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第0回配信 おっさんゲームを始める

 「仮想世界で昔みたいに馬鹿騒ぎしてみないか」

 友人たちとの飲み会の場で言ってみた。

 今の生活に大きな不満はないが何か物足りない。おっさんになって生活は安定した。だけど安定した事で日々の刺激的な経験は少なくなった。そうなると何か刺激が欲しくなる。人間とは今ないものを求める性質があるのがよくわかる。


 そして何かに対して馬鹿のように騒いでいた昔が懐かしく感じる。もう一度あの感覚を経験したいと思った。完全におっさんの懐古厨だ。しかし俺はおっさんだから仕方ない。そこで色々調べていたらあるVRゲームを見つけた。そこで俺は思ったのだ。現実世界では難しいがVRゲームの世界なら出来そうだ。だけどどうせなら1人でやるのではなくて、当時一緒に馬鹿騒ぎをしていたコイツらと一緒に騒ぎたいと。


 そう思ってこの飲み会の場で昔からの付き合いのある友人であるコイツらを誘おうと思っていたのだ。で、誘い文句が最初の言葉になる訳だ。

「馬鹿騒ぎってやろうと思っても実際できるわけでもないべ」

 ごもっともな意見だ。しかし俺には案がある。

「流行りのVRゲームをやってみないか?」

「別にやる分には問題ないが何かあるのか?」

「VRっつても色々あるだろ」

「やってもいいけどジャンルによるな」


 やはり乗ってきたな。付き合いが長いからお前らの考えていることは大体わかる。そして俺の出す案を断らないこともな。

「リバース・ワールドっていうVRMMOなんだけど」

「あぁ、あれな。人気あるよな」

「あれなら、やってもいいかな」

「本体は全員持ってるよな。じゃあ、帰ったらソフトをダウンロードして…。3日後ぐらいにゲームで集合って感じか?」

「帰りに電子マネー買ってかないと」

「クレジットで良くね?」

「怖いからクレジットは持たない主義なんだ」

「まぁ、取りあえず。3日後に集合ということで」

 よし。これでまた馬鹿騒ぎができるな。




『リバース・ワールド』

 最新作のVRMMOで今1番人気のあるゲームだ。

 世界観は人類は栄華を極めたのだがその傲慢さによって戦争やら災害やら神々の怒りによってあっという間に世界が崩壊。その崩壊した後の世界でお前ら好きに生きろという感じだ。


 レベル制でプレイヤーレベルMAX50、メイン職業レベルMAX30、サブ職業レベルMAX20の合計100レベルで育成する事になる。

 職業の組み合わせは好きな時に自由に行える。また特定の組み合わせにする事によって特殊な職業が出現する事もある。効率優先で所謂最強職業にも出来るし、趣味に走ったオンリーワンな職業にも出来る。この選択肢は正に無限に広がっている。そのため攻略するためにガチガチに固めなければオンリーワンなキャラクターを作る事が出来る。これがこのゲームの人気の理由の一つになるだろう。



 飲み会の翌日ゲームを購入しプレイする。最初に色々やっとかないと当日集まれないとかになると困るからな。若干一名困る事になりそうな奴がいるが…。心配だから後で連絡入れておこう。

 

 専用のヘッドギアを付けてゲームを開始する。

 まずはキャラクタークリエイトから始まる。

 種族から始まり、性別、身長、体重、髪型、色、顔のパーツ、声、服装、アクセサリーと決定していく。

 こういうのは直感で決めるタイプなので時間は然程かからない。以前別ゲーで悩んで悩み抜いて作ったキャラクターが散々だった事からこういうのは直感が大事だという事がわかった。


 目の前の完成したアバターを確認する。うん。見事な幼女が完成した。

 昔は自分の性別、体型から大きな変化は出来なかったが今は自由自在だ。技術進化凄いな。

 ショートの銀髪。顔は垂れ目の蒼眼にした。身長は下限ギリギリ設定する。体型は幼女なので平坦だ。たまに幼女で凄い体型な人があるがあれ何か怖いんだよね。だから俺は平坦にしている。

 ちなみになんで幼女にしたかは理由は簡単だ。俺の趣味だ!あと雄だと物欲センサーで欲しいものが出ないというジンクスがあるためだ。


 キャラクターを作成したら次は名前の決定だ。

 俺はゲームの名前を統一しているのですぐに入れる。同じ名前は入力出来ないゲームもあったりするがこのゲームはそうでないので助かる。名前は澪だ。響きと字面が好きなのでこれにしている。


 名前を決めると視界が変わった。作成したキャラクターに切り替わったようだ。すぐに周囲の景色も切り替わる。

 闘技場のようだ。勿論観客などいない。周囲を見渡してみる。

 細かい所まで作り込まれていて凄いな。

〈リバース・ワールドへようこそ。これよりチュートリアルを開始します〉

 感情のない平坦な声が響いてくる。そして目の前に大きく20と書かれた数字が出てくる。そしてカウントが始まる。


 チュートリアルは基本通りの身体の動かし方、職業によるスキルや魔法の使い方の説明と練習だった。

 うん、特に問題なし。

 チュートリアルの後に職業の設定が出来るようになった。チュートリアルで全て一度経験してもらってからの職業設定。親切設計で助かる。

 サブ職業の設定は出来ないと。説明書きにプレイヤーレベルとメインの職業レベルがある程度上がらないと設定出来ないと書いてるな。それなら仕方がない。


 事前にメインの職業は決めていたのだ。チュートリアルで色々試しはしたが俺の決意は揺らがないぜ。

 職業は戦士。使用武器は両手斧だ!小さい体で大きな武器をブンブン振り回すのが好きなんだ。

 キャラクターはこうなった。


 

 名前 (みお)

 種族 人間 女性

 職業 戦士

 メイン武器 両手斧

 ステータス

 HP 50

 MP 6

 STR 14

 VIT 14

 DEX 12

 INT 7

 MIN 8

 AGI 10

 LUC 11

 スキル

 なし


 

 うん。脳筋仕様だな。だが満足な出来だ。

〈それではリバース・ワールドの世界をお楽しみください〉

 職業を決定したらまたアナウンスが聞こえてきた。

 周囲が白い光に包まれる。

 さて、これからゲームの始まりだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 色んな読み方できる名前はふりがな振るべきだろ 一生懸命考えたんだろうけど何で読みの音が一緒の名前付けるかなぁ
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