魔界生活1日目
「・・・・・え?1ヶ月後?いやいやこんな所で1ヶ月もどうやって生きればいいんだよ!見渡す限り地獄じゃねーか!」
そう文句を言うが聞いてくれる人は1人もいない。
「前みたいに断崖絶壁じゃないだけましか。」
今回の魔界はしっかりと地面に部屋召喚がしてあり安心した。
「待てよ、地面ってことはあのバカでかい虫とかが襲ってくるってことか!?」
気付いた時にはすでに遅く、ライトの周りには飢えた獣や巨大な虫が集まり、久しぶりのご馳走を見たような目でこっちを見つめていた。
「いやぁ俺なんて筋ばっかで美味しくないですよ、ははっはははっ。」
冗談をかましていると我先にと巨大なカマキリが襲いかかって来た。
「やっべ!」
紙一重でカマキリのカマを躱すがかなりの速さだ。
「今は逃げるしかない!」
昔から逃げ足だけには自信があった。
「あんなの勝てる訳がない、逃げるが勝ちだ!恥なんか捨てて走れ俺!」
ライトは走って逃げていると洞窟が見えて来た。
「あそこに逃げ込むしかなさそうだ。」
全力で走っているライトはそろそろ限界が近づいていた。
「もう少しだ。」
不思議とライトが洞窟に入り岩陰に隠れていると、先程まではしつこいほどに追いかけていた猛獣などはいなくなっていた。
「ハァハァ...助かった。」
息を整えながらゆっくりと立ち上がり、洞窟の奥を眺めた。
「かなり広そうだな。」
洞窟の入り口は横幅だけでも40m程はありそうだ。元の世界では映画などでしかみたことのない本物の洞窟を目の当たりにし、冒険モノ好きなライトはかなりテンションが上がる。
「ちょっと探検してみるか!」
そして洞窟の日が当たらなくなる境界線を一歩越えた瞬間、全身に寒気が走った。
(このまま進んだらヤバい。)
本能でそう感じる。
そして後ろを振り向かず一歩ずつゆっくりと下がる。
そのまま下がり続け入り口辺りまで戻り、もう大丈夫だと思い振り返って外に出た。
すると。
「キィキィキキィ!」
高音を発しながら大量のコウモリが洞窟の外へと飛んで行った。
「あれがいたから猛獣は来なかったのか?」
そう思ったその瞬間、急に空が真っ暗になった。
そして上を見てみると。
「うわぁっ!!」
ライトの頭上に洞窟の幅ギリギリまである大蛇がその巨体に似合わずまったく音を立てずに通っているのである。
たまたま少し地盤が凹んだ所にいたおかげで踏まれずに済んだが、平らな所にいたら一発で死んでいた。
「こいつがこの洞窟の主か、本当にこの世界は規格外だな。」
すると大蛇は方向転換し、急に夜から朝になった。
そんなことを思っているライトの目に衝撃的な光景が飛び込んで来た。
なんとその大蛇の頭の上に少女が乗っているではないか。
「おい!何してるだ!降りろ!」
とっさに叫んだ、遊び半分で乗っていたら振り落とされて殺されてしまう、なんとか助けなきゃ。
...だがどうすれば。
「あーもーやるしかねぇ!やってやる!」
そう叫んだライトは凹みから脱し、全力で走り出した。
「うおおおおおおりゃああああああっ!」
ライトが向かっていたのは大きな木だ、大蛇が向かっている先の木に最短距離で向かい、登ってから飛び移るつとりである。
幸いにも木には太いツルが巻きついていて走っているだけでどんどん登れた。
「待ってろぉ!とぉっ!」
まるで戦隊モノのヒーローのような声を出し飛んだ。
大蛇の頭の上には細かい鱗が重なり合っていて掴まりやすかった。
「シャァァァァァァ!」
急に頭に飛び移られた大蛇は振りほどこうと暴れ始めた。
「くっそさすがに大人しくはしないか!」
これは振り落とされるのも時間の問題だ。
早くあの女の子を助けないと。
ライトは四つん這いのまま走った。
鱗がを掴みながら走ることが1番だと考えたからだ。
そして少女を抱きしめ飛び降りた。
「あ、やっべ飛んだ後のこと考えてなかった、、」
とっさに少女を抱きしめ自分が下になる。
「この子だけは助けないと。」
ドン。
鈍い音が聞こえた。
その瞬間、意識を失った。