始まりは死から
俺、白石颯太16歳は今ビルの屋上にいる。
一週間前のことだった、異性の中で最も仲が良かったカスミ、木崎霞が死んだのは
死因は人身事故、犯人は無事逮捕されている。
事故にあったことを耳にした時俺は特別取り乱すこともなくただ呆然とその話を最後まできいていた。
そんなことあるわけがない、もしあったらその犯人を俺が殺してやる。そう思い始めたのは2日後のことだった。
自分が現実に追いつかない、そんな感じだったか。
それから葬式には行かずに普通に学校にいって彼女のいない世界を体験した。
彼女のいない世界は彼女がいないのを前提に姿を変えていく。
彼女は世界に取り残される
俺は見て聞いて感じてしまった。
彼女のいない世界を
はじめは女子高生が引かれ死亡したとやっていたニュースはもう見ることはない。
そのニュースを見たときに可哀想だと口にした人の何人が今もその引かれた少女の名前を言えるだろうか。
しかし俺は少し違った。
彼女のいない世界は彼女だけでなく俺まで取り残したらしい。
俺は霞が好きだった。
霞は明るくて危なかっかしくてけど意外と繊細なそんなやつだった。
髪の毛は少し長めのショートくらいで
笑顔の似合う子だった。
彼女の笑顔を見るたびにどんな辛いことでも忘れてしまうと言えるくらいは好きだった。
けど想いを伝えることは永遠に叶わなくなってしまった。
だから俺は死んで彼女に会おうと屋上にいるのだ。
「やっと会えるのかな」
会えるわけがないただの逃げだわかってる。
「会えたらちゃんと告ろ」
絶対にできもしない決心をする。
そして…
俺は死んだ。