腐海の根は深かった
サブタイは「ゴミ屋敷に挑む」ですね。
一先ず洗濯物は団員達の手によって仕分けされ、団長命令のもと団員も洗濯に参加して何とか日暮れまでには完了した……私一人では無理でしたね。流石は人海戦術の力。
日はすっかり落ちて何か食べれるものを団員分+私の分も買ってくるように何人かの団員に命じた団長の顔は臭いと疲労で引き攣ってました。
………外で食べた方が無難ですよ?
「残るはこの根深そうな腐海ですね……一番キツそうな難関が残りましたからね……」
「何処から手をつければ…」
「どうしてここまで放って置けたんでしょうね?」
説明してませんでしたけど、この宿舎かなり広いんですよ。各部屋が50程あり、食事をするであろう50人なんて余裕で入れる食堂(今は絶賛使用停止)に、皆が寛ぐ大広間、トレーニングルーム(臭いがガガガ…)に唯一汚れていない団長の私室と書斎と書庫(誰も本を読む人が居なかった)は今は一先ず無しにして、早いとここれをどうにかしないと……一番始めにキッチンと食堂をキレイにしないと……。
各部屋は後から手をつけよう……
「先ずは……この足の踏み場も無いゴミを撤去しましょう」
「そんなに簡単……」
「最初は簡単な作業ですね……ですが判別不明の謎の悪臭漂う物体を素手で掴むことになりますよ……何か用意してからの方がいいですね。キレイな布を口周りに巻いた方が無難ですね……あ、あと、何か挟める物は無いですか?箸みたいに……」
想像でもしたのか皆さんお顔が真っ青ですよ? 今日だけでも何回真っ青になるんですかね?
「さぁ、勇気ある者は私の後に続いてください。怖じ気づいたならそこでサンドウィッチでも貪ってて下さい。あ、来るなら食べない方がいいですよ……この臭いに鈍感になってる皆さんには分かりませんが……えぇ、芳しい香りが漂ってきてますからね……吐いても知りませんよ」
「………」
「……よろしく頼む。無論俺も手伝う」
「そうですか……先程の私に文句を言っていた数人は……あぁもう食べてしまわれましたか……除外しましょう。吐かれても面倒ですし来ないで下さい」
「……ハイ…」
「あ、ハイ…」
「面目無いです…」
「さあ、この腐海を浄化しましょうか!」
そして、数千年の時が経った……
な、訳ないですよね。
深夜まで掛けてキッチンを確保に至り、使用可能まで私はキッチンを掃除、他の皆さんには食べる場所の食堂を確保してもらってます。
やはりと言うかなんと言うか、案の定得たいの知れないブツが発掘されて……大半の団員がグロッキーな状態異常に見舞われてつかいものにならなくなったりもしました。
だから私のように完全防備(目を防御するための密封できるゴーグルに洗濯バサミを鼻に…)してれば少しは耐えられたと言うのに……人の話を聞くって大切ですよね?
「何であの平気なんだ……」
「俺もうなにも食いたくない…」
「暫く……何も食べたくな…うっぷっ……」
「吐くなら外でしてくださいよ……折角ここまでキレイにしたんですから……」
「了解です……うえっ…」
キッチンの作りは現代風で蛇口を捻れば水瓶座ちゃんと出た。が、色々と埋もれていたので多少出しっぱなしにしている。怖いもの……蛇口に何が詰まってるか分からないし。
そして排水溝はまな板(カビてて廃棄処分)でキッチリ塞がってたからか何も詰まってるわけでもなく割りとキレイだった……キッチンよりもキレイな……気がした、末期だな。
各引き出しや戸棚は開けたりしなかったのかキレイなままで……ホッとした。けど、入っていた食べ物は何時のだか怖いので破棄した。
そんな勿体無いモノを見る目で見るな。食べたいのなら食べてみたらどうです?
そう差し出した缶詰め(中で発酵してるのか膨れている)は誰も手を出さなかった。
ここだけの話、世界一臭い缶詰めを連想させて私は近寄りたくもなかった。
「そんなに拒否反応起こさなくても…」
「中で発酵したモノの臭いの威力を舐めたら死にますよ。加熱せず塩漬けにして缶詰めにしたモノの悪臭……下手な兵器よりも強いですよ……下手したら一ヶ月ハエさえ寄らない悪臭を纏うことに…」
「(゜ロ゜)」
「え?」
「orz」
「すぐに外に出せ!」
そこまで……しなくてもいいんですがね?ここで開けられても嫌なので脅しておこうと思ったんですが……この人たちのメンタルは本当に戦闘以外は豆腐なんだと再確認しました。
得たいの知れないブツの撤去が終わったのは深夜を当に過ぎた辺りだった。疲れましたね……お風呂入りたいですが、風呂場も……これは明日にやりましょう。非番の人たちを巻き込んで……いえ、団長を巻き込みましょう。
団員から入手した情報によると戦いに出るのは他の団員が主で団長は書類整備が仕事になっているとか……。団長には重荷になりますが頑張ってもらいましょう。あと、元気そうな団員も逃がしませんからね。
「明日は風呂場と大広間を重点的に確保します。あ、あと応接室もあのままではお客が逃げますのでそちらも…何です、文句があるなら過去の皆さんにいってくださいよ。私は改善すべくこうどうしているのですからね。……分かったら各自休んで明日に備えてください。お仕事もあるでしょ?」
皆さんに稼いでもらわないと私も食えませんからね。期待してますよ♪
「お前は……本当に遠慮がない」
「私だってここまで酷くなければ黙って仕事してましたよ……そしたら案の定文句は言ってくるし……私じゃなくてもキレますって(ニッコリ)」
さあ、私はキレイになったキッチンの隅で毛布にくるまって寝ましょうかね……この為にキレイにしたようなもんですからね……
「こんな所でホントに寝るのか?」
「屋根があれば天国ですよ。傭兵の皆さんは少々贅沢ですよね……もしかして派遣先では宿に泊まってますか?」
「あ、あぁ……そうだな……うん。」
「いつも……と言いませんが野宿を経験しておいた方が何かと楽ですよ……いつも屋根がある場所に派遣されるわけではありませんからね……サバイバル技術を誰か専門家にでも教わっておいて損はないですよ?」
「そうなんだが……誰も知らないんだ…」
「――すみません、良くそれで今までやって来ましたね……ある意味運が悪かったですね」
何か小さいことで失敗してれば良かったのにね。
始めのうちなら早い段階で修正も出来たのにね……
「まぁ、そんなことは団長に任せるとして……お休みなさい。眠いので寝ます」
御休み3秒の私は直ぐに夢の国に導かれたとさ。
この主人公は心の中までさらすほど素直ではないので口が悪いです。でもラスボスではないので悪い人でもないので安心してください?
今更ですが名前と目と髪の色は某格ゲーのキャラから……中身も外見も他のところは全く似てません。
ぱっと浮かんだキャラがこんな感じで最初に考えたキャラを少しマイルドにしました。それでも口が悪いですね。