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♪♪♪♪ ハッタツショウ害シャノ唄 ♪♪♪♪   作者: 動物の世界で人間らしく
第二章 人に値札でも付いているのか?
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ちょっと早めのEpilogue3 呪いのようなもの


 ところで、極めてどうでもいい話なのだが、世の発達障害者は大雑把に二種類に分けられる。


 発達障『害』という言葉を忌み嫌い、発達障『がい』あるいは発達障『碍』という言葉を使う者。

 特に頓着なく発達障『害』者と名乗るもの。


 呉葉は後者だった。


 

 

 『害』を『がい』にしたり『碍』にしたところで、本質は何も変わらない。ただの言葉遊びだ。


 

 呉葉は他人から蔑まれる度、あるいは過剰な気遣いを受ける都度、いつも自分にこう言い聞かせてきた。



“──わたしは発達障『害』者だ。それを恥とするものか”──と。



 この障害は他者を『害』し、自らをも『害』する──呪いのようなものだ。

 



「というか、そもそもアタシたちの関係って何なんでしょうね?」

 文月さんが素麺を啜りながら聞いてくる。


「……うっ。うーん。運命共同体? みたいな?」



「うーん。なるほどぉ。親友のようでもあり、姉妹のようでもあり、恋人のようでも……」




 マイナスからゼロを目指して、歩いてる。二人で。

 “共闘している”と言い換えることも出来そうだ。


 何と? と聞かれれば──“世の中”と。と答える。キッパリと。




「「うーん」」




 二人して顔を見合わせる。


 呉葉は手を伸ばして、文月さんの鳶色の髪をそっといた。


「へへ」

 彼女の目がキュッとつむられ、睫毛が微細に震える。



 

 兎に角、必死で生きている。二人で。




 それは深く暗い穴から外へ出ようと、崖をよじ登っていくような──そんな行為ともどこか似ていた。

 登れば登った分だけ、地上が高くなるような──そんな崖を。




 もう片方の手で文月さんの頬に手を伸ばす。




 呉葉は初めて就職した会社にいた──痩身のとある男性社員のことを不図思い出した。


 石を投げられるようにして、会社を放逐された発達障害者の職員だ。



 文月さんが目を開けて、呉葉のひとみをまっすぐに見詰める。


 相変わらず綺麗な目だ。羨ましいな、と。さらりと思考が垂直に落ちて来た。




 文月さんが箸を置き、頬に寄せられた呉葉の手に、自身の手を重ねる。

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