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東方 朧雪華  作者: めーりん
永夜異変
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第二十三章 開かれた真実×スキマの誘い

若干独自の解釈が入り始めます

2004年 10月 永遠亭


「つまり俺の世界の住人は八意さんの子孫・・・・という解釈でいいのか?」


「話しを統合して考えると、そうなりますね。どう、変化した結果が貴方の世界なのか・・・・それは私にも想像できません」


永琳から告げられた事実にやや掠れた声で無月が問いかける。永琳も難しい表情で答える。そこに鈴仙が口を挟む。


「師匠、今はそれよりも・・・・」


「そうだったわね。無月さん、貴方の背中に彫られている刺青(いれずみ)は、誰が彫ったのですか?」


‡‡‡


無月は永琳から問われた内容に(彼としては極めて珍しく)呆然とするしかなかった。隣の咲夜は何のことか理解できないのか、首をかしげている。


「もう一度、今度は具体的に聞きます。貴方の背中に彫ってある三本足の烏と、剣は誰の手で彫られたのですか?」


「・・・・俺の師だ」


永琳の問いかけに言葉少なく答える無月。すると永琳は独白するようにつぶやく 


「貴方に撃ち込まれていた弾丸が貴方を滅さなかったのはその刺青に込められていた力です。三本足の烏は太陽の使い、もしくは神の火の力を持つとされる八咫烏を模していました。そして剣の方は恐らく雷神"建御雷神(タケミカヅチ)"の事を指していると私は考察しています。火も雷も、どちらも神や浄化としての見方をされます。故に貴方を守護していたのではないのでしょうか・・・・この刺青を貴方に彫った人物はそういった事に造詣が深く、なおかつこの弾丸について詳しい人物だったのでしょう。これが貴方を救っていたのですよ」


「("俺の罪"・・・・か。・・・・影光、あんたは八意さんの居た時代から生きていた人物なのか・・・・?。もし、もしもあの世界に行けたなら、俺があんたの代わりに帝国を潰してやるよ。それがあんたに助けられた俺の恩返しだ)」


永琳の独白に無月は昔、己の師である影光が呟いていた言葉を思い出していた。それは無月の中でとある決意となった。


‡‡‡


話しも終わり、微妙な雰囲気を断ち切るように永琳から暫くは安静にすれば傷も塞がる、お大事にとの言葉を受けた無月は、咲夜と共に今後の生活のための着替えなどを取りに一度紅魔館に向かうことにした。


「これからどう過ごすか・・・・」


「パチュリー様に聞いたら、今度の満月までは確実に休暇を取らせるように言っていたそうよ。それまで紅魔館に入ったらさらにお嬢様たちに罰を与えるようなことを仄めかしていたとか。着替えは門前で美鈴が渡すって・・・・・選んだのが"あの"八雲紫だということで一応確認などはするみたいだけど・・・・」


歩きながら考え込む両名。一応門前で美鈴が無月達の着替え(どうやら八雲紫が選んだ物もあるとか)を受け取ることに危機感を覚えた二人だが、一応美鈴がチェックをしていることに期待することにした。


「しかし俺の世界が八意さんの居た時代の・・・・"外"の世界の一つの可能性だったとはな・・・・」


「・・・・・予想外にも程があるわね」


ため息をつきながら話し合う二人。そんな時無月の左右からそれぞれ一人ずつ少女が飛び出してくる。


「お兄さん見つけた!!」


「居たーー!!」


「・・・・は?」


右側から現れた少女は"式の式"である(ちぇん)。左側から飛び出してきたのは"夜雀の妖怪"ミスティア・ローレライだった。良く門番として立っているときに飛びついてくる二人(ルーミアとチルノ)だと予想していた無月は、予想外の二人に思わずポカンとしてしまう。


「・・・・・どっちが先に用事いう?」


「・・・・ジャンケンで決めよっか」


ミスティアと橙も、自分以外に無月に用事がある人物がいるとは予想外だったのか、思わず目を合わせると、自然とジャンケンで先に用件を言う方を決めることにした。


‡‡‡


ジャンケンの結果、先に橙が無月に用事を伝えることとなった。やや緊張した表情で無月の前に立つ。


「えと、藍様からの伝言なんです。前回の異変、えと・・・人間の里では"永夜異変"って呼ばれてるそうなんですけど、その異変で紅魔館の従者二人に博麗の巫女が休暇を出すようにって伝えられたと思います。で、紫様と藍様がお二人がその休暇の間過ごす為の住居を紹介したいとのことです」


時々思い出すような素振りをしつつもしっかりと伝える橙。どこで過ごすか決めていなかった無月と咲夜は思わず顔を見合わせる。


「私が藍様に伝えれば直ぐにその住居に案内するとのことです・・・・えと、どうしますか?」


「まだ着替えとかを持って来ていないんだが・・・」


「そうね。それの準備ができ次第・・・・で構わないかしら」


無月と咲夜の言葉を受け、少し目を瞑る橙。どうやら藍と交信しているらしく、時折小さく頷いている。


「では紅魔館まで私が同行しますね。準備が出来たら話してください」


「ん」


無月が優しく橙の頭を撫でる。最初は驚いたような橙だったが、気持ちがよいのか、穏やかな表情になる。そんな橙を撫でながら無月はミスティアに顔を向ける。


「そっちの用事とは?」


「ん?ああ、三日後に人里の北に屋台出すからもしよければ食べに来てほしいな~と思って、会いにいけそうな顔見知りに片っ端から宣伝してるの」


「行けたら行く」


ミスティアが無月に簡易の地図を描いた紙を手渡す。それを受けとった無月は小さく頷くと、気に入られたらしい橙にせがまれ、手を繋ぐと咲夜と共に紅魔館に向かう。


‡‡‡


紅魔館門前


橙と手を繋いだまま到着した無月と咲夜を迎えたのは、大型のトランク二つを両脇に置いた美鈴だった。


「お帰りなさい、無月。咲夜さんもお疲れ様です。これ、お二人の荷物です。霊夢さんが具体的な休暇の日数を伝えてきたので、それに数日分の余裕を持たせてあります」


「ありがとう、美鈴」


「ん。休暇中、館のことは任せるわよ?」


笑顔で二人にトランクをそれぞれ手渡す美鈴。無月も咲夜も、美鈴の気遣いに感謝しながらトランクを受け取る。そんな二人を見て美鈴は笑顔を見せる。


「無月も咲夜さんも休暇、満喫してきてくださいね。ただでさえお二人は日ごろから働きづめなんですから・・・」


「・・・・わかった」


「本当に美鈴には敵わないわね・・・」


常に外に待機している美鈴に自分たちの状態を知られていることに苦笑しつつ、頷く二人。無月が傍らの橙に頷きかけると、橙は一つ頷くと、目を閉じる。


「では、休暇を楽しんできてください」


「紫様がスキマでお二人を住居に送るそうです。えと・・・・気をつけてくださいね?・・・・え?」


「「え?」」


少し疑問気味の橙の言葉に無月と咲夜が声を揃えてポカンとした瞬間、二人の足元にスキマが開き、二人は笑顔の美鈴に見送られて落下していったのだった。


‡‡‡


だいぶ遅れました 遅筆作者ことめーりんです


今後の話の難産さで執筆が滞っていますが、作者の気力便りに頑張りたいと思います



でもやっぱりお気に入り数やレビューでもやる気がでるのもまた事実なんですがね(苦笑)


では大分恒例になってるといいなぁ・・・・な次回予告


隙間が誘った先に建つ一軒の屋敷。そこで出会う人物とそこで明らかになる衝撃の過去と提案


次回 第二十四章 白玉楼の男の過去(仮題)」


お楽しみにです



ちなみに二十四章から作者独自の解釈と設定が出てきますのでご注意を

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