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time  作者: 猿場かぐな
序章
1/1

光とは

 度重なる核戦争による荒廃した世界。地殻変動に始まる天変地異により、地球は厚い雲に覆われた。闇によって人類史が架橋に向かい、文明そのものを飲み込みかけていたその時、光が現れた。

 かつての大都市、大規模戦闘により更地と成り果てたその地に、誰も気が付かない内に無骨な尖塔が建てられていた。天高く聳える尖塔の頂点、そこに光はあった。

 光源は不明。しかし、優しく、そして力強く瞬くそれは、周囲の人間達を虜にした。

 それだけではない。人間が光を浴びている間、その個体は忽ち活力を取り戻し、生命活動に直結するあらゆる問題を、その個体単体で解消することが出来た。

 放射能汚染、飢餓、酸素過小・・・、光は人類が直面していた問題を悉く解決した。

 そして、長い年月が経った。未だ世界は闇に包まれているが、光の下には、かつての人間の営みが戻りつつある。

 光を中心に円形に街が作られ、その中で人々は防護服も酸素ボンベも付けず、空腹に急かされる事も、他者との大きな衝突も無く、ともすれば人類が栄えていた時よりも遥かに穏やかな暮らしを手に入れている。

 光とは、まさしく人間の行く末を照らす、希望の灯火であった。

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