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第七公女と従者①

「あなたが私の従者になる子ね。

 よかった。私好みのかわいい男の子で」


 本日は、この大陸の盟主である王の第七公女である少女が、自分の人生に一生一緒にいることになる従者との初顔合わせ。

 少女は満面な笑みを作りながら言ったのだった。

 だが、本当には二人とも知らない顔ではない。

 幼い頃から隠れてちょこちょこ会っていた間柄だった。

 だから、


「何が『私好みのかわいい男の子』だ。

 俺はおまえより身長が20cmぐらい高いぞ。

 むしろ、おまえの方が幼女のように幼い姿をしているぞ」


 などといつも通り砕けた話し方で言ってしまう。

 しかし、今は部屋に二人だけしかいないわけではない。

 周りには王室の関係者などが数人いる。

 もちろん、少年の付き人もだ。

 よって、その付き人から、少年は背中をつねられ、耳元で


「言葉遣いがまったくなっておりませんぞ。

 そもそも、お二人はまったくの初対面なのでは?

 あれほどここに来るまでに練習をいたしましたよね?」


 などと、怒りのこもった声で言われてしまう。

 もちろん、第七公女と少年が昔からの知り合いだということをこの従者は知らない。

 それを見ていた第七公女は、クスクスと笑いながら、悪乗りし、


「ルーシェ。私はあなたと初対面にもかかわらず、そんなに親しげに話されても困ります。

 そもそも、私の従者になるあなたは、私に対してもっとうやうやしく接するべきでしょう」


 と、言うが、ルーシェとしては面白くない。

 目の前にいる第七公女、リミリィが主君として尊敬できる相手ではない、ということをルーシェは長年の付き合いで知っているのだ。

 従者としての態度を求められたルーシェは不服そうな表情を見せ、


「失礼いたしました。第七公女、リミリィ様」

「ぷぷぷっ、あなたにはそういう言動は似合いませんね。

 まあ、いいですわ。

 皆様方、これから二人でお話をさせて欲しいので、席を外してくれませんか?」


 と、笑顔を作りなから柔らかい物腰で言う。

 に、対して、その部屋にいる王室関係者から、


「え、えぇーと、なんと申しますか……、いきなりお二人、しかも男女を二人きりにするのは……、そのルーシェがなにをしだすか、わかりませんし」


 と申し訳なさそうに言う。

 それに対して、ルーシェは、


「こいつにそんなことなんてしねぇーよ」


 と、つぶやく。

 リミリィは近くにいるから、カチンときたが、今は置いて置いて、


「あのー、私の言葉が聞こえませんでしたの?」


 と、言う。

 この世界での王族の権力は絶対。逆らえば、理不尽に処刑されることもある。

 だから、


「す、すみませんでした」


 と、慌てて、部屋にいた者たちは、ルーシェとリミリィを残して部屋から出て行ったのだった。

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