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2度目の人生

(・・・すごい暖かい、そして気持ちいい。あのまま死んだのかな、急に異世界に飛ばされてひたすら草原を歩いて力尽きる、そんな人生だったのか。)


こんなに気持ちいいなら天国だろう、そろそろ寝を覚ますか、そう思いゆっくりと目を開ける。


「あ、気が付きましたか?よかったです!」


そこには天使がいた。

羽が生えていたり頭に輪っかが乗っていたりはしないが天使のように可愛いく金髪でロングヘアーがよく似合う女の子がそこにはいた。


「天使か?」


つい聞いてしまった。

それほどまでに完璧な女の子である。


「うふふ、天使なんかじゃないですよ!」


そう笑顔で答えたその女の子はそのまま話した。


「私が王都に帰っている途中で倒れているあなたを見つけまして、心配だったので。」


「君が助けてくれたのか、本当にありがとう。」


あのまま倒れていて誰にも見つからずにいたら間違いなく死んでいた、彼女は命の恩人だ、そう思い感謝の気持ちでいっぱいだった。


「そんな、感謝の言葉なんて大丈夫ですよ!困っている人がいたら助ける!当たり前のことです!」


そう本心から言える人は世界でも彼女だけであろう。

そう思っていると、ぐ〜とお腹が鳴ってしまった。

それはそうだ、倒れているのを助けてもらったが空腹なことには変わりない。


「お腹が空いてるんですね!ちょっと待っててください!」


そう彼女は答えて部屋から出て行った。

ここは彼女の家なのだろうか、かなり広い部屋にベッドがあり、机やクローゼットなどの家具がある、おそらく客室であろう。

ここまでの客室を用意できるとはかなりのお金持ちらしい。

そうして部屋の様子から彼女の位を考えていると、部屋をノックされた。


「失礼します!食事を持ってきました!」


彼女が食事を持って戻ってきた。


「目が覚めたばかりだったので軽めの食事を用意してきました!」


そう言った彼女が持ってきたのはパンとスープであった。

美味そう、パンとスープを見てここまで美味そうと思ったのは生まれて初めてだ。


「どうぞ召し上がれ!」


そう彼女が言うので頂くことにした。


「頂きます。」


かなり腹が減っていた為に、パンにがっつく、すると急にパンを食べた為、胸につっかえてしまった。


「ゴホッゴホゴホッ」


「そんな急に食べなくても誰も盗りませんよ!


その彼女の言葉に可愛いと思いつつスープで流し込む。

そうして一気に食べ終えてしまった。


「美味かった、ごちそうさまでした。」


お礼を言うと


「どういたしまして!ではゆっくりしていてくださいね!」


そう言ってまた部屋を出て行った。


しばらくすると尿意を催し、トイレを探すが部屋のどこにもない。

廊下にあるのかと思い扉に向かった。

そしてドアノブを回し外に出てみると。


「え・・・・・どういうことだ?」


扉をでて目の前に広がった光景は、空には無数の龍や翼の生えたライオンのような生物が飛び回り、地には恐竜のような生物から巨大な虫のような生物などがいた。

そして扉の先には道がない断崖絶壁。


「なんなんだここは!?」


そうパニックに陥った瞬間に目の前には巨大な龍がいた。

口を開けてこっちに襲いかかってきている。

どうすることもできずその状況のまま時が流れる。


(せっかく助けてもらったのにもう死ぬのか。あの人に申し訳ないな。)


そう思い、諦めていたその時。

目の前にいた龍が切り刻まれ、血を吹き出し落ちて行った。


「何が起こったんだ!?」


状況が飲み込めずあっけに取られていると。


「大丈夫?怪我はなかった?」


そう自分に聞き、目の前に現れたのは、さっきまで自分に食事を作ってくれて目が醒めるまで横で見ていてくれたあの天使だった。

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