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アウスト•ヴォーグ  作者: ムツガネムシ
第一章 始まり
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第2話 未知の島の探検

エルは未知の島に漂着し、まず周囲を探索することを決意した。目覚めた時の空腹感を感じながら、エルはまず食べ物と水を探す必要があると考えた。彼は浜辺を歩き始め、その足元には見慣れない形をした貝殻や石が散らばっていた。それらはエルの故郷の村では見たことのないもので、彼は興味深くそれらを拾い上げ、観察した。


「この島にはまだまだたくさんの秘密が隠されているに違いない」とエルは思った。彼は貝殻を一つポケットに入れ、先へ進んだ。彼の目は常に新しい発見を求めて輝いていた。


浜辺を歩き続けると、エルはやがて砂浜から森へと入っていった。森は緑豊かで、生い茂る木々と鮮やかな花々が目を楽しませてくれた。エルは見たことのない植物や花に驚き、その美しさに目を見張った。特に彼の目を引いたのは、光を放つように見える青い花だった。その花はまるで小さな星のように輝いていた。


「こんな植物、村では見たことがないな」とエルは呟いた。彼は花をそっと摘み、匂いを嗅いでみた。その香りは甘く、エルの心を和ませた。花を摘んだエルは、それを大事にポケットにしまい、さらに探検を続けた。


森の奥へ進むと、エルは不思議な鳥のさえずりを耳にした。彼はその音に導かれるように歩き続け、ついにその鳥を見つけた。その鳥はエルが今まで見たことのないような色鮮やかな羽を持っていた。エルはその鳥をじっと観察し、彼が知っているどの鳥とも違うことを確認した。


「この島にはまだまだ多くの未知の生物がいるに違いない」とエルは考えた。彼はその鳥を追いかけるようにして森を進み、やがて小さな泉を見つけた。泉の水は澄んでおり、エルはその水を飲んでみた。水は冷たく、彼の喉を潤した。


エルは泉の近くでしばらく休息を取り、次に何をすべきかを考えた。彼は食べ物を探すことを優先するべきだと考え、周囲を見渡した。すると、泉の近くにある木に果物が実っているのを見つけた。その果物はエルが知っているものとは違い、鮮やかな赤色をしていた。


「この果物は食べられるのだろうか?」エルは少し躊躇したが、空腹には勝てなかった。彼はその果物を慎重に手に取り、一口かじってみた。果物の中身は甘く、エルはその美味しさに驚いた。「この果物は食べても大丈夫そうだ」と彼は思い、いくつかの果物を集めて食べた。


その後、エルはさらに島を探索し続けた。彼は新たな発見に心を躍らせ、次第にこの島での生活に少しずつ慣れていった。彼は食べ物や水の確保の方法を学び、自然の中での生活に適応していった。しかし、彼の心には常に一つの疑問があった。それは、この島がシェインじいさんの話していた宝島なのかどうかということだった。


エルが探索を続ける中、彼は再び泉に戻ってきた。その時、彼は小さな光が泉の上で踊っているのを見つけた。エルは驚きながらも、その光に近づいてみた。すると、光の中から小さな姿が現れた。それは小さな妖精だった。妖精はエルに向かって微笑み、優しい声で話しかけてきた。


「こんにちは、エル。私の名前はルミナ。あなたがこの島に来るのを待っていたわ。」


エルは驚いて立ち尽くした。「どうして僕の名前を知っているんだ?」彼は尋ねた。


ルミナは笑って答えた。「私たち妖精は、この島のすべてを知っているの。あなたがこの島にたどり着くことも分かっていたのよ。」


エルはますます驚き、ルミナに尋ねた。「この島には何があるの?僕はこの島が宝島かどうかを知りたいんだ。」


ルミナは少し考え込み、「その答えはあなた自身が見つけるべきよ」と言った。「でも、あなたがこの島で困らないように、少しだけ力を貸してあげるわ。」


そう言うと、ルミナはエルの手を取り、彼の手のひらに小さな光を注ぎ込んだ。エルはその光が自分の体を通っていくのを感じた。それは暖かく、心地よい感覚だった。


「これで、あなたは少しだけこの島の自然の力を使えるようになったわ。植物を育てたり、森の声を聞いたりすることができるの。」ルミナは微笑みながら説明した。


エルはその言葉に驚きと喜びを感じた。「本当に?僕がそんなことをできるのか?」彼は信じられないというようにルミナを見つめた。


ルミナは頷いた。「試してみて。泉の周りに咲いている花をもっと大きくしてみて。」


エルは言われた通りに、泉の周りに咲いている花を見つめ、心の中で「もっと大きくなって」と願った。すると、花は徐々にその大きさを増し、鮮やかな色彩を放った。エルはその光景に目を見張った。


「すごい、本当にできた!」エルは喜びの声を上げた。


ルミナは微笑みながら「これからは、この島の自然と共に生きていくのよ。そして、この島の秘密を解き明かしていってね。」と言った。


エルは感謝の気持ちを込めてルミナにお辞儀をした。「ありがとう、ルミナ。僕はこの島での生活を頑張るよ。」


ルミナは「いつでも助けが必要なら、私たち妖精に声をかけてね」と言い残し、光の中に消えていった。エルはその光が消えるのを見送りながら、新たな力と共にこの島での冒険を続ける決意を固めた。


彼は泉の周りに咲いた大きな花々を見ながら、自分がこの島でどのように成長していくのかを考えた。エルの心には新たな希望が芽生えていた。彼はこの島の秘密を解き明かすために、さらに奥深くへと進むことを決意した。

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