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黒剣と行く-跡地  作者: 白姫
ダンジョン1
4/12

神が与えた妖精

視界が光に包まれ、光が消えた時には知らない場所に立っていた。

最近、似たことがあった気がする。


周囲は木に囲まれていて、ここがどこなのかまったく見当がつかない。

しょうがないのでまた、アレをする事にした。

「いくぞ!」

2回目なので少し慣れたのか、今度はスムーズにできた。

落ちてきた二スターに駆け寄り、結果を聞く。

「何か見えたか?」

「木ばっかで目ぼしいものはみつからなかった...」

「そうか...」


服装はリメルに貰った奴を着ている。

よくよく考えたら、長旅に丁度いい服装だった。

リメルが気を利かせて何か持たせているかもしれないと思い、ポケットを漁ると、嬉しいことに何か入っていた。


取り出してみるとそれは光の入った瓶だった。

「なんだこれ?」

光は瓶の中を浮遊しており、それが特別な何かというのはわかる。

しかし、あまりこの世界について知らない僕たちにはそれが何か、見当もつかなかった。

ポケットをもう一度よく調べると、紙が入っていた事に気付く。

紙にはこう書かれていた。


ゼノ&アーデへ

服は気に入りましたか?

その瓶の中には、私が特別に創った連絡用の妖精が入っています。

可愛がってください。

リメルより


「妖精?」

僕は瓶の中の光をまじまじと見つめた。

(これが妖精…)

初めて見る妖精の姿に目を輝かせていると、二スターが話しかけてきた。

「開けないのか?」

「でも、開けたらどっかに行っちゃうんじゃないか?」

「連絡用って書いてあるんだし大丈夫だろ」

二スターの言う通り開ける事にした。


瓶の蓋を開けた。

すると、中にいた妖精が勢いよく飛び出してきた。

しばらく飛び回るとゆっくり、アーデの前に降りてきた。

アーデが妖精を手で受け止めると、光が形を変え、やがて人の形になった。

妖精は手のひらサイズの女の子の姿になった。


妖精は緑のドレスを着た金髪ツインテールの見た目をしている。

背中には蝶のような綺麗な羽を生やしていた。


妖精は目を開けるといきなり自己紹介を始めた。

「はじめまして!私はリメル様によってつくられた妖精!名前をグランと言います!これからよろしくお願いします!」

いきなりの自己紹介で戸惑ったが、自己紹介仕返す。

「ぼ、僕はゼノだ。こっちがアーデ。この剣が二スターって言うんだ」

「ゼノさん!アーデさん!二スターさん!よろしくです!」

「よろしく。グラン」


お互いに自己紹介した後に二スターがグランに話しかけた。

「リメルに連絡出来るのか?グラン」

「はい!出来ます!」

グランはそう言うと、手から光を出した。

すると、光から声が聞こえてきた。

リメルの声だ。

「ちゃんとできたみたいだね。グラン」

「はい!」

「えらいえらい」

「えへへ〜」

「ところで、何かあったかい?」

リメルの問いかけに二スターが答える。

「いきなり森に飛ばしといて何は無いだろう」

「いきなり飛ばしたのはすまなかった」

「すまなかったって...ゼノからもなんか言ってくれよ」


光と妖精と喋る剣が話すこの幻想的ファンタジーな光景に気を取られていて油断していると、二スターが話を振ってきた。

「え?あ、あぁ。これからどうすれば良いんですか?」

「とりあえず...村か、できればこの国の中心都市にでも行けばなんとかなると思うよ」

「なんとかなる...ですか...」


リメルの言葉を聞くと二スターは猛抗議した。

「おい!なんとかって何だよ!ふざけるな!」

「おっと、誰か来たようだ。じゃあ、ここで終わらせてもらうよ」

「おい!待て!」

「健闘を祈るよ」

さっきまで、リメルの声が聞こえていた光が霧散した。


「逃げやがった...」

怒る二スターを僕は落ち着かせながらこれからについて話し合う。

話し合いの結果、リメルの言う通り、町などの人のいそうな所を目指す事になった。


「しかし、どうやって町に行くか...」

「はいはーい!それなら私に任せてください!」

グランが手を挙げる。

「何かいい方法があるのか?」

「はい!ついてきてください!」

グランが森に飛んでいく。

僕達は慌ててグランを追いかけた。


やがて村が見えてきた。

「ありました!」

「本当に人がいそうな所に着いた...」

「ほめてほめて!」

アーデが頭を撫でるとグランが嬉しそうに笑う。

「えへへ〜」


「次は宿探しだな」

二スターが言う。

「そうだね。早めに宿を見つけよう」

僕達は泊めてくれそうな家を探した。(ちなみにグランは一応、瓶に戻した)

旅人という事で泊めてもらえるようにと色んな家を回り頼んだが、中々泊めてくれる家が見つからない。

当然といえば当然だが、こうも見つからないと不安になる。


野宿覚悟で最後の家を訪ねた。

ノックをすると、中から中性な顔立ちをした人が出てきた。

髪は短く、性別の判別が難しい。

「すいません。旅の者なんですが泊めて頂けませんか?」

「旅の人?」

「はい。そうです」

「わかった。泊まってもいいよ」

最後の最後に泊めてくれる人に出会えた。


中に入れてもらい、お互いに自己紹介をした。

「ボクはアイザック・ラファー。気軽にラファーと呼んでくれ」

「ありがとうございます。ラファー」

宿を見つけて安心していると、ラファーが話しかけてきた。

「どこから来たの?」

その問いかけに咄嗟とっさに嘘を言う。

(別世界から転移してきたなんて言えば、信じてもらえないだろうし、最悪、危ない人だと思われて泊めてもらえないかも知れない)

「僕達は遠くの村から来ました」

「ふーん...」

信じていないのか、素っ気無い返しだ。

慌てて何か言う前にラファーが質問してきた。

「ダンジョンには行くの?」

「ダンジョン?」

よく知らんが、取り敢えず行くと答えた。

「本当!」

「うわっ!?」

ラファーが急に身を乗り出した。


「じゃあさじゃあさ、ボクも旅に連れてってよ」

泊めてくれる人に出会えたは良いが、雲行きが怪しくなってきた。

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