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第4回配信 脱初期装備

 金が貯まった。アイツらとやった依頼だけでは足りなかったので1人でウサギ狩りをして金を貯めてきた。白桜は5000ソルぐらいで一式揃えられるって言ってたから貯めたけどさ。いざ買おうと思ったら大きな問題が起きたんだ。


 どこで買えば良いんだ?いや、武器屋とか防具屋とかってのは知ってるんだ。場所も分かる。じゃあ、問題ないと思うだろう。違うんだ。問題はそこじゃないんだ。店が凄い多いんだよ。うんスッゴイあるのよ。同じような物売ってるんだけど値段が全然違ったりしてチラッと見たけど何が何なのか全く分からなかった。

 白桜に聞こうかとも思ったがあいつインしてないんだよね。こういう時はどうするか。知ってる人に聞くしかない。冒険者ギルドへGO!


 冒険者ギルドにやってきたがやはり視線を感じるな。俺の魅力が無限大ということだな。噂の幼女とか聞こえたが噂ってなんだ?まぁ、いいや。それよりも姐御はいないかな。見渡すと姐御は受付にいた。書類を書いてるみたいだな。姐御の受付には誰もいないみたいだから丁度いいな。


「姐御〜」

 こういう時は元気よく行くに限る。やるなら幼女限定だぞ。おっさんがやったら普通に引かれるからな。そして汚物を見るような目で見られるから注意しような。


「アイツ、リオさんになんて事を」

「命が惜しくないのか」

「今忙しそうだから誰も邪魔しないようにしてたのに」

 外野が何か言ってるが気にしない。それよりも俺は姐御に聞きたいことがあるんだ。


「あっ?って澪じゃないか。どうしたんだい。なんかあるならこっちに来なよ」

 書類から目を離してこっちを見た瞬間凄い形相だったような気がしたんだが気のせいだよな。今笑顔だし。

「リオさんが笑っている?」

「馬鹿な。今日はもう一日中不機嫌なはずでは」

「これが幼女の力なのか」


 姐御が手招きしているので遠慮なく近づく。

「依頼の報告かい?」

「いや、今日はそうじゃなくて聞きたいことがあってね」

「そうかい。まぁ、私に答えられるものなら教えてやるよ」

 さすが姐御頼りになるぜ。


「装備を買いたいんだけどどっか良いとこある?色々店があって分からないんだよね」

「あぁ、ここら辺も店が増えたからねぇ。いいよ。オススメを教えてやるけど、その前にアンタのレベルと何を装備しているのか教えておくれ。そうでないとどこを紹介すればいいか分からないからね」

 なるほど。それは確かにそうだ。魔法使いの専門店とか紹介されても困るだけだしな。姐御にギルドカードを渡す。


「戦士でこのレベルね。武器は何使ってるんだい」

「両手斧」

「体に似合わずピーキーなのを使うね。だとするとロジャーの店が良いだろうね。今地図を書いてやるからちょっとお待ちよ」

 姐御が店の地図をメモに書いて渡してくれる。


「店に行ったら私の紹介だって言いな。そしたら少しまけてくれるだろうよ」

「ありがとう、姐御」

「ところで澪よ。その姐御ってなんだい?」

 ん?なんだと言われてもな。感覚で呼んでたからな。

「姐御は姐御って感じだから。こう、カッコイイ女的な感じ?」

「それならまぁ、いいか」

 なんか分からないが許された。


「澪、あんた両手斧使ってるなら一つアーツを教えてやろうか」

「えっ?マジ?いいの。是非是非」

 なんという提案。そんな事可能なのか。是非に教えていただきたい。

「ハチェットってアーツなんだけどね。斧を相手に投げつける技さ」

 ハチェット。手斧って意味だよな。確かにあれは投げやすいよな。きっと。


⦅EXアーツ:ハチェットを習得しました⦆


 おっ、なんかアナウンスが入った。スキルレベル上げる以外にもアーツ覚える方法あるんだな。

「アンタはなんとなくほっとけない感じがするからね。このアーツを使って精進しな。一応注意として言っとくけど、当たり前だけどこのアーツは斧を投げてから相手に当たるまで武器を持っていない状況になるからね。そこんとこ考えて使いな」

 確かに。武器投げてるのにそれを持ってたらバグだよな。

「ありがとう姐御。早速試してくるよ」

 まさか遠距離攻撃を手に入れるとはな。早速東の草原で試してみねば。


「試すのは良いけど、アンタ装備を買うんだろ。まずはロジャーの店に行ってきな」

 そうだった。新しいアーツに興奮してここに来た目的を忘れるところだった。

「装備買ってから行ってくるよ」

「そうしな。次は依頼の報告にでも来なよ」



 姐御と別れて教えてくれたロジャーの店に向かう。地図凄い見易いな。マップと全く同じに書かれてる。言われた店は広場から出てる大通りを南に向かった所にあった。結構デカい店だ。奥に鍛冶場もあるみたいだ。直営店的な感じだな。これは期待できるな。


「見ない顔だな。ここはガキの遊び場じゃないぞ」

 わぉ、ドワーフだ。ドワーフがいるぞ。エルフがいるんだからドワーフもいるわな。しかしちっさいな。俺よりはデカいけど。

「おい、小娘。俺の話を聞いてるのか?」

 はっ、初ドワーフでテンションが上がってしまっていた。

「装備を買いに来たんだけど」

 遊びじゃなくてちゃんと用事はあるぞ。


「ここはお前みたいなのに売る物はないぞ」

 売る物がないってどういう事だ?一見さんお断り的なやつか。

「姐御にここを紹介されたんだけど」

「姐御?」

 そうか、姐御って言っても通じないか。

「冒険者ギルドのリオさん」

「あぁ?アイツか。クッ、ハッハッハッハ!」

 突然笑い始めたけどどうした?発作か?

「なるほど、アイツなら問題はねぇな。しかし姐御か。そうだな。確かにアイツは姐御だ。ハッハッハッ!」


 よく分からんが売ってくれるって事で良いんだよな。

「あ〜、すまんな。俺はロジャーだ。奥で装備を作ってここで売ってる」

「澪だ。冒険者をやってる」

「その形で冒険者ってことは小娘はぷれいやーか。アイツがぷれいやーを紹介するとは珍しい」

 俺は小娘呼ばわりか。確かに見た目は小娘って言われても仕方がないけどなんかモヤモヤするな。

「親方は姐御と知り合いなのか?」

「あっ?親方?まぁ、間違いではないか。アイツとはアイツが冒険者だった頃からの付き合いだな」

 姐御冒険者だったんだ。あれで普通の受付嬢ですはないわな。


「で、何を売って欲しいんだ。アイツの紹介ならある程度融通は利かせてやるよ」

 それは有り難い。紹介してくれてありがとう姐御。

「装備一式欲しいんだけど」

「その格好ならそうだろうな。予算は」

「6000ソル」

「それで一式ってなると2級品になるな。武器は何使ってるんだ?」

「両手斧」

「随分格好に合わないもの使ってるな。両手斧ってなるってぇと……」

 親方が奥に引っ込む。

「そんな格好だ。レベルは高くないんだろ。そうなるとこれとだな」

親方から両手斧を渡される。円形の両刃が付いている。装飾はなく無骨な感じだ。厨ニ的で大変よろしい。


「バトルアックスだな。これなら問題ないだろう」

 親方の言葉に無言で頷く。

「次は防具だな。両手斧ってなると普通はプレートメイルとかの重装備でいくんだが…」

 プレートメイルを装備した自分を想像してみる。うん。似合わない。それに重装備は趣味じゃないんだよな。

「軽装はないか?」

「軽装か?あるにはあるが両手斧は小回りが効かないから軽装だと保たないんじゃないのか?」

「そこはスキルでなんとか」

 親方はため息をつく。

「そういうのはベテランが言う言葉なんだがな。小娘はぷれいやーだったな。なら死なないから最悪の事態にはならんか」

 死なないって。復活はするけどさ。


「親方は死ぬのか?」

「何当たり前のこと言ってやがる。お前らぷれいやーは神の加護があるから別だけどな、俺らは普通に死ぬ。死んだらそこで終わりだ」

 なるほどNPCは死ぬのか。これは注意しなきゃいけないことだな。


「軽装っていうと軽鎧系かローブ系か。どっちがいい?」

 軽鎧かローブか。ローブ系の方が面白いか。

「ローブで」

「はっ、セオリーの正反対だな。まぁ、それはそれで面白いか。だったら……これだな」

 親方が持ち出したのは赤いローブだ。いいね。


「気に入ったようだな。後はインナーだがこれは戦士の服の上下だな。そうじゃないと脆くて話にならんだろう」

 親方から紺色のシャツとズボンをもらった。

「予算は6000だったな。だったら腕輪の1個ぐらいはいけるな。これも持ってろ」

 赤い宝石の嵌った銀の腕輪だ。

「攻撃の腕輪だな。安物の魔石だから効果は低いがSTRが上がるからそれも着けとけ」

 おぉ、アクセサリーもあるのか。


「装備していいか?」

「おう、装備しろ」

 早速装備する。ボタン一つだから楽だよな。装備すると体が光に包まれる。光が消えると親方に貰った装備になる。

 良いんじゃないか。良いんじゃないか。装備が変わるとテンション上がるよな。



武器 

   バトルアックス 耐久値100%

   物理攻撃力 52

   STR+10



防具 

   真紅のローブ 耐久値100%

   物理防御力 20

   魔法防御力 15

   VIT +2

   DEX +3

   INT +8

   MIN +6



   戦士のシャツ 耐久値100%

   物理防御力 5


   

   戦士のズボン 耐久値100%

   物理防御力 5



アクセサリー

   力の腕輪 耐久値100%

   STR +4



「似合うじゃないか。これで良いだろう」

 親方からも高評価。勿論俺は大満足だ。

「親方6000ソルでいいか」 

 予算は6000ソルだったからな。

「そうだな…。リオの紹介だしなぁ。5000ソルにしといてやる」

 親方漢だね。本当にありがとう。親方に5000ソルを渡す。

「おう、丁度だな」

 これはすぐに東の草原に行って試し斬りせねば。


「俺の装備で興奮するのは嬉しいがな。ぷれいやーは死なないからって無茶はするなよ」

「おう、任せとけ」

 心配してくれるとは良い親方じゃないか。

「装備でなんかあったら持って来い。修理なら格安でやってやる」

「修理が必要なのか?」

 ここで新情報追加か?


「当たり前だろ。耐久値があるだろそれが0%になるとその装備は効果が全て0になるからな。そうなる前に早めに持って来い。勿論耐久値が低い方が修理代は高くなるからな」

 ご丁寧にどうもありがとうございます。しかしどれくらい保つかはやってみないと分からんな。定期的に耐久値は確認しないとダメだな。


「親方。他のやつにここを紹介していいか?」

 良い店だからな。あの3人にも紹介したいんだが。

「あぁ、悪いんだがそりゃダメだな。俺はここの住人からの紹介じゃないと仕事はしないって決めてんだ」

 なんと、それは残念だ。


「街の店で買ったって言うのは?」

「それぐらいなら良いだろう。ここを知ってもお前の紹介では仕事はしないからな」

 よし。こういう店が何処かにあるって情報だけでも大事だからな。どうやって紹介されるかは知らんがな。そこら辺は自力で頑張れ。教えるのはアイツらだけだな。というか他に言うやつがいないんだけどな。

「よし、世話になったな親方。良い買い物が出来たよ」

「おう、また来いよ」

 親方の店を出る。よし早速東の草原でウサギ狩りじゃあ!

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