇者様っ!!」

 

 ガッチガチじゃん。

 なんかすごい可哀想だからなるべくフランクにいってあげたい。

 

 「こんにちは、受付のお嬢さん。私の名前はヒノメ。ギルド登録は初めてなんだー、色々教えてね。」

 

 にこやかに笑って手を振ってみる。

 お嬢さんは少しだけ緊張が解れたのかほっと小さく息を吐いた。

 私もしかして黙って近づくと女の子怖がらせちゃう顔してるかな…。

 えっ、やだそれ心配。

 ハーレム計画に支障。

 

 「ごめんね、もしかして私顔怖いかな?」

 

 なるべく笑うようにした方がいいのかもしれない。

 でもなー私以前から何考えてるかわからない顔って評判だったからな。

 幼馴染み'sにはろくでもないこと考えてるのはわかるって言われてたけども。

 しかしてその実態は!

 まぁ普通にこんな感じだよね。

 

 「そ、そういうわけでは!す、すみません!まだこの仕事に就いて日が浅くて、なおさら緊張してしまって…!」

 「そっか?じゃあ新米同士だね。一緒にがんばろうね。」

 「は…、はいっ!」

 

 差し出した手に握手を返してくれて、新米ちゃんは赤くなった頬を両手で冷やしながら下を向いた。

 いやぁ初々しくていいね。

 横ではロリーナが腕に抱きついてくれてこれは柔らかいおっぱいの感触では?

 パーフェクトプラス。

 併設された酒場の男達の視線が恨めしげで楽しいから渾身のドヤ顔ピースしといた。

 ガタガタと席を立ったりメンチ切り出す中我関せずでナポリタン頬張ってるブルーゾくんはいい根性してると思うので好きです。

 お腹空いたな。

 

 「おいおい、噂の勇者殿ってのは色ボケナンパ野郎か?」

 

 そう言いながら近づいてきたのはガタイのいい片目に傷を負ったゴツいオッサン。

 れれれ歴戦の勇ーッ!!

 わりと好みー!!!

 あ!!ロリーナの方が好きだけど!!!

 あとまつげ長いですね。

 

 「いや、女の子にモテモテだぞ羨ましいだろドヤァと思って。誰?」

 

 ダブルピース。

 酒場からの視線が濃くなった。

 目の前のオッサンはそれを見てため息を吐き、がしがしと頭を掻く。

 

 「なおさらタチがわりぃ。ったく…俺はここのギルド長のウインだ。お前さんらには特別講習がある。と、その前に新米、登録用紙貸せ。」

 「は、はい!」

 

 ギルド長は新米ちゃんから登録用紙を受け取るとそれを私たちに渡した。

 新米ちゃんから直接受け取ってもよかったんでは?と思ったけどまぁいいや。

 

 「ここで記入していけ。そういやお前さんら飯は食ってきたか?」

 「まだー。」

 「ならそれも一緒に済ませるか。」

 

 そう言いながらギルド長は酒場の女将さんらしき人に何か料理を注文してた。

 私は記入用紙を見ながら試行錯誤。

 うーん、ダメ。

 

 「ロリーナぁ、ヘルプー。」

 「はい!どうなさったんですか?」

 

 私が助けを求めるとロリーナは目を輝かせて嬉しそうに私の方を向く。

 なんかイエラさんとちょっとお話ししてたみたいだったのにごめんね。

 イエラさんは苦笑してロリーナを見てくれてるからこの世界は優しい。

 

 「うん、字が読めないから読んで欲しいなって。」

 

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