スパルタ師匠
もう朝か、体を起こしベッドから降りる。
顔を洗う為に絵の前まで行きダイヤルを回す、そして洗面所にセットすると元の世界のリビングほどもある洗面所になった。
もう部屋召喚とやらには慣れ、元の世界にあったら9割以上がニートだなと思いつつ顔を洗った。
「さて、今日も行くか!」
そう言って部屋を出た。
ライトが向かったのは兵士の訓練所である。
強くなる為に何をすればいいのか考えたがまずは体作りだと思ったからだ。
そこでは意外と剣を振ったりと基礎的な事をしていて意外だったが、ライトには丁度よかった。
「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」
元気良く挨拶をして訓練に混ざり、お昼までここで汗を流す。
こっちの世界でも1日は24時間で回っていて慣れるのに時間はかからなかった。
「よし訓練はここまで!昼飯だ!」
食事が何よりも楽しみだ、元の世界と食材は肉や野菜など似たようなものだが味はまったく違う。こっちの世界の方がかなり美味い。
次期王候補として始めはかなり待遇されたが全て断り、食堂の様な所で食べている。
「おばちゃん!今日も美味しかったよ!ごちそうさま!」
「はいよ!今日もがんばってねぇ!」
そうやっていつもの絡みをして午後に備える。
午後に行うのは異世界で1番期待していた特殊能力である。
魔法や召喚術など色々あるがライトに合っていたのは雷系の魔法であった。
名前に閃光と付いている為イメージ通りの結果である。
普通は一つしか能力は使えないらしいが稀に二つ使える者がいるらしい。
それがフローラである、そこでもフローラとの差を思い知らされた。
「道のり厳しすぎんだろ」
愚痴をこぼしていると人がやってきた。
「師匠おはようございます!今日もよろしくお願いします!」
やってきたのはライトが師匠と呼び能力の訓練をしてもらっている人だ。
「今日も元気ですね、さてやりましょうか。」
師匠のやり方は優しそうな顔をしているのに半端じゃなくスパルタだ。
訓練の種類は対人形式の一つのみ。
「では、行きますよ。」
始まった瞬間にボコボコにされる。
体は鍛えていた方だがまったく歯が立たない。
これで本当に能力が身につくのか分からないが今はやるしかない。
そしてさらにボコボコにされる。
始めてから1ヶ月程経つが能力とやらを使っている感じはしない。
「師匠、俺って本当に能力つかえるんですか?」
そう聞くと師匠は答えた。
「あなたは自分が思っているよりもずっとすごい素質を持ってますよ、諦めず頑張ってください。」
そう言われると単純なライトは更に頑張った。
ある日また同じように師匠の所へ行くと今日から別メニューと言われある場所へ連れて行かされた。
そこは部屋の扉であった。
「この扉の先には私がある部屋を部屋召喚してあります、この訓練はかなり危険ですがやりますか?」
いつもスパルタな師匠からかなり危険と言われどんな訓練なのか正直怖かったが、強くなる為にはやるしかない。
「やってやりますよ!」
「そうですか、では行ってらっしゃい!」
勢いよく扉を開けるとそこには、あの恐怖の光景が広がっていた。
「まじかよ、、、懐かしの光景じゃねぇか。」
そこは初めての部屋召喚で来てしまった魔界であった。
「よっしゃ愉快な魔界LIFE楽しんでやるぜ!待ってろよクソドラゴン達!」
「一つ言い忘れていましたが私が迎えに行くのは1ヶ月後です、では頑張って生きてください。」
「・・・・・え?」