表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方 朧雪華  作者: めーりん
過去とこれから×過去との決着
34/44

二十九章 永遠亭からの招待×意味ありげな警告

‡‡‡


2004年10月28日


様々な出来事が発生した”永夜異変”から一か月が経過。その間幻想郷の基礎を作った巫女”博麗霊那”の元で休暇を過ごしていた赤羽無月と十六夜咲夜は約一か月ぶりに紅魔館に帰還した。


「・・・・なんだか懐かしく感じるな」


「一か月しか離れていなかったのにね」


どこかのんびりとした雰囲気のまま二人は門前で館を見上げる。すると門番である美鈴が二人に笑みを浮かべて話しかける。


「無月、咲夜さんおかえりなさい。休暇は楽しめたようですね?」


「まあ・・・な・・・・」


「それなりに大変なこともあったけれどね」


苦笑しながら美鈴に笑みを返す二人。


「それはそうと、明日の宴会はどうなるんだ?」


「霊夢さんや八雲さんから手紙が来てましたよ」


「と、なると今頃お嬢様たちはパチュリー様のところかしら」


「おそらくは」


無月や咲夜の質問に美鈴は答えてゆく。納得した二人は美鈴に礼を述べると図書館に向かう。


‡‡‡


「あら、二人とも休暇はどうだった?」


「お兄様ーーー!!!」


図書館に入った二人に目を向けると軽く笑みを浮かべるパチュリー。そしてフランが笑顔で無月に抱きつく。レミリアは若干疲れ気味の笑みで二人を見ると、こぁが淹れた紅茶を一口飲み、その手に持った手紙を若干忌々しそうに見る。


「お嬢様?」


「全く、あのスキマめ・・・・忌々しいわ」


「ある意味自業自得じゃないの」


「・・・・うー・・・・」


咲夜が心配そうにレミリアに声をかける。レミリアの呟きにパチュリーが呆れ気味に返すと、レミリアは咲夜に手紙を渡してテーブルに突っ伏す。


「・・・・これは・・・」


「なんでもスキマが異変の首謀者と協議した結果らしいわ」


「肝試しは説明を永遠亭で行った後、竹林で行う。ただし赤羽無月”だけ”は肝試しには参加せず、説明前に永遠亭に出向くこと・・・?」


「無月だけ読む事、ってスキマの式が残した手紙があるわ。当然私たちは読めないように術式が貼られてるみたいでね、解析もできなかった」


手紙を受け取った無月が疑問に満ちた表情を見せる。後ろから見た咲夜も不思議そうにするが、パチュリーが無月にもう一通の手紙を手渡しながら説明する。


「と、いうことは・・・・」


「私は咲夜とお姉さまと一緒に肝試しに参加するんだよ」


「まあ、楽しんでください」


振り向いた無月にフランは嬉しそうに話す。自分達の居なかったひと月の間にスカーレット姉妹は仲直りをしたらしく、無月と咲夜は少し嬉しそうな表情になる。


「ではもう一通に関しては自室で読んでみます」


「そうして頂戴。肝試しの開始は明日の丑三つ時らしいわ。無月はそれより前にその永遠亭とやらに行くように、とのことよ」


「わかりました」


無月が図書館から退室する。それを見送ったパチュリーは咲夜に目を向けると若干意地の悪い笑みを向ける。


「で?休暇の間に気持ちは纏まったの?」


「・・・・ええ・・・・まあ・・・」


珍しく歯切れの悪い答えを返す咲夜。その後出発まで咲夜はパチュリーとフランから質問攻めにあうのだった。


‡‡‡


「さて、と……」


意を決して永遠亭の門(修繕中)を叩く無月。すると暫くして一人の少女、もとい妖怪兎のリーダー格である"因幡てゐ"が扉を開く。


「あ、来たんだね」


「手紙には完全武装で、とあったが?」


「まあ詳しい話は師匠に聞いてよ。あたしゃ姫の外出準備に忙しいんでね」


「肝試しの説明でもするのか?」


「まあねー。ま、兎に角入ってよ」


先導するてゐ。その表情は若干緊張気味であり、無月は少しだけ不安になった。


「師匠、無月が来たよー」


「入って」


数多くある永遠亭の部屋の一つ。その前に到着したてゐが中に声をかける。


「さて、怪我の経過はどう?」


「至って健康だ」


無月に向きなおった永琳は帰ってきた答えに、満足そうに笑みを浮かべる。


「ところで・・・」


「ええ、ちゃんと説明するわ・・・・貴方に頼みたいというのはウドンゲの事なの」


無月の言葉を若干遮りながら永琳が答える。一瞬誰のことか分らなかった無月だったが、即座に鈴仙のことだと理解する。


「あの時の飲み会のあとからちょっとウドンゲの様子がおかしくてね・・・・ショック療法、というわけではないのだけれど、もう一度ウドンゲと戦ってほしいのよ」


「・・・・・その位ならお安い御用だ」


何か大変な事を頼まれると思っていた無月だったが、永琳の頼みに少し笑みを浮かべながら了承する。すると永琳は笑みを返すと無月に鍵を手渡す。


「この先に地下に降りる扉があるの。ウドンゲはその先に居るわ。私は今から肝試しの概要の説明とかをしないとならないからもう行くわね。」


「分かった」


「一つ、アドバイスをしておくわ・・・・・本気で戦わないと、殺されるかもしれないわ」


「・・・・・肝に銘じておく」


鍵を受け取った無月。その去り際に永琳は無月にアドバイスとして忠告しておく。無月が頷くと、永琳はそのままてゐを伴って去っていくのだった

どうも 最近はオリジナル小説と並行して執筆を行っている遅筆作者ことめーりんです


ようやく最新話を投稿できました。さて、次の話ではようやく萃夢想で出したスペルの実態が明らかになります。


そして特別章とのリンクもありますのでお楽しみに。



・・・・・ヒロインが誰なのか若干不明になってきた気がします・・・(ヲイ)



次回予告

永琳から頼まれた鈴仙との再戦。しかし無月の兵士としての勘が働きかける。

次回(仮題) 狂気のありか


お楽しみにです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ