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(ゆう)坊ちゃーん! ついに届きましたよ。『ユヴェールライフ』」


ドタドタと騒がしく部屋に入ってくるのは、僕が小さい時から一緒で世話係の大和(やまと)。外見は厳ついが性格は犬のように愛嬌があり気に入っている。


いつもならうるさいと説教コースだが、今はそんなことよりも『ユヴェールライフ』である。


『ユヴェールライフ』とは今流行りのVRMMORPGである。最初VRゲームが発売日された時には脳に影響が、子供の教育に悪いなどと色々言われたそうだが3年たった今では当たり前のように普及している。


そして次々と新作がでるVRゲームの中でも今話題になっているのが『ユヴェールライフ』というわけだ。リアルさが売りで、もう1つの人生とまで言われている。


詳しくは楽しむため意図的に知らないようにしているが、僕の悪友達も絶賛していたので素晴らしいものなのだろう。しかし、本来僕はゲームには興味がなかった。悪友達に誘われたときも断ったし、これから先もする予定はなかった。


するに至ったのは1枚の画像である。悪友がゲーム内で撮ったという画像に写っていたのは、猫の格好をした女の子であった。偽物と比べ物にならないほど精巧な作りの耳が頭から生えているし、尻尾もお尻から生えていた。ふわふわ感が画像越しから伝わってくる。衝撃を受けた僕は鬼の早さでネットにてゲームをするための機械とソフトを注文をしたのだった。


そして待ちに待った今日、届いた。顔を引き攣らせた業者が準備をする。大方家にビビっているのだろうが、手際は良いので文句は言うまい。そしてコンセントを挿せばできると思っていた僕にはチンプンカンプンな作業を20分程度で終わらせた業者は、そそくさと帰っていった。


「さーてやるかねぇ。大和、お前は僕の身体を見張ってろ。誰にも近付かせるな。」


「了解です! 何人たりとも遊坊ちゃんの近くには寄らせませんので、安心していってらっしゃいませ。」


僕にちょっかいを出すやつは早々いないだろうが、念のため大和に見張らせておく。大和は僕に忠誠を誓っているし、腕もなかなかである。これで安心してゲームに集中できる。


説明書にあるとおりに、ヘッドフォンを身につけ、ベッドに寝転がる。そして言葉を口にする。


「ユヴェールライフスタート」


そうして僕は、ゆっくりと意識を落とした。


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