青い未来
赤ん坊には『先の光景』が既に見えていた。
星の海に浮かぶ、何万年も先の光景。
―アオイワクセイ―
夢の奥で更なる夢を見て、そして夢のまだ向こう側でも別の世界での夢を見る。
「キミ、ソレ……ナアニ?」
赤ん坊は少し成長して、地面に絵を描くのが日課となっていた。
その絵を見て、同じくらいの年に見える子が訪ねてくる。
「アオイワクセイ」
指で描かれた丸い形の『アオイワクセイ』という名の何かを見て、その子は云う。
「ヨクワカラナイケド、ナゼカ……トオイサキヲカンジル……」
二人はただ、地面に深く描かれている『アオイワクセイ』というモノを見詰めていた。
子供はよひ成長していき、彼をみんなは『アスミ』と呼ぶようになっていた。
先、つまりは明日を見るという意味を込めてそう呼び始めていた。
アスミはある夜夢を見る。
自身が描いた『アオイワクセイ』というモノが、そこに住む『ニンゲン』という
モノたちの手により滅びてしまう夢。
〈アスミさん……あなたにお願いがあります。
あなたが描いた『アオイワクセイ』は、滅びてしまいました。
ですから、次にあなたに『アオイワクセイ』の役目を担って頂きたいのです〉
〈ボクに出来るのでしょうか……。
役があまりにも、大きすぎます。
自身がありません〉
夢の中のアスミは、はっきりした言葉を口にしている。
〈考えるた末、答えを出して頂きましょう。タイムリミットは『アオイワクセイ』が消滅する一日前です。新しい惑星を生み出すのに一日の時間を費やします。一日前……今から何億年か先の未来ですが、必ずその日は来ます〉
声の主はいそいでいるようで、早口での説明を下していた。
アスミは事の重大さと、タイムリミットまでの感覚とを考える。
その後アスミは『ニンゲン』というモノのせいで滅び、魂のみがあの世に移行した。
滅びたアスミは『ニホンオオカミ』という種族だったという。
アスミは何度も生まれ変わりを繰り返し、名だけは『アスミ』と、代わらず続いていた。
遠い未来『アオイワクセイ』は温暖化、核、自然破壊により銀河の果てに塵と化してしまう。
(今のままだとその惑星は消えてしまう)
けれどアスミにはもう一つの未来も見えている。
『ニンゲン』の暴走を食い止めれば、『アオイワクセイ』は消えなくて済む。
「僕の使命は人間たちの目を覚まさせる事だ……!」
アスミは心に決めた。
『青い惑星』を永遠の存在にしてみせる事を。
消滅させてはいけない美しいその惑星の運命。
未来を左右させるのは、アスミの行動、そして『人間』(わたし)たちの心……。




