魔界生活2日目
世が明け魔界での生活2日目がスタートした。
「朝か、このままここにいたら楽に1ヶ月過ぎそうだな。」
2日目にして朝から楽になる方法を考えている。
「あーだめだだめだ修行で来たんだ、何かしないとな。」
「なーに朝っぱらからブツブツ言ってんだ!朝飯出来たからオマエもくえよ!」
金髪の方が起こしに来た。
「ああ、ありがとう。すぐ行く。」
返事を確認すると金髪の方は部屋から出て行った。
家のなかのことは昨日のうちにある程度聞いていたためすぐに準備し食卓へ向かう。
「あ、おはようございますぅ?」
「おはよう。」
銀髪の方が挨拶をして来た、それを返したところで食卓を見るとかなり豪華な朝食が用意されていた。
フローラが食べていたものと同じくらい凄そうだ。
3人で揃っていただきますを言って食べ始めた。
「そういや自己紹介がなかったな、俺は天羽閃光!ライトでいいぜよろしくな!」
名前を聞いておかないと今後いちいちめんどくさいので自分から名乗っておいた。
「そうだな!オレはシトリン!コイツの双子の姉貴だ!シトでいいぜよろしくな!」
金髪の方がそう答えた。
「私はセレナイト。双子の妹ですぅ?私はセレナで大丈夫ですぅ?」
鼻にかかる声だが優しさが滲み出てる子だ。
「シトとセレナな!よろしく!」
こうしてゆっくりと見ると2人ともかなり可愛い。
シトはちょっと顔を出している八重歯がよく似合うサバサバ系の女の子でセレナはゆるふわな髪型がよく似合うおっとり系の女の子だ、2人ともショートカットだがタイプが違い甲乙がつけがたい。
「んで今日は何するんだ?こんな魔界なんかに来て目的があるんだろ?」
「目的って言うことは無いが修行で1ヶ月間ここに放り込まれてな。」
「それは大変ですねぇ?何かお手伝いしましょうかぁ?」
セレナの優しさが頑張る元気をくれる。
「いや大丈夫だ!俺の修行だしな!んじゃ行ってくる!」
そう言って出て来たが何をすればいいのか分からない。
初めはあんなにしつこく追って来ていた魔物が一体もいない。
家を作っているからやはり魔物がいないエリアを選んだのか。
「とりあえずぼちぼち進むか。」
すると一体魔物を見つけた俺の知識からすると恐竜のトリケラトプスが1番近い。
「よっしゃやったるか!とぉりゃっ!」
全力で走り込み背後から跳んで背中に持って来ていた剣を突き刺す。
ぷす。
思い切り刺したハズの剣はトリケラトプスの薄皮になんとか切れ込みを入れたくらいだった。
「うっそだろ、煮込む時でももっと深く切れ込み入れんぞ。」
その瞬間トリケラトプスがこちらに気付いた。
「やっば!!」
焦っているライトを見て呆れたのかトリケラトプスは背を向け去っていく。
「はっ俺の気迫勝ちか!ははっ。」
その瞬間。
去っていたのは助走の距離を作るためであったトリケラトプスか全速力でこちらに突っ込んで来た。
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ライトは全速力で逃げる。
ライトは走った。
ライトは倒れている木や岩を飛び越えた。
ライトは邪魔になりそうな物がある道を選びながら逃げた。足止めをさせる為に。
だがトリケラトプスはそんなものを気にもせず、全てを突き破り最短距離でライトを追い詰める。
「そんなのありかよ!」
文句を言う元気がまだあったがライトの足が急に止まる。
そこは崖だった。
下には棘のようになっている岩が無数にあり落ちたら間違いなく死ぬ。
「絶体絶命ってやつか。」
トリケラトプスも速度を落としジリジリと近づいている。
どうする。どうすればいい。
状況を打開する機を伺っているとトリケラトプスはライトまで10mくらいの所にいた。
さらに近づくと急に速度を上げライトに襲いかかる。
突然の事で対応出来なかったライトは反射的に目をつぶり俯く。
だが足音が止まっても衝撃が何も来ない。
そして目を負けてみると。
「なんだコイツは。」
なんとトリケラトプスが足元で構って欲しい時の猫のように仰向けになって甘えている。
元の世界で飼っていた猫でもしないほど甘えている。
結局戦いの修行は何も出来ずにシトとセレナの家に戻った。
そうしてトリケラトプスから逃げる事で体力をつけただけの修行が終わり。
魔界生活2日目が終了した。