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第14話


 結論から言おう。

 ロリーナの治療は滞りなく済んで、彼女の病気は治った。

 鍵を差し込んだ途端彼女は暖かいと発言し、体の芯から先端にかけて魔力腺が解きほぐされ身体中に魔力が満ちるのが感じられた。

 その量たるや今までのロリーナとは比べ物にならず、他の人間たちなんて比ではなかった。

 小粒の水晶がスーパームーンに進化したって感じ。

 そしてそれは彼女の全力で、魔力の調節が出来ていない状態だったので手取り足取り教えてあげた。

 言っても私も感覚的な指導しかしてあげられなかった訳だけど。

 それでもロリーナは理解して覚えてくれたのでかなり頭がいいと見た。

 エクセレント。

 

 「ところでロリーナの適応属性?って何?」

 

 人には適した魔法の属性があるという。

 火の属性に適していれば炎系の魔法を使ったときの消費魔力が少なく済み、かつ威力が割増らしい。

 割増率には個人差があるそうだけど、平均威力値の1.2~2.0倍が魔族並みの魔力を有する個体の割増基準だとか。

 ソースは大天使。

 ちなみに不適応属性がある場合には0.8~0.4程の威力になるそうです。

 私?

 私は大天使が適応全開に調整したボディなので3.5~4.0倍だってよ。

 その振り幅は感情とか熟練による精霊との友好度とかで変わるとかなんとか。

 ついでに大天使はって聞いたら人間が聞いたら腰を抜かすと言ってましたのであの人やっぱ大魔王だわ。

 

 「はい、私は光の属性に適応があると幼い頃教皇様に審判していただきました。残念ながら使えたことはありませんが…。」

 

 魔力がちゃんと出ない病気だったんだもんな。

 そりゃ上手く使えないし使おうとしても体に魔力がたまっちゃって体調崩しただろうし。

 苦労したねロリーナ!

 でもこれからは使いたい放題だよ!!

 

 「光っていうと、回復とか?」

 「はい。回復魔法が主に要求されるスキルで、高位の回復魔法を使える者は教会でも重宝されているんですよ。」

 

 これは聖女ルート一直線なのでは?

 

 「じゃあ今ちょっと使ってみない?ちゃんと治ったか実験的に。あ、まだ体が慣れないとかなら無理しなくてもいいけど!」

 

 病み上がりだもんな無理させちゃいけない。

 そう思ったけどロリーナはぎゅっと両手拳で気合いを入れてがんばります!とやる気満々。

 はい可愛い。

 

 「ええと…。天にまします我らが女神よ、御身の創りし光の精霊主の加護を請い申し上げることを許したまえ。聖なる光に身を包みし光の精霊よ、その清らかなる御心をもって我らの肉体を癒し悪しきを除く力をあたえよ。我ら人の子なれど矮小なる魔力を捧げ奉り、御力を授かりたく…。」

 

 なっが。

 めちゃ長いけどそれ全部呪文詠唱?

 戦闘向きじゃなさそう。

 

 「…フィーアトルクス。」

 

 ロリーナの魔法が発動するとロリーナの手に光が溢れてそれが私の体を照らす。

 特に傷も負ってないけどそれでも元気がみなぎるような気がした。

 しかしその詠唱はどうにかならないんだろうか。

 

 「詠唱すごい長いね?」

 「そうでしょうか?教会の公布している教本ではまず女神様への祝詞から始まり次に精霊主様への祝詞となり、最後にお力添えを請います。一般の冒険者の方や宮廷魔術師の方もこうした国や教会が公布している教本の通りに呪文を覚えるのですが、ヒノメ様は違うのですか?」

 「うーん、私は魔力込めて言葉にするだけで発動するからなぁ。短くしてみちゃってもいい?」

 「それはもちろん構わないと思いますが…。」

 

 ロリーナの呪文を思い返す。

 肉体を癒して悪を除く、だっけ?

 そこだけかいつまめばいいんじゃないのかなぁ?

 女神にお願いしたり精霊主にお願いしたり結局魔法使うって行為自体がそういうことだと思うし。

 単に私があんまり長いのは好かないだけだけど。

 日頃から感謝してればその辺ばっさりカットしていいと思う。

 

 「じゃあ…光よ、我らを癒し悪を払え。フィーアトルクス。」

 

 私がそう唱えると光の粒が私とロリーナと国王様の体に渦を巻いて消えていった。

 ロリーナが興奮からか頬を赤くして私に憧れの眼差しを送る。

 

 「そんなに短くてこれだけの威力…流石はヒノメ様です!」

 「ロリーナもできると思うよ?やってみて。」

 「そ、そうでしょうか…、では僭越ながら…。」

 

 ロリーナはむむむと集中しながら私の唱えた呪文を繰り返す。

 するとやっぱり私の見立て通り遜色なく魔法は発動し、私今メチャクチャ元気。

 あとロリーナが可愛い。

 何度でも言うぜ?

 

 「すごい、出来ました!」

 「ね?皆もっと簡単でいいと思うんだけどなぁ。」

 「詠唱の呪文は言葉が難しく、皆さん意味までは理解していないのだと思います。なので一字一句違わずに唱えるしか術がないのではないでしょうか…?」

 

 え、そうなの?

 確かにちょっと言い回しが古いけどそこまで理解できないもんでもないのでは。

 あれかな、識字率とかそういう知識教養的なことが関係してる?

 だってロリーナは発音から聞き取るに呪文の意味まで理解してるみたいだし。

 

 「ロリーナは意味までしっかり理解できてる感じ?」

 「私は空いた時間によく本を読んでいましたので…。静養先では公務もほとんどありませんでしたから。」

 「なるほどぉ。」

 

 ロリーナは勉強熱心ですでに頭がいいようです。

 人類の宝かな。

 この歳で要所から引っ張りだこなんじゃない?

 もっと病み上がりに気を使ってあげて欲しい!

 いや将来の選択肢が多いのはいいことだけど。

 

 「……決めたぞ。」

 

 何を。

 今まで黙りに黙っていた国王様が急に口を開いたので私とロリーナの目が集まる。

 すると国王様はがっしり私の両肩を掴んで、だから近い。

 

 「ヒノメ殿、是非娘と婚約してくれ。」

 

 ………貰えるなら貰っちゃうよ?

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