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タピオカミルクティーを飲んでいるとタピオカミルクティーのタピオカがすごい勢いで吸い込まれタピオカがのどに詰まり死んでしまったが、タピオカミルクティーの女神様に出会い、使徒として異世界に転移する話

作者: 羽狛弓弦

注意:作者はタピオカミルクティーを飲んだことありません。面白おかしく書いただけです。

「ごっ、がっ!?」


 なんだこれは、息が出来ない。

 苦しい、死ぬ。

 誰か助けて。

 こんなところで死ぬなんて嫌だ。

 タピオカをのどに詰まらせて死ぬなんて。

 い、や、だ。


 そして目の前が真っ暗になった。


 ー▽ー


「うっ、ここは」

「おめでとうございます!! あなたは栄えある私の使徒に選ばれましたー!!」


 声に導かれて視線を上げると、そこには美しい女の人がスポットライトに照らされてこちらを覗いていた。

 え、何、何が起こっているんだ?

 夢か? 夢なのか?


「混乱しているようなので私が説明しましょう。あなたは死にました!!」

「は?」

「身に覚えがありませんか? ちゃんとそこらの記憶も保持しているはずなんですけど」


 言われて思い出す。

 確か、タピオカミルクティーを飲んでて、タピオカがのどに詰まって、それで。


「思い出したようですね。そうです。あなたはタピオカをのどに詰まれせて死んでしまいました」

「い、いやいやいや、そんなギャグみたいな死に方するわけないじゃないですか。そんな、そんな」

「でもちゃんと心当たりはあるでしょう?」


 そんな訳ないと否定したいが、しっかりと身に覚えがるので否定できない。

 俺自身が否定できない。

 死んだことを俺自身が認めてしまっている。


 そのことを今でも鮮明に覚えている。

 友達と大学からの帰り道、タピオカミルクティーの話になって、あそこまで世間で話題になっているタピオカミルクティーは実際に美味しいのかとなり、長い列に並んで初めてタピオカミルクティーを買ったのだ。

 それで思ったよりもおいしかったので勢いよく吸い込んだ瞬間、思った以上にタピオカが口の中に流れ込んできて、吐き出しそうになったけど、公衆の面前だったからそのまま飲み込もうとしたら、タピオカがのどに詰まってしまったのだ。


「...マジですか?」

「マジです。女神様もびっくりです。まさか、タピオカがのどに詰まらせて死ぬ人がいるだなんて。大粒とはいえ、赤ん坊でもない限りのどに詰まらせるだなんてないはずなんですが、あなたの場合、一気に飲み込んだせいか、幾重にも重なったタピオカがうまい事のどに詰まってしまったようですね」


 んなバカな。

 そんなことある?


「ちなみに、あなたの死亡はニュースで大々的に扱われていますよ。20代男性がタピオカをのどに詰まらせて死亡と。ネタみたいな事件ですが、それ故に世間に大反響を及ぼしています。5chなんかはなかなかに盛り上がっていますよ。見ますか?」

「見ませんよ!! 何ですかその羞恥プレイは!? 死んでんのになんで俺はそんな世間に恥をされしているんですか!?」

「あと、ご両親はあなたの死亡を聞いて大いに悲しんでいましたが、死亡原因を聞いてちょっと笑ってしまっていたみたいです」

「ああああああっっ!!」


 そんな話を聞いて俺はひたすら悶え苦しむのであった。


 ー▽ー


「はぁ、はぁ、はぁ」

「落ち着きましたか?」

「ええ、何とか落ち着きました」


 いくら自分がネタみたいな死に方をして恥ずかしいと思い、悶絶しようともしばらくすれば落ち着くものである。

 未だにこの状況に対する不安よりも、いい大人がタピオカをのどに詰まらせて死んだという恥ずかしさの方が勝ってはいるが、そろそろ現実と向き合わなければならない。


「一応、念のため聞いておきます。俺は死んだんですよね?」

「ええ。見事に死んでいます」

「その、あなたは神様ですか?」

「そうです。聡いようで何よりですね」


 死んで、死んだのにこうして生きているように誰かとどことも知らない空間でこうして話しているとなれば、目の前にいる人物は神様かそれに準ずる者だろう。


「じゃあ、あれですか? その、俗に言う異世界転生って奴ですか?」

「そうです。そうです。転生って言うより転移ですかね? 今からあなたにはそれを行ってもらいたいと思います」

「おおっ」


 異世界に憧れるという訳ではなかったが、俺も人並みにアニメとか見ていたし、実際に異世界に行けるとなればテンションも上がる。

 何より、死んだのにもう一度生をやり直せるのだ。


「やっぱりあれですか? 神様の手違いで俺は死んでしまったんですよね? そうじゃないとタピオカをのどに詰まらせて死んだりなんかしませんし」

「諦めが悪いですね、そんな手違いなんて一切していませんよ? あなたはなんの超常の力も働かずに勝手に自分でタピオカをのどに詰まらせて死んだんです」

「ノォォオォ!! やっぱりそうか!! そんな気はしていたんだよ!!」


 だって、タピオカをのどに詰まらせて死んだなんて嫌じゃん。

 神様とかそんな超常の力が働いた結果、そんなことで死んでしまったならだったら仕方なかったってなるけど。

 普通に俺がアホな事をやらかして死んだんじゃどうしようもならない。

 100%俺の責任だ。


「ああっ、もういいです。認めます! 俺は子供みたいにタピオカミルクティーを勢いよく飲んでタピオカをのどに詰まらせて死んだアホです!! これで文句ありませんか!?」

「そんなこと私に言われても」


 すみません。

 何かに当たらないとやっていられなかったので。


「それで女神様。なんで俺は異世界に転移するんですか? 何の特別な力もないどころかタピオカをのどに詰まらせて死んだアホなのに」

「急に自分を卑下し始めましたね。まあ、そうですね。あなたは私の使徒となったのです」

「使徒?」

「ええ。タピオカミルクティーを司る女神である私の使徒です!!」

「は?」


 タピオカミルクティーを司る女神?


 ー▽ー


「古来より日本人は物や自然現象など、ありとあらゆる森羅万象を信仰の対象としてきました。俗にいう八百万の神です。」

「そうですね」


 昔から思っていたけど日本人って神様作りすぎなんだよな。太陽とか月とかはまだわかるけど、なんだよ付喪神って。物にまで神性を与えるなよ。


「つまりそういう事です」

「は?」

「まだわからないんですか?つまり、タピオカミルクティーを信仰された結果、私が生まれたのです」


 なに、神様って信仰されたら生まれるの?

 てか、タピオカミルクティーが信仰されるってなんだよ。


「主に女子高生とか女子大生からの信仰が厚いですね。あとヤの付く人とか」

「なんでヤの付く人」

「だって、ほらね。タピオカって原価やすいですし」


 ああ、そういう事か。

 聞いたことあるな。

 タピオカってかなり原価安いらしい。

 むしろミルクティーの方が高くタピオカ多めとかいうサービスは原価が安くなるから店側の方が得しているとか。

 それなのにあの値段で行列は毎日のようにできる。

 そりゃヤの付く人も手を出すよな。


「あなたもタピオカミルクティーを買うために行列に並んだからわかっていると思うのですが、タピオカミルクティーは絶大な信仰を得ています。おかげで私の直属の上司であるSNS神からの評判もとても良いです」


 上司いるんだ。

 しかもSNS神って。

 インスタ映えかな?


「そこで今回、あなたを私の使徒にすることが出来たので、信仰拡大のためにあなたには使徒として異世界でタピオカミルクティーを広めて欲しいのです」

「はい?」

「もう、だから、異世界でタピオカミルクティーを広めて、信仰を得てきてくださいってい言っているんです」

「ごめんなさい、ちょっと意味が分からなくて。えーと、俺が、異世界に転移して、タピオカミルクティーを広めて来いってことですか?」

「はいその通りです。ちゃんとわかっているじゃないですか」

「その、異世界に現れた魔王を倒すとかじゃなくて?」

「なんですかそれ、魔王だなんてフィクションじゃないんですから」


 神様も大概フィクションの世界の住人だと思うのですが。

 てか、そんな理由で俺、異世界にいくの?

 ちょっと嫌なんだけど。


「な、なんで俺なんですか? もっと他にも適切な人はいると思うんですが」

「それは仕方ありませんね。タピオカミルクティーで死んだのはあなたくらいのものなので。この場所に召喚して使徒にするには、直接タピオカミルクティーが原因で死んでしまった人だけなので」


 何ですかその制限は!?


「ほんと、使途を作るの何て無理だと諦めていたのでラッキーです。ああ、ちなみに拒否権はありませんよ」


 そう言いながら女神様は俺の側まで近づいて来て、懐から切れ味がよさそうなドスを抜き取り、俺の首筋に当てた。

 え、怖いんですけど。

 さっきまでの優しい感じのはどこに行ったんですか?


「あなたを使徒にできてラッキーと言いましたけど、その前に、あなたがタピオカミルクティーで死んだおかげで今少し信仰が減っているんですよね。何の根拠も無しにタピオカミルクティーは危険だなんて言い張る奴らも現れて。この落とし前、ちゃんとつけてくれますよね?」

「は、はい。仰せのままに」


 脅された俺には拒否権なんて一切なかった。



 こうして俺はタピオカミルクティーを司る女神の使徒、タピオカミルクティーの使徒となり、異世界に転移することになった。

 ちなみにタピオカミルクティーの使徒らしく、タピオカミルクティーをいつでもどこでも好きなだけ出せる能力を貰った。

 もっとこう、良いものはなかったのか。


 果たして俺は異世界でタピオカミルクティーを信仰させることが出来るのか。

 不安しかない。


 つづく?

※作者はタピオカミルクティーを飲んだことありません。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章が読みやすく、構成がしっかりしていて、最後まで楽しませて貰いました。しかし、現世でも何でこんなにタピオカミルクティーが流行ったのか、今となってはさっぱり分かりませんね。主人公は一体何を…
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