第10話 一日目
彼らはホテルに入ると早速グループ分けされた。すると見慣れた顔が目に入った。
「カノン!」
「あっセイリュウさん。久しぶりです!」
イシノマキに来るときであった少女、カノンだ。年齢差がひどいのでセイリュウは知っている人がいるだけでこの合宿が少しは楽になるだろうと思った。
「まさかセイリュウさんと一緒にやるとは思ってなかったです」
「俺もカノンと一緒になるとは思ってなかったよ。これから頑張ろう」
セイリュウは自分ができる最大限の接し方をしていく。
「そういえばセイリュウさんは今更なんで試験受けるのですか?もう取ってそうな気がしてたんですが…」
「まだ取ってなかったんだけどロイさんっていう人にとっておいたほうがいいって言われて」
カノンの言葉にかなり心が抉られ、年は取るもんじゃないなと思ったがしっかり対応する。しかしその言葉の本当の意味をセイリュウは知らなかった。
「えっロイさんってギルド〈インファクトリー〉のギルマス、またの名を〈氷結の槍〉のロイさんですか?」
セイリュウが思考を巡らせる。ギルマスなのは知らなかったが、ロイの戦闘は氷結の槍という肩書にふさわしいような戦闘をしていたので多分合ってるのだと思った。そのことを伝えるとカノンの表情が明らかに変わる。
「えっ、どういう経緯であったんですか?どうして誘われたんですか?ていうか今どこにいるんですか?」
怒涛の質問攻め。もはやセイリュウが置いてけぼりになりそうであった。グループ分けのあとホテルから出された食事を運びながら、質問に対し出合いから先程起こったことまでを話していく。
「セイリュウさんってあのロイさんと対等に渡り合える力があったんですね…っていうか魔族になったゴブリン王をロイさん無しで三人がかりで倒せるっておかしいですよ?セイリュウさんって何者なんですか?」
カノンに話しのペースを握られているがなんとか返していく。話をまとめるとロイはこの国のトップ7人の一人で市民からの人気がかなりあるらしい。また、最近の魔族は実は前の3倍くらい強くなっているらしく、3人で魔族と対抗できるなんて何者なんですかと、正体がバレそうになったが話をそらしてなんとかした。
「それにしても魔族が強くなってるなんて知らなかったよ。貴重な情報ありがとう、カノン」
カノンはそんなことよりもセイリュウがどんだけ強いのか気になっていたらしいが、とりあえずセイリュウと話を合わせていった。
そんな感じで話していたがそろそろ二人で話せる時間も終わりだった。グループの残り4人がご飯を食べ終わって集まっていたのでセイリュウとカノンも入っていった。
「よし、これでこのグループ全員揃ったかな。先ずは自己紹介から。僕はイオ、これでも近接だ。そして隣りにいる二人がゴルドとグリスだ。」
「ゴルドだ。見ての通り近接だ。よろしく」
「グリスでし。これからよろしくでし」
イオの第一印象はまさしく秀才だった。黒髪にメガネをつけた姿はクールであった。もっとも、彼の隣においてある武器は〈漆黒皇帝斧〉といい、いかにも物騒で有名なものなのだが。
ゴルドは金髪の筋肉大量発生している人だ。武器無しで戦ったら勝てる気がしない。ボディーガードにはかなり向いているっぽく、常にイオの右後ろに立っている。
一方グリスは黒髪に出っ歯が目立っており、いかにもこび売っている者だ。イオは気づいていないのだが。
「そっちの三人も自己紹介よろしく」
「クロトです。遠距離サポートが得意です。よろしくおねがいします」
「カノンです。回復です。よろしくおねがいします」
「セイリュウです。一応頑張れば遠近両方いけます。よろしく」
クロトはイオたちとは違うグループらしい。ただ女性なのでカノンとは仲良くなれるだろう。
「じゃあ自己紹介も終わったしこれからのことを部屋で相談しよう」
みんなが一致し、彼らは部屋に潜っていった。セイリュウが思っていたより、この合宿のスタートはいいものになった。
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