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黒剣と行く-跡地  作者: 白姫
ダンジョン1
7/12

人攫いの怪物

僕達はダンジョンには行かずにまず先にここの領土を治める"デイルス王国"の首都"デイカム"を目指すことにした。

理由は三つ。

仲間集めと情報収集とダンジョン攻略の為の装備集めだ。


僕達は順調に首都へと向って歩いていたはずだった。

だけど今は、

「そっちに行ったぞ!ラファー!」

「わかった!」

僕達は大きな猿を追いかけていた。


デイカムに向かうべく歩いていたのだが、子供の泣き声が聞こえたので向かうと、幼い女の子を抱えた大きな猿がいたのだ。

女の子を助ける為に大猿を僕達は必死に剣を振る、しかし大猿は見た目の割にすばしっこく、なかなか攻撃を当てられない。

「不味いよ!逃げられる!」

大猿は僕達の剣を簡単に避け、そのまま逃げようとする。

「当たれ!」

焦った僕は咄嗟に二スターを投げた。

狙いを定めずに適当に投げたのだが、二スターは真っ直ぐに飛んでいき、大猿の背中に命中する。

大猿は一回鳴いて倒れた。


すぐに女の子に近寄り、無事を確認する。

「大丈夫?」

女の子は頷く。

僕はホッとした。

(無事で良かった)


女の子の話を要約すると、女の子は村で一人で遊んでいたら、あの大猿が現れて攫われたらしい。


ラファーが女の子に名前を聞く。

「名前は?」

女の子は俯きながら答える。

「...リリカ」

「リリカちゃんって言うんだ」

ラファーは女の子の名前を聞くと、今度は家について聞いた。

「自分の家がどこにあるかわかる?」

ラファーが女の子に優しく聞いた。

女の子は頭を横に振る。

「流石にわからないか〜」

ラファーが困った顔をする。


(困った)

この子がわからなければ、この子の村を見つけられない。

悩んでいるとポケットの中のグランの入った瓶が暴れる。

ポケットから瓶を取り出すと、勝手に蓋が開き、グランが出てくる。

「私の出番!!!」


グランの感知能力で近くの村を見つける。

村に着くと、すぐに村の大人達が集まってきた。

「リリカ!無事だったか!」

「怪我はないか?」

名前はリリカと言うらしい。

リリカはあっという間に村の大人に囲まれる。

その様子を見守っていると、大人が一人、こちらに向かってくる。

「あの子を連れ返してくれてありがとうございます」

髭を蓄えた老人はペコリと頭を下げて、お礼を言う。

「いえいえ、僕達は当然の事をしたまでです」

「それでも、ありがとうございます。何か御礼をしなければ...」

「御礼なんてありませんから。あの子が無事、村に帰れただけで僕は満足です」

だが、なかなか村の人は御礼をすると引き下がらなかったので、一晩泊めてもらうことにした。


「人攫いの怪物?」

泊まらせてもらっているリリカちゃんの家の人によると、僕達が倒したあの大猿は人攫いの怪物と恐れられているらしい。

「はい、人攫いの怪物は最初、家畜などを襲っていたのですが、ついに人にも手を出すようになって...」

「恐ろしいですね」

「人攫いの怪物が退治されて良かったです。本当にありがとうございました!」

「当然ですよ。頭をあげてください」

僕がこんなやり取りを繰り返していると、ラファーがなるべく早く寝るように言いに来た。


人攫いの怪物。

(ダンジョンの周り以外にもあんな怪物がいるんだな)

僕はこれから先、やっていけるのだろうかと思った。

(弱気になっちゃいけない)

びびってチキンになる前に寝た。


「では、僕達はこれで」

「ありがとうございました」

僕達は朝早くに家を出た。

出る時にリリカちゃんの母親が言った。

「人攫いの怪物は一匹とは限りません。どうかお気おつけて」

村を出た僕達は人攫いの怪物の住処に向かう。


人攫いの怪物はリリカちゃん以外に子供を三人さらっていたらしい。

その三人も助けるために僕達は人攫いの怪物の住処に向かっていた。

「グラン。大丈夫か?」

「大丈夫...」

グランは今までのように近くの人が多くいる所ではなく三人、しかも子供を感知しなければならならい。

今まで以上に集中していた。

グランは少しづつ、進んでいった。


「着いた!!」

洞穴に着いたグランはアーデの手の中に倒れ込む。

「疲れた...」

「グラン。えらい」

「えへへ」

アーデはグランを休ませる。


洞穴は暗く、中がどうなっているのかわからなかった。

意を決して僕が洞穴に入ろうとした瞬間。

「何か来る!!」

ラファーが言った。


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

大猿は叫ぶ。

僕達が倒した大猿とは違って毛が白く、一回り大きかった。

僕達は構える。

(これがもう一匹の人攫いの怪物!)

大猿は僕達を一通り見る。

すると大猿は近くの木に登った。


木から木へ乗り移っていく。

大猿は木の上から攻撃しては、また別の木に移っていく。

一撃離脱戦法だ。

どんどん体力が削がれていく。

次はどこから来るんだ。

大猿はガラ空きのアーデを狙った。

上に気を取られていた僕とラファーは反応が遅れた。

アーデに大猿の牙が向く。

アーデが目を瞑る。

(間に合わない!)

その時、まばゆい閃光が起きる。

グランだ。

怯む大猿に二スターを投げる。

二スターは大猿の背中に深く突き刺さる。

しかし、大猿は諦めずにアーデを掴もうと手を伸ばす。

すかさずラファーが大猿にとどめを刺す。

大猿は倒れる。


無事、洞穴から子供三人を救出することができた。

グランは村に着くと瓶の中に入ってしまった。


「旅人様!ありがとうございます!」

髭を蓄えた老人とリリカちゃんの母親がお礼を言う。

「では、他の者が集まる前に行きます」

「どこへ行くんですか?旅人様」

「首都のデイカムへ行こうと思っています」

「それなら」

リリカちゃんの母親は持っていた赤く小さな宝石が付いたネックレスを差し出してきた。

「これは?」

「昔、ある人に貰ったんです」


「これを森に住んでいるレイテさんと言う人に渡して下さい。そうすればデイカムへすぐに行く方法を教えてくれると思います」

「ありがとうございます。では」

ネックレスを受け取り、村から出た。


「ここか、リリカちゃんの母親が言ってたレイテさんの家は」

木造の古びた家が森の中にポツンと立っていた。

僕は扉を叩いて呼びかけた。

「すいません。誰か居ませんか?」

家の中から足音がする。

扉が開かれる。

「何か御用ですか?」

黒い服を着たとんがり帽子を被った女の子が出てきた。

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