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第48話 魔導戦鎚

 

 ◇◇◇


「見えた! あんたたちはあのデカいスライム達を仕留めな! 怪我人を一人でも多く助けるんだよ! アイツは私が相手する!」


 第3大隊は壁下に到着し、ミルダは部下に指示を飛ばした。巨大なスライムは方々で第2大隊の面々を取り込んでは一番大きな個体に向かって集まりつつある。怪我人を探す手間が省かれたが、スライムを倒さないことには彼等を回復させることは難しい。第3大隊の団員達は各班に分かれて散っていく。


「ッ畜生、よくもやりやがったな。これ以上仲間は()らせないよ!」


 そして本人はベルゼビュートに向かって走り出し、得物を構えた。

 ミルダの武器は魔導戦鎚である。魔導鎧と同様の技術が使用されており、使用者の魔力を流せば振り抜きの加減速が可能な逸品である。


「あらあら、今度は貴女がお相手してくれるの? 意気の良いお嬢さん。面白そうな武器ね? 私の大鎌とどっちが強いかしら?」


 ベルゼビュートは新しい獲物を見つけ、嬉々として舌なめずりしている。


「はんッ、力比べなら望むところだよ! これでもくらいな!」


 ミルダはその挑発に応じると、駆け寄る勢いに任せて獲物を振り抜いた。


「馬鹿ね。そんな大振り、当たらないわ。」


 ベルゼビュートが後ろに飛び上がったその時──。


「かかったね!」


 ミルダが戦鎚に魔力を流すと、その両端から紫炎が吹き出す。彼女が回転しつつ勢いのままに戦鎚を手放すと、それは高速回転しながら飛んでいき、ベルゼビュートの胸元に直撃した。


「ぐっ!」


 ベルゼビュートは咄嗟に大鎌で防ぐが、戦鎚を弾き返す程の力はなかった。大鎌を支える腕から骨の砕ける音がし、彼女はくぐもった声を上げる。


 ミルダの魔道戦鎚は弧を描いて飛翔し、再び彼女の手の中に収まった。


「驚いたかい? “魔導戦鎚ミョルニル” ──これがアタシの戦い方さ。」


 ◇◇◇


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