第15話
冗談はさておき、私はふむとロリーナを見て、国王様に視線を戻す。
ロリーナは慌てたような照れたような可愛い戸惑いを見せていたから是非欲しい。
いや違う。
「私女ですけど法律的にオッケーなら喜んで。」
「…………女?」
失礼な。
いや別にいいけど。
思いっきり訝しげな顔をして首を傾げる国王様に信じてもらうべく、私はロリーナの隣に座ってむぎゅりと胸に抱きしめた。
ロリーナは少し慌てたけど頭を撫でると抱きついてきてすり寄ってきて可愛いんだよー世界が救われるレベル。
それはともかくロリーナが顔を埋めると私の脂肪がふっくら感を主張した。
それを見て国王様は目を剥いた後難しい顔して唸る。
そこまで徹底的に男に見える顔してるかなぁ?
「むう…、残念だが同性婚は公的に認められては居らんのだ。」
公的じゃなければあるのか。
まぁ野性動物界でも見られる現象だしあるある。
歴史的に見れば地球人でも日常茶飯事だしよくあるよくある。
何事にも寛容に生きていくぜ。
「ではこうしよう。娘を勇者殿に預ける。」
そんなあっさりと。
もうちょっと慎重になる問題だよねそれ???
「余裕で冒険とか行きますけどいいんですかそれで?冒険者ギルドとか登録してフィールドワーク行く気満々ですけど?」
まぁロリーナは回復に向いてるみたいだし居てくれたらそりゃあ心強いけど。
でもついさっきまで病弱だったお姫様をモンスター闊歩するダンジョンに連れていくのは少し気が引けるなぁ。
危険はあるだろうし…。
「ヒノメ様、私からもお願いします。私、ヒノメ様のお役に立ちたいです。できれば、片時も離れずに…。」
ポッと赤くなってもごもご喋りながら俯くロリーナ。
私の言いたいことはもうわかるな?
「ロリーナがそう言ってくれるならこれからよろしくね。」
「はいっ!」
「いやー助かるよー。後ろに回復してくれる人がいると前線に集中できるから。」
「ヒノメ様のお怪我は私が必ず!」
そう言ってロリーナは気合い十分。
心強い仲間ができたぞ!
「娘の幸せを願って早くに夫を見つけてやりたいと思っていたが、まさかこれほど元気になるとは…。勇者殿、何卒娘をよろしくお願い申し上げる。」
国王様は涙ぐみながら頭を下げた。
私もそれに頭を下げ返していえいえこちらこそよろしくお願いしますとかやり取り。
異世界でだって日本人!
「そうと決まれば早速ロリーナの快気祝いと誕生日祝いと勇者殿に任せる旨を内外に広く知らせねば!来週にもパーティーを催す準備を進めておくので勇者殿も是非参加してくれ!追って正式に招待状も送ろう!」
感情の起伏が激しいよ。
元気か。
「招待状送ってくださるんならそれまでに拠点持たないと不味いですよね。貰った物でお金工面できるかな…。」
またうっかり国宝級の物市場に流しちゃったらどうしよう。
大天使のギフトならあり得る。
むしろその可能性しかないように思えてきた。
やばい、そうなると実質無一文なのでは?
これは早急に冒険者になってお金を稼ぐ必要があるのではないだろうか。
そう1人で腕組んで考え込んでいると、ふとロリーナと国王様と目が合う。
ロリーナが不安そう。
えっ、何、国王様がロリーナを泣かせたの?
私の頭は都合良くできてる。
「ヒノメ様、城から出て行ってしまわれるのですか…?」
えっ。
「え、うん…え?流石にいつまでもお世話になってるわけにはいかないよね?」
「そんなことはありません!ヒノメ様ならいつまででも居てくださって構いません!何でしたら永住してくださっても…。」
もじもじ。
いやそれは可愛いんだけどそうじゃなくてその手には引っ掛かりませんよヒノメさんは!?
「ほら、あんまり長居するとこの国専属みたいに思われちゃうし。あちこち行くのに言いたくないけどスパイみたいに思われても動きにくいしこの国にも迷惑かかると思うし。ね、国王様?」
「ん?私としては構わんが?」
ここで貴方の個人的な意見は聞いてないですけど!?
この人もしかして娘のこと以外頭の中お花畑なんじゃないだろうか。
やばそう。
いやむしろ全部解った上でか?
だとしたらふざけた振りしてかなりの策士か?
………なさそうだなぁ~。
「国王様のすっとぼけた顔やばいですね。」
「うむ、妃にもよく言われるぞ。」
「お妃様がんばって。」
「そんなことよりヒノメ様、城を出られるならせめてパーティーが終わってからにしていただけませんか?晴れてヒノメ様の共が出きるようになってから御一緒に何処へなりとも参りたいのです。」
そんなことって。
自分のお父さんのことそんなことって。
娘とはかくも厳しいものなのだ。
南無三。
「うーん、そっか。ロリーナと一緒に冒険するんだもんね。ちゃんと一緒に出発しよっか。」
「はいっ!」
嬉しそうに頷いて笑うロリーナが可愛いから480点満点あげちゃう!




