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不幸な青年は異世界に行くと幸せになれるのか  作者: りーとちぇ
人間は簡単に悪魔になれる
1/10

自己の存在と神との出会い

苦痛と快楽と異世界に


「不幸だ、不幸でしかない。生きるのは不幸なんだ。」


こう言うのは我が主人公、無木島鳥(むきしまとり)だった。時期は3/30日、冬が終わり春になろうとしてる時期だった。彼は高校2年生で今は学校の帰り道というわけだ。


「俺は今日もなにをしてるんだろうか。本来なら俺は向こうに見えるリア充みたいな生活を送ってるはずなのに....」


彼はどこかうつろな目で自分自身のことを考えていた。


今は学校の下校時間だ。とうぜん、リア充が多いのである。むしろ、彼みたいに一人で下校時間を帰ってる人間は少ないのである。


彼はリア充、いわゆるカップルに羨望の目を向けていた。


「はぁ....まぁいいさ。俺は元々病的な人間なんだ。俺は一人が好きだ。もう周りに注意を向けるのはよそう」


彼は自分自身に絶望していた。


だが、彼は周りを見てしまう。それがなんで、なのかわからない。


(俺は....)


(そうだ、いいことを思いついた。あいつらの邪魔をしてやろう。はは..こいつはいい。


俺は意地悪な人間でもあるんだ。


俺は時々、誰かに意地悪をしたくなる。自分の中から時折、そういう感情が沸き上がってくるんだ。


とりあえず、近くのリア充の前で大声を出してやる。


彼はカップルの目の前に出ていき、大声を出そうとした。)


彼は決心した。


「なんですか?」


カップルの女の子のほうが、無木島に気が付き反応した。


(声をかけられた。しかも女のほうに。俺は女と会話したことがないんだ....くそ、くそ。どうすれば...

頭で考えろ。とりあえず喋ればいいんだ。なにか、一言だけでもしゃべって大声をだせばいいんだ....俺は..俺は)


大声を出そうとしたが出せなかった。


タッタッタッ


女の子は逃げ出した。


(え?)


考えすぎていると、カップルがどこかに行ってしまった。


(なぜだ...俺はなにもできないんだ。はぁ、家に帰ろう。)


彼は自分がなにもできなかったことを後悔し、家に帰宅した。


「なんでだよ、なんで俺はなにもできないんだ。」


部屋に着いてベッドで横になるなり、彼はそんなことを言っていた。


「そもそも意識しすぎたからだめなんだろうか。意識しすぎるのは病気だ。」


彼は枕に顔を埋めて一人、そんなことを言っていた。


(俺は良いことをやろうとしたことはあったさ。でも、よいことをやろうとしても、なにもできなかったんだ。だから俺は陋劣なことをやるんだ。しかし、できたことなんてないさ。

でも、何度でもやってしまうんだ。心の中ではできなかった自分を苛み嫌ってるはずなのになぁ...

でも、だんだんこの意識の苦汁が自分の中で、快楽になっていったんだ。

だから俺はやめられない。やめない。

このような快楽は、自己の屈辱を意識するところから生じたんだ。

確かにできないことは恥ずかしいし、悔しい。

人前にでて、なにもできずに立っていたらおかしいかもしれない。

相手からなにを思われるのか。

でも、逆にそれは嬉しいんだ。

絶望の中にも、少しは快楽があるもんなんだ。)


彼は頭の中でそんなことを考えていた。


「ははっ。まぁいいさ。とりあえず、さっきの女で一発抜くか。」


(俺はいつも決まって女になにか、自分にとってマイナスの視線を向けられたら、帰ってその女を想って自慰行為をする。

別に俺がmだからとかじゃないぜ。

俺はそこに一種の快楽を向けてるんだ。)


彼は立ち上がり、ズボンを脱ぎ自慰行為をはじめた。


「はぁ...はぁ..」


彼は息があがっていた。


(俺はなぜこんなことをやってるんだろうな。


やめたいのにやめられない。


意識するというのは、やっぱり病気だ。


なぁ...神様が本当にいるんだとしたらさ。


今の俺とは真逆な生活を送らせてくれないか?

直情径行的人間になりたいんだ。女の子にモテたい。いっぱいえっちもしたい。

誰か、から必要とされたいんだ。

全く。

神様なんているわけもないのにな。)


また彼はひとり、そんなことを考えていた。


彼は自分の欲望には正直だった。


自分の欲望を叶えたいのに、この現実世界ではかなわない。


だから、彼は神様に願い事をしたのだ。


まぁ、願い事をした彼は神様なんて信じてないし、願いがかなわない不条理の世界で自分が生きていることをよく知っていた。


彼はリアリストでもあるから。


「その願い叶えてあげようか?」


突然、女の子の声が聞こえた。


あたりを見回しても、女の子はいなかった。


ただ、どこからか声が聞こえるのみだった。


「誰だよ、あんた。」


彼は幽霊でも見てる気持ちだった。


内心では人に話しかけられたことによる恐怖、姿が見えないからなにかされるのではないかという焦りで彼の心はいっぱいだった。


「私は神様。あなたがさっき私に対して言ってたの叶えてあげようか?」


声はそう言った。


「冗談か?なんにしても笑えねーなお前。第一お前の姿も見えないし、声だって。なんだ?正直言ってこんな声聞いたこともない。お前、全部が胡散臭いよ。」


彼は猜疑心でいっぱいだった。信用できないものに対する焦りが、彼の中で怒りに変わったいたのも事実である。


彼は怒り半ばに答えた。


「その胡散臭い私を信用してみない?」


声の主は笑っていた。


(ははっ。笑えるぜ。最高に笑えるぜ。俺は元々猜疑心の塊だが、今回は信じてもいいかもな。

いやいや、信じるというのは違う。どうでもいいんだよ。俺は結局、どんな状況下でも快楽は見いだせるということを知ってるんだ。これが偽でも真でも、どっちでもいいんだよ。)


彼はこういう状況にこそ、快楽を見いだせる人物だ。


だからこそ、彼は話に乗ることに決めたのだ。


たとえデマだったとしても、楽しければそれでいい。彼はそう決めた。


「わかったよ。お前の話に乗るよ。どうせ、俺には家族も友達も恋人もいない。どうなろうとどうでもいい。」


「いい回答だね。じゃ、目を瞑って?ふふっ、あなたを極上の天国に連れていってあげる。」


そして声は光になり、彼を飲み込んだ。



さぁ...彼は幸せになれるのだろうか。


幸福に生きよ!


これはある哲学者のセリフである。

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