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漸く要素が出てきたよ

 最早あらすじ詐欺もジャンルに入れるべきですね。

 団長たちの雑用を引き受けて一週間。躾のなっていない犬よりも行儀がなってない団員たちの躾もしっかりしてきた頃……


 漸くこの話も進むらしいです。



 話の発端は団員達の話から始まりました。




「聞いたか?東の森付近で化け物が出現するらしいぜ」


「東の森って“木漏れ日の森”だろ。モンスターどころか猛獣だってあんましいない場所だろ……化け物って何かの見間違いだろ」


「俺も最初はそう思ったさ! けど、どうも見たのは一人だげじゃなく……不特定多数なんだよ……」


「……例えば?」



 あぁ、これってその森に行くか、話をもっと詳しく聞くとフラグが立つんですね……さて、どうしましょう。この話はギャグ何ですよね……さして面白くもないのにシリアスなんて詰め込んだら……最早ギャグではなくなりますし……でも、シリアスをはさめばギャグも味わい深く……なりませんねこの作者の腕では。



「―――で、隣街のお偉いさんが団長に相談してたって聞いたぞ」


「じゃ……誰かが派遣されるのも時間の問題か……なんか俺いきたくねぇ…」


「仕事選り好みしてる立場にはないけどさ……なんか俺の勘が「俺たち下っ端じゃ無理」って言ってるし……確かに行きたくないわな」


「けど俺たちは団長の命令なら……行くだろ」


「あぁ。それが恩返しになるならな」



 ちょっとシリアスになってるのでそんな雰囲気は吹き飛ばしましょう。シリアスなんて嫌いです。



「辛気臭いお話の途中失礼しますけど、お食事中の私語は咎めませんが、テーブルに肘をつきながらはみっともないのでお止めください。あと、洗濯物が乾いたのでご自分の服を持っていってください……繕い物が有るならそれ専用の籠に……それにしてもこないだのあなた方の破れもの……どう考えても可笑しな破れかたですよねぇ……ズボンは破れてないのにパンrn」


「だぁぁ!!止めてくださいユウキさん!?」



 ズボンの持ち主に口を塞がれたので言えませんでしたが読者さまにはお話ししてしまいます。彼らも私の脳内まで口出しできはしませんから(笑)



 実はなんの面白味もない「バレたら恥ずかしいから破れたズボン繕ってください!」って頼まれたんですよ。しかも本人も相当慌てていたのか一緒に破れた下着は出してこなかったんですよ。

 そしてその後私が洗濯物を洗っていると破れた下着が………ええ、他の団員にはバレないように隠しましたよ。後でからかった方が面白いでしょうしね。


 ちなみに恥ずかしがってた訳は、ただ単に何もないところで転んで……なんて面白味のない理由でしたよ。隠す方が後々恥ずかしくなるんですって。



「そ、それより!ユウキさんは団長からなにか聞いてません?」


「どうして皆さん団長が相談する相手が私だと勘違いしてるんですかねぇ?」


「え、違うんですか?」


「そんなこと相談されたこともありませんよ。あの変なところで口下手な団長が自分から私に話し掛けてくるのはせいぜいご自分の生活に関わる事だけでしょうしね……そんなに大事なら床に広げて置くなんて事しなければ私も捨てませんでしたよ」



 私だって床に落ちている紙くずはゴミだと思いますって……思いません?



「全く。日頃から整理整頓していれば私もゴミだとは思いませんから……皆さんも気を付けてください…ね?」


「「「肝に命じておきます」」」


「是非ともそうしてください……お互いのためにも」




 この一週間ほどで私はオカンになってしまいましたよ。嫌ですよ自分より一回り歳上の子供なんて要りませんからね。



「…そ、それよりも! 化け物ですよ!」


「化け物……ねぇ。どんな外見だったんでしょうね?」


「………何故?」


「ただ単に化け物と言っても色々居るでしょ。人間タイプとか動物タイプ……名状しがたい物は居て欲しくないですが、化け物とひと括りにしても色々といますからねぇ……で?どっちだったんですか?」


「――そこまでは……みんな化け物とだけで…」


「ふむ……記憶の混濁……いえ、自己防衛の為にあえて曖昧に……」


「あの……」


「ユウキさん?


 いいやぁ……飛ばされる前にやってたTRPGがTRPGですから……発狂していないだけマシですよね……居たんでしょうかね?



「誰かその周辺で気が狂った……発狂したとか何かの有りませんでした? 」


「発狂……した?」


「あ、あぁぁぁぁ!?……居ました、居ましたよ。隣街の商人が「アレが来る……アレが追いかけてくるっ」って言い続けてるらしいです」



 ダイスロール失敗したんですかね? 何が追いかけてくるのかは……多分その化け物関係なんでしょうね。この話の流れ的に。



「どうしたんですか?眉間にシワよってます」



 恐る恐る私に話し掛ける団員。




「困りましたねぇ……多分その化け物……我々でどうこう出来る代物でないかと」


「え?」


「束になって掛かって行ったところで返り討ちが関の山……あなた方でも、良くて精神崩壊。悪くて死……ですかね」



 ダイスロール失敗で即SAN値0で発狂しそうですしね……私が作ったキャラは設定上大失敗さえしなければ数回は耐えられそうですが……出来れば見たくないですね。それに姿が……いえ、立ち絵はかなり美化されてましたから……髪と目の色だけで全く似てませんし・・・その通りとは限りませんよねぇ~。ギャグですしこの話。




「兎に角触らぬ神に祟りなし……ですよ」



 ああいった手合いは関わろうが関わらないが関係なく狂気をばら蒔くタイプも居そうなので恐ろしいですが……分からない現状関わらないのが吉ですね。



「逝くなら死ぬよりも恐ろしい目に遭う覚悟をしてくださいね♪」


「なんか恐いんですけど」


「私は切実に言ってるだけですよ……さて、朝帰りの団長はちゃんと朝食を食べてきますかね……と、あら、もう朝食残ってませんけどね」


「……取っといたりは…」


「してませんね」


「団長ドンマイ…」


「俺……団長よりもユウキさんの方が逆らっちゃいけない気がしてきたよ」


「言うな……みんな思ってんだから…orz」




 人聞きの悪い。予定も言わず出て行った方が悪いですよ。団員を管理して躾ける手間が省けた所為でハメを外しすぎてるんですから……団長と言うのも単なる肩書きになりつつありますし。


 ―――あ、もしかして彼女(複数)からのラブレターを私に見られたことをまだ気にしてたりするんでしょうか?

 だとしたら何とも器の小さい……いえ、甲斐性のない……他人の色恋沙汰に興味はありますが――他人の不幸は蜜の味ですし――首は突っ込みませんよ。それについ口が滑った「二股サイテーですね」の一言がダメでしたかねぇ?


 ま、実際二股ではなくて5股だったんですけどね♪



 モテますね……愛しの彼女を持つ身としては巫山戯んな尻軽男がっ!……って思いますがね。

 チラッと見た手紙の内容では皆さん分かっててお付き合いしてるみたいですし。



「ホントに。ここに住まなくてもローテーション組んで回れば良いんですよ。それならただでさえ掛かる出費も押さえられますし……団長分の風呂代にいくら掛かってると思ってんだ……



「「「「(ガクブルッ)」」」」



 一人の為だけに風呂を沸かす光熱費(電気ではなくて魔石)が何れだけ負担になっているか……団員達の分は薪だぞ薪!……っと、失礼。怒りのあまり言葉が荒れました。


 まぁ、最初のうちは私後から入る団長の分も薪で補っていました……補ってたんですよ。


 なにも憎いからとか、そう言う低レベルの理由じゃないんですよ。兎や角言うにも理由があるんです。


 だってですよ……余りにも遅い時間帯に帰ってきては「風呂を沸かしてくれ」と叩き起こされる私の身にもなってください。朝は早くから朝御飯の用意(団員分+α)に休む暇なく後片付け。それが終われば大量の洗濯物を捌き、散らかり放題な宿舎の掃除に留守を守っている(非番)の団員たちのお昼に夕食の仕込み……気の利く団員が手伝ってもくれますが、圧倒的な人手不足に私は毎日が疲労困憊。


 そんな大変な一日を乗り気ってさあ寝れる!……と思ってベットに入って目を瞑ると「風呂を沸かしてくれ」が第一声の団長さまがノックもなしに私の部屋に言いに来るんですよ……どんな気分になりますかね?


 確かに私はそれが仕事です。ですが、身の丈に合わない程の仕事量をここ一週間は続けているんです。そろそろ私も限界です……苛々が。



 そこで団長も考えたんでしょうね――私が間違えて偶然(・・)見てしまったラブレターが発端かもしれませんが――私の手を煩わせず風呂を沸かす方法を……ですが彼は詰めが甘すぎましたね。



 “私の手を煩わせず風呂を沸かしても光熱費がかさんでは同じこと”



 ―――だと。団長には細かい勘定が出来ないようですし、魔石で簡単にお湯を沸かせる装置よりも会計士が必要ですね。私はそこまでは手は回らないので嫌ですよ。



「そもそも裏方の人手が圧倒的に足りないのがいけないんですよ……ねぇ?」


「「スイマセンデシタ」」


「「ハンセイシテマス」」


「……そう、言わされて言っている辺り反省してるのか良くわかりませんねぇ」


「「「「トテモハンセイシテマス(切実)」」」」




 苛めるのも可哀想なのでこの辺にしておきましょうか。







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