出会い
「あれ、ここら辺は人払いの結界貼ってるはずなんだけどオッサンなにものー」
急に後ろから話かけられた。人がいたことに安堵したが何を言っているのかよく分からなかった結界?
厨二病の子供にでも話しかけられたのだろうか?
そう思い振り向きながら返事をした。
「な、なんて?」
気の抜けたような声で返事をしたが姿を見て固唾を飲み込んだ黒いフードのついたパーカーを着ている体が真っ白な少年?中性的な見た目の子供だった。だがそれ以上に人間とは思えない角が頭に生えていた。
「あ、オッサン聞こえなかった?」
「もっかい聞くよ?オッサンな・に・も・の?」
声音に少し力がこもったその時その少年の周囲の雨粒が停止した。何が起こっているのかわからなかった、言葉に詰まり口をパクパクさせていると
「オッサン聞こえなかったはもうなしだぜ」
「5・4・3」
カウントダウンとともに、周囲の水滴が震えていくなんとか声を絞り出し
「た、たたたたただのサラリーマンだよ」
我ながら本当に怪しいと思う。だが、本当なのだから仕方ない。体全体が危険信号を出しているが足がすくんで動かない。
「ふーん。あっそ」
そう言い放った直後周囲の水滴の一つが腹部を貫いた
「は?」
あどけない声が出る。痛みが思考を支配する。何が起こったのか。何をされたのか。そんな事は分からないだが、この青年が何かをしたのは、明白だ動かないと思っていた足は気がついたら走り始めていた。体にはいつ受けたのかわからない傷跡が大量に存在していたなんとかマンションにたどり着いた俺は安堵しマンションの前で動けなくなった
「誰だか知らないけど目の前で死なないでくれよ。恩を売ってやるから下がってな」
眼鏡を掛けた長髪の女性が急に現れ、安心感に包まれそのまま俺は気絶した。