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トリックアクターズ  作者: 光井テル
Act.1 三章 裏?
25/78

1.3.5

 こうして俺はグロースの一員となった。全て……あの日から繋がっていたんだ。

 集会の翌日から、俺はグロースに拘束され、二度目の計画やその他基本的な知識を教え込まれた。

 錬金術の概念、舞識島の秘密、グランミクスの事と、それを創設したハーネット家の事やら。

 とりあえず、グロースが次にやろうとしてる計画について重要な三つの情報だけは覚えた。


 一つ目が、ナジロ機関。

 舞識島は表向きにはグランミクスが運営していることになっているが、実はそれは正確ではない。舞識島の実権を握っているのはこのナジロ機関という組織で、かなり強力な武力を有してる危険な組織って話だった。グロースはこいつらを相手にしようとしているらしい。


 二つ目が、不死身の薬。

 九十九蒼麻が作った薬のことだ。それを飲むと肉体が不死身になる……らしい。実際に見たことないから知らないが。ただ、この薬には青いのと、赤いので二種類あるとの事だった。

 青い薬は九十九が作ったプロトタイプで、不死身にはなるがデメリットがあるらしい。今回の計画では青い方は使わないという事で、デメリットについては詳しく説明されなかった。一方、赤い薬というのは、青い方が持っていたデメリットを完全に消し去った完成品なのだそうだ。

 つまり、青が劣化版、赤が改良版というわけだな。今度の計画では赤い薬のみを使うという話だが、開発時間の都合で赤い薬は小瓶一つ分しか作られていない。


 そして三つ目が、『ウツロ』と呼ばれているグロースの戦闘員の事だった。

 コイツは俺も詳しく聞けなかったが、どうやら三月から舞識島へ渡っているようで、『ウツロ』というコードネームで呼ばれているようだった。三月から島に潜伏している奴は何人かいるそうだが、そのウツロって奴だけは特別らしい。


 三月の計画では、青い薬を大量に島へ運ぶ事になっていたが、港の警戒が元に戻ったせいで今回はそれが出来なかった。そこで、島内にいるウツロに一つしかない赤い薬を飲ませて不死身の身体にし、ナジロ機関を正面から壊滅させるというのが計画の大まかな筋書きだった。


 そして、八月三十一日。千条に「まぁ大丈夫ですよ~。なんとかなります。気楽に頑張ってください!」と言われ、俺はグロースの計画に手を貸すことになり――赤い薬の入ったアタッシュケースを舞識島へ運ぶ役に任命されてしまったのだ。


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