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ねえねえこのこ  作者: らゐをふ


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たまたまにたま

とても元気な猫のお話です。

 わたしは猫である。名前はまだ無い。


 ウソつきました、実は有ります。ご主人には色が近いからと言う理由で「煮卵」と呼ばれていました。そんなに茶色かな、私の目には真っ黒な猫に見えるのだけれど。何より可愛くないので煮卵と呼ばれる度無視を繰り返してたら少し名前らしく「ニタマ」と呼んでくれました。タマって名前なら猫らしいし煮卵よりはマシなのでその名前を受け入れる事にしたのです。

 呼ばれる度、撫でられる度に「ねぇ」と鳴きます。ご主人と会話が出来ると良いんですけど悲しくも猫ゆえ、人の言葉を発音するのは難しいのです。なので精一杯、動きで表現します。撫でられれば笑顔で鳴いて、体をくねらせ喜んでるアピールです。ご主人は「なんだコイツ」って言います。ご主人の顔を爪で刺しました、精一杯の怒りの表現です。


 ご主人はとにかく不幸なので私に癒しを求めてきます。ご主人を癒すのは私の存在意義でもありますからね。お話に相槌を打ったり、膝下で寝てみたりと猫らしく癒すのです。それでも満足出来ないのであればどうすれば良いのでしょう。その答えを探しに、私は色んな各地の奥地へと向かいました。

 私は猫なので自由気ままに生きるか、飼い主が笑顔なら幸せです。しかし人という生き物は中々幸せになれないらしいのです。辺りを見渡せば泣いてる人、怒っている人、狂っている人だらけです。私って猫で良かったなとよく思います。そんな中でも偶に幸せオーラを醸し出す人も居ます。異性同士で仲良く喋り合う人達です。

 恋愛…というのでしょうか、私にはまだ理解が追いつかない感情ですね。ご主人もそういうのに憧れていたりするのでしょうか。私も一応ご主人に対しては異性ではありますし、猫に恋して貰えれば…いや私が嫌かな。そういう対象で見れないもんご主人。

 口に手を当て色々考えていると、後ろから急に抱きかかえられました。

「猫さん!ここに居たら踏まれちゃうよ?」

 幼い女の子でした。これがご主人のタイプだったら引いちゃうな。でもご主人の好みなんて分かんないし色んな人を連れて行ってみよう。思いついたきっかけはこの子だし一応会わせてみようかな、手を振り解き華麗に着地を決める私。着いて来いと背中で語ってご主人の元に帰ります。


 結果から言うと一回で済みました。その子と仲良く付き合う事になったみたいで、ご主人の趣味に少し引きながらも二人を見守ることにしました。

「その名前を嫌うなら 私は反対に『シロ』って名乗るから!」

 ご主人に対して何やら叫んでいます。会話は聞いていませんでしたが、あの子は「シロ」という名前らしいです。今の名前を捨ててまでご主人と仲良くなろうとは、私も負けてられません。私もこの名前を捨てて…ご主人から貰った名前でした。捨てたらご主人の為になりませんね。やきもちみたいな嫉妬みたいな感情が少しずつ出てきたみたいで、日々ご主人に何か出来ないか散歩しながら考えていました。

 私の幸せを共有しよう。自由な私が幸せをより感じる事といえば美味しいご飯!人だって美味しいご飯は嬉しいはずです。川から海までひたすら眺め、脂の乗った美味しそうな魚を見つけてそやつにダイブしました。暴れる魚、激闘を制し大人しくなったところで落とさないように慎重にご主人の元へ向かいました。

 ご主人はシロと同じ布団で寝ていました。短い間でそんなに仲良くなってしまうあの娘に嫉妬を超えて、もはや怖いとまで思いました。嫌がらせに二人の真ん中に新鮮な魚を放り投げます。生臭いのでしょう二人の顔が顰めっ面になりました。私はケタケタと笑いながら生臭い部屋をあとにしました。


 二人の邪魔にならない位に、偶にちょっかいをかけたりしながら過ごして数日が経ちました。ご主人にバレない、お気に入りの木から二人を眺めている時です。楽しそうに話している二人に近づく影、それはシロの母親でした。

 揉め出すのも無理は無いです。シロはまだ幼い子供で、母親からすれば大事な娘が変な男と遊んでいるのですから。二人は必死に反論していましたが、無理やり手を引っ張り行ってしまうシロと母親。ご主人泣いてたなぁ、そんな時は私の出番ですよね。華麗にご主人の足元に着地して撫でるが良いと顔を上げます。ご主人は戸惑ったもののやがて手を伸ばします。もうぐちゃぐちゃに撫でられました。泣きながら、謝りながら。私に謝っても意味は無いのですが、それで気が紛れるなら思う存分謝ってください。後で感謝もして下さいね。

 女の子なんで世の中にまだまだ沢山居ますし、私が良い子見つけてきますから。待ってて下さいね。


 ご主人の膝下ですやすや寝ていると突然足場から落とされました。急に立ち上がらないでよと不機嫌な気分でご主人を見るとそれどころでは無いという表情。シロの母親が訪ねてきたのです。人の顔とは思えない、怒りの形相でした。

 何かを叫びながらご主人に近づきます。怒鳴り過ぎていて言葉が聞き取れません。耳を塞ぎながら片目で一部始終を見ていました。怒りに任せてご主人を殴る蹴る。そんなに暴力的な人には見えませんでしたが、何があってご主人に暴力を振るっているのか分かりません。シロが何か吹き込んだのでしょうか。だとしたら引き合わせた私にも責任があります。どうか落ち着いて、このままじゃご主人が死んじゃう。でも私は猫でして、ねぇと叫んでも全く気づかれません。ご主人は首を絞められます。ひたすら謝っていたのですが次第に声量も減っていき、動かなくなってしまいました。

 そんな、嫌だなんで。目の前の悪夢に涙を浮かべます。ご主人に近づこうとしたら気付かなかったのか故意なのか、踏まれてしまいました。「キュゥ」と音が出て、悲しくて。そのまま目を閉じてしまいました。


 目が覚めた時、私は一人になっていました。

 あの母親も、喋らなくなったご主人も居ない。起きあがろうとすると体に激痛が走りました。踏まれた所為、夢じゃないという真実にまた目が潤んで来ました。


 それから、私は居なくなったご主人を探す旅に出ました。シロの住処に居るかもしれませんが場所も知らないですし母親が連れ帰ったとなれば嫌な想像しか出来ません。ポジティブに!何処かで違う女と仲良く喋っているのでしょう!

 私を忘れてキャッキャしてるのなら一度引っ掻かないと気が済みません。あんな悲しい事は夢とか幻覚です。背中の痛みを摩りながら、今日こそご主人を見つけ出します!

間違いではありません。「ねえこ」のお話の続きになります。

また色んな人物が出てきましたね。皆の活躍を考えなくてはとこちらも頭を抱えております。

自分のペースで書き上げてくつもりですのでどうか暖かく「ニタマ」の猫生を見守って下さい。

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