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第17話


 「大魔王ってそんな怖い人だったの?」

 「いえ、その、人柄まではわかりませんが、ルスダス=エストレラは星崩の大魔王とも勇魔王とも呼ばれ、魔王になる以前は初代勇者であったと聞きます。」

 

 あー、そういえば元勇者って言ってたな。

 

 「女神に連なる白銀の髪を持ち、女神や精霊主と共に邪悪なる者を封じようとしたのですが、あと一歩のところで邪悪なる者に取り憑かれてしまいその力で稀代の大魔王となったそうです。在位は数千年、あるいは数万年に及び、最後は勇者トーマの手で討ち果たされました。それがおよそ千年前のことです。」

 

 討ち果たされてるぅー。

 それと勇者トーマって。

 意外と日本人の転移多かったりする?

 もし勇者がみんな転移者か転生者だとしたらあれ、初代勇者だったルスダスはつまりその。

 …さ、最強のチーター大先輩だぜぇ…!

 今度会ったら色々聞いてみたい。

 勇者の伝説とか興味あるう!

 

 「まぁ、とにかく大丈夫だと思うから使っちゃいな。似たようなのたぶん色々持たされたし。私のパーティでは魔晶石の価値は大暴落ってことで。」

 「よ、よろしいのでしょうか…。」

 「いーっていーって。本人が、あーいや、大天使がいいって言うんだからいいって。」

 

 大魔王が今や大天使とか言ったらまた新たな歴史が刻まれてしまう気がするのでやめとこうね。

 この話題にはかなりの興味があるけど今日の目的地は冒険者ギルドなのでひとまず。

 私は似たようなレア度の服でロリーナの格好を一新した。

 まず頭、『守護者のリボン』。青。

 服、動きやすさを重視して白のミニワンピースに黒スパッツでパンチラ防御、黒ソックスは膝上の見逃せない絶対領域、上衣は青白色のちょっと大きめ『聖女のローブ』。

 萌え袖がよく似合う。神。

 靴は『俊足の羽靴』。羽飾り可愛い。

 そしてアクセサリーは『癒しのブローチ』。金平糖の形が杖とお揃い。

 

 「あとあれ、ロリーナ胸大きいからウエストの細さを主張するために飾りベルトしようね。あ、アイテム入れるポーチ用のベルトでもいいな。実用性も兼ねてこっちにしよう。」

 

 普通のアイテムポーチも入ってたので取り出して装着。

 一応中身確認したけど薬草とかポーション類一式だけだったのでセーフ。

 ついでに護身用のナイフもつけて。

 

 「よーし、完成!これでどこからどう見ても超一流アイドル魔術師!」

 「えっと…に、似合いますか…?」

 

 照れ照れ聞いてくるロリーナが可愛すぎるからサムズアップしといた。

 うーんしかし我ながらなかなか可愛くできたんでは?

 これは野郎共の視線が下心帯びること間違いなしだな。

 少なくとも身分で誘拐とかはないと思うけどちゃんと目を光らせておこう。

 そんなわけで私たちは街の地図片手に冒険者ギルドへと出発した。

 

 「この辺りは貴族街で私も幼い頃はよく遊びに来ました。」

 「へぇ?友達と?」

 「はい。赤茶色の髪をした女の子で、小さい頃はよく一緒に遊んでいました。」

 「今は?」

 「今は、どこでどうしているか…。その子の家は私たちが7歳の頃に取り潰しになってしまって。私は静養先でその話を聞いたので最後に会うことはできませんでした…。」

 

 そうかぁ。

 結構重い話だった…。

 ロリーナは重い話をしてしまったと思ったのか慌てて繕った。

 

 「あっ、でも!風の噂で耳にしたのですが彼女は今もこの街で元気にやっているそうです!こうして冒険者として街へ繰り出せばもしかしたら会えるかもしれませんね!」

 

 健気な。

 ロリーナは本当に純粋で素直ないい子でお姉さんは感動したぜ!

 私はそっとロリーナの頭を撫でて、笑いかけた。

 

 「会えるといいね、昔の友達に。」

 「…はいっ!」

 

 嬉しそうにはにかむからハレルヤ。

 世界は今日もロリーナの笑顔で輝いてる。

 そんなこんなで貴族街から平民街へ。

 しかして平民街に1歩踏み出した途端に驚くほど視線を集めた。

 十人中十人が振り向いて私の髪をガン見してくる。

 マジか、勇者の出歩きってここまでか。

 王族の親戚みたいな位置付けでもいいんですよいやそれはそれで注目されそう。

 

 「うーん…勇者ってどこ行ってもこんな感じ?」

 「そう、ですね…。勇者様のお話は誰もが子供の頃に聞かされ1度は憧れるものですので…。」

 

 王族のロリーナでもちょっと押され気味だね。

 そうかぁつまりちびっこの戦隊やライダーや美少女ヒーローへの眼差しを子供から大人まで一手に身に受けるという。

 苦行か?

 

 「まぁ、こういうの気にしてるとキリ無さそうだし早いとこギルド向かおっか?」

 「は、はい。」

 「この感じならお姫様で来ても私に目が行くから大丈夫だったかもね?」

 「どうでしょうか…。おそらくですが、街中で仮装をしている芸人の方に見えたかもしれませんが……。」

 「マジ?痛い目で見られそうだけどこれが分散するならやる価値あったかも~。」

 

 視線の密度よ。

 そんな話をしながら地図を開いて、冒険者ギルドのマークへの道順を確かめる。

 うん、これだ。

 ふんふん、この道をこう行ってここでこうこうこう…。

 

 「こっちだって。」

 

 はぐれないようにロリーナの手を握って移動する。

 はー、マップ機能欲しい。

 地図見ながら道が見たい。

 交互に見るのは足下が…。

 

 「どわっ!?」

 「あ、ごめ。」

 

 お留守。

 正面が。

 ちなみにドサッと音を立てて尻餅をついたのは私ではなく相手の方だ。

 なんか、ド派手な赤い鎧にツンと前方上85°へ立ち上がった茶髪の男。

 と、スレンダーな美人魔術師、小太りのシーフ。

 小太りのシーフ!?

 動けるデブって奴か…。

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