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第12話


 壇上でどちらも違う意味で顔を覆う父娘を一頻り観賞した後で。

 困った家臣の人たちが改めて進行役を勤めてくれた。

 すごいありがたいから利用しようとしたのチャラにしてもいい。

 いややっぱりもう一声。

 反省の色も欲しいな。

 

 「陛下、勇者殿から献上品をお預かりしておりますのでご覧いただいてよろしいですかな?」

 「娘を助けてくれただけで全力の信仰を捧げるというのにこれ以上どうしろと言うのだ。」

 

 どうもしなくていいです。

 キャラ濃いなーこの国王様。

 というか、献上品なんてあったかな?

 私がそう思っていると国王を無視した進行役の人の合図で、家臣の列からメディが進み出た。

 その手には大切そうに小物入れを持ち、その中には私があげた宝石龍の鱗。

 えっ。

 

 「此方が勇者殿から陛下へ献上された宝石龍の鱗でございます。勇者殿、貴重な品を頂き誠に恐縮でございます。此方は責任を持って国宝に指定した後、宝物庫に納めさせていただきます。」

 「え、あ、あ~、そうですね、よろしくお願いします。」

 

 いや確かに言葉足らずだったけどぉ!

 あげるとしか言わなかったしそんな国宝級の物ならそりゃあ個人じゃなくて国にあげたと思われちゃうよねー!

 メディが着けてくれるの期待してたのに…。

 仕方ないからまた今度何かあげるね…。

 

 「…勇者殿、本当に宜しいのか?」

 

 国王様が私の挙動不審振りを見てそう問いかけてくる。

 でも今さらやっぱなしは出来ないでしょうここまできたら…。

 いいよ!あげるよ!大事にしてね!!

 

 「どうぞ、貰ってください。その代わりと言ってはなんですが女神に託された勇者を私からもどうぞよろしくお願いします。」

 

 深々とお辞儀して頼んでおく。

 こうして恩を売って後ほど会うことがあったらこれをネタに何か奢らせよ。

 美味しいもの奢れよ。

 

 「相わかった。女神と勇者殿から頼まれたとあってはとても無礼など働けぬな。すぐに国中に触れを出し城にお迎えせねば。」

 

 そう言って国王様が部下に指示を出すと早速国中にお触れが出ることになった。

 うーん、なんかおおごと。

 がんばれマイブラザー。

 私はあちこち観光しながら高みの見物してるので!

 そうあわよくばロリーナにあれやこれやと教わりながら仲良くなってだな。

 そう思いながらロリーナを見たら、ロリーナは胸を押さえながら少し息苦しそうにしていた。

 顔色もさっきより良くない。

 

 「国王様、壇上へ上がらせていただいても?」

 「ん?構わぬが。」

 

 国王様の許可が出たので私は目の前の階段を上って壇上へ。

 ロリーナの席は国王様の玉座の少し後方死角だから国王様にも家臣の人達にも見えにくい位置だと思うんだよなぁ。

 これは少し模様替えした方がいいのでは?

 可愛い子は前面に出していくべき。

 あ、もちろんロリーナは病気が治ってからでいいけど。

 

 「ロリーナ、大丈夫?」

 

 腰を屈めて顔を覗き込む。

 するとロリーナは私を見上げて苦しそうに微笑んだ。

 結構やばそう。

 私はその場に膝をついて視線を合わせるとロリーナに手を差し出した。

 

 「手、握ろうか。貸して。」

 

 震えるロリーナの手を私の方からそっと握る。

 それから魔力の流れに集中してロリーナの魔力腺を感じ取ると確かに他の人より硬いような気がした。

 他の人は感情の起伏で魔力の波が揺らぐけどロリーナは余りに一定で、多分これがロリーナの限界なんだろうなぁ。

 可哀想だから少しよくなったら部屋まで送って治療鍵使ってあげよう。

 それまで私の魔力でロリーナの魔力腺を解きほぐすイメージをして、同じ様に手のひらを軽くマッサージしてリラックスを促す。

 すると少しずつロリーナの呼吸が整ってきた。

 

 「大丈夫?」

 「はい、すみません勇者様。また御迷惑を…。」

 「気にしなくていいよ。私の体質がロリーナの病気に効果があるのは本当みたい。その事でもう少し詳しい話がしたいから部屋まで送るね。」

 

 立ち上がってロリーナを横抱きに抱える。

 これが本当のプリンセスホールド…。

 私のボディのせいもあるけどロリーナ軽くない?

 ちゃんと食べてるのかなぁ。

 

 「このまま移動するけど大丈夫そう?」

 「はい。むしろこのままがいいと申しますか…その…ヒノメ様…。」

 

 ロリーナはポッと頬を赤らめて恥ずかしげにしながらも私の首に腕を回してすり寄ってきた。

 可愛いかー。

 動物になつかれるときと同じ気持ちを感じる。

 あと私と接触してると結構すぐ元気になるみたいで安心です。

 なんてやってたら国王様と目が合う。

 国王様ガン見だよ。

 目が怖いよ。

 私は別に娘さんを奪おうとかそういうあれはないのですけどまぁもらえるなら欲しいけど。

 

 「あ、そうだ。ロリーナの親御さんである国王様も是非ご同席頂きたいんですがよろしいです?ロリーナの病気の事でちょっと。」

 「無論だ。本日の謁見はこれで終了とする。」

 

 即答で立ち上がった国王様の言葉に家臣の皆さんがファッ!?て顔してたけどまぁそこはなんとか上手くやっておいてあげて。

 人間自分の子供が可愛いものですよ。

 なんならそこのラインバードに仕事振っていいから。

 有能なんでしょ?

 さっきのまだ少し根に持ってるので八つ当たりだよ。

 がんばれ。

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