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プロローグ
なぜ、出会いに「絶望」が入っているんだと思うやつはいるだろうか。
一見、出会いというものは幸運の象徴のように思える。しかし、もしその出会いが、すべてを変えてしまったら?
もしその出会いが、後悔と一緒に彼女を引きずり込んだら?
自分にとっての出会いは、まさにそのようなものだった。
今から話すことは、ただの思い出の一片に過ぎないかもしれない。
けれど、あの時の、ある学校に転校してきたことで、運命の秒針が確実に動き出したのだ。
その学校、あの「三坂学」という場所で起こった出来事が、自分の人生を大きく変えることになった。
そして、それが霊と欲、そして―あらゆるものを飲み込む闇との戦いへとつながっていったのだ。
最初は何も分からなかった。
転校してききたばかりの自分は、ただの普通の高校生。
だが、すぐに気づいた。
この学校には、普通じゃない「何か」があることに。
そして、その何かを知る物は皆、二度と普通の日常を取り戻せなくなるのだ。