表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒剣と行く-跡地  作者: 白姫
ダンジョン1
3/12

神と名乗る子


「私がこの聖域の主…神だから」


リメルは言い放つ。

(神…?)

目の前の少女、リメルは自分の事を神と言った。

(嘘かも知れない。むしろ嘘にしか思えない)

だが…。

(少女は嘘を言っている様には思えない)


自分でも何故、リメルが嘘を言ってると思えないのが不思議だ。

頭の整理が追い付かず、何も言えないでいるとリメルが話し出した。

「信じられないのも仕方ない。急に神と言われて」

「本当に神なのですか?」

リメルは頷く。

「正確には神の残り物だがね」

「どういう事ですか?」


リメルは自分について話出す。

「昔、剣に(つらぬ)かれて私はバラバラになったんだ。」

リメルは黒い剣...二スターを見て言った。


「そうだよね。プロディス?」

その言葉に二スターが答える。

「あぁそうだ。だが、プロディスは違う」

「じゃあ今の名前は?」

「今はこの少年の剣、二スターだ」

「二スター...ね」


さらにリメルは二スターに聞く。

「プロディスの名は捨てたのかい?」

「プロディスはあの子の剣の名前だ」

「ふーん」

二人は僕を置いて話を進めて行く。


慌てて僕は割り込んだ。

「まってくれ。僕を置いていかないでください」

「あぁ、すまない」


再びリメルが自分について教えてくれる。

「そして私の力がバラバラになって、今の私は力の大部分を無くした存在」

「だから神の残り物...」

リメルは頷いた。


「次は何を聞きたい?」

「じゃあ...」


そこで奥の扉が開き少女が入ってきた。


リメルが少女を見て言った。

「次は君の番だ。権兵衛」

「ま、まだ話は終わってないぞ」


リメルは少女の髪を拭きながら言った。

「まあまあ、お風呂に入ってからでもいいじゃないか。時間はあるんだし」

(たしかに)


風呂に入ることにした。

「お風呂はドアを開けてから2つ先の右側の扉だよ」

僕は言われた通りの扉に入った。


風呂から出るとリメルが少女の髪をクシでとかしていた。


「出たよ」

椅子に座った。


リメルが少女髪をとかしながら言った。

「二人で名前を考えてたんだ」

「決まったのか?」

リメルが頷く。

「アーデ」

「アーデ?」

「コート・アーデ」


(コート・アーデ…コート...)

「コートって!?」

「そう、私の名前と同じだ」

「何故…?」

「気に入ったからだ」


「それより、君は自分の名前を考えたのかい?それとも名無しの権兵衛でこれからやっていくのかい?」

「ああ、ナナシノ・ゴンベで行く事にした」

「…」


リメルは少し考えてから言った。

「エトラ・ゼノなんてどうだい?」

(エトラ・ゼノ…)

「わかりました。その名前でいきましょう」


すると、二スターが話しかけてきた。

「ついに名前が決まったようだな」

「ああ」

「改めてよろしく。ゼノ」

「よろしく。二スター」


名前も決まり、全員揃ったので話を再開する事にした。

「何から聞きたい?」


「じゃあ…帰る方法について」

「すまない。あの石版の使い方は私もわからないんだ」

「じゃあ…僕たちがここに来た理由について」

「すまない。それは私にもわからないんだ」

「じゃあ…聖域の外の世界について」

「すまない。外の世界にはうといんだ」

「…」


僕はリメルを疑惑の目で見た。

その目線にリメルが気付くとニコッと笑顔を浮かべた。

「じゃあ...二スターとの関係を」

「それなら答えられる」


「プロディス...二スターは私の力の一部だ」

「なんだと!?」

リメルはそのまま話し続ける。

「私をつらぬいた剣も二スターだ」

二スターは何も言わずに聞いていた。

「だか、私を貫いた瞬間に私も呪いをかけた。おそらく、二スターの力の一部も封じられていると思うんだが?」

リメルは二スターを見る。

「そうだな。たしかに一部の力が封じられている」


「つまり、二スターとは二人で戦いあった仲という事だ」

「お前と戦ったのは昔の俺、プロディスだ。今はゼノの剣、二スターだ」

「そうだったね」


リメルが僕に視線を戻した。

「他には何が聞きたい?」

「今はそれだけ聞ければいいです」

時間はあるので、ゆっくり聞くことを考えればいい。


「じゃあ、君たちの質問に答えたから、今度は私のお願いを聞いてもらおうか」

「…えっ!?」

思わず聞き返した。


「これだけ質問に答えたんだ。お願いの一つや二つは聞いてもらうよ」

(まあ…一つくらいは聞いていいか)

「お願いはなんですか?」

「私のお願いは…」

リメルは真っ直ぐ僕を見て言った。


「私の飛び散った力を集めてきて欲しいんだ」


「...」

「何故、僕たちに?」

「君たちしか居ないんだ。ここにくる人は」

「自分で取りに行ったらいいじゃないですか」

当然の疑問にリメルは、

「私の力が弱まった事により、この島から離れると聖域の結界の維持などが出来なくなるんだ」

「聖域を維持しなければいいじゃないですか」

リメルはため息を吐いて言った。

「それがそうにもいかなくてね。結界が無くなるとドラゴンや魔族が荒らしに来るんだ。私はここを気に入っているからあまり荒らされたくなくてね。しかも神竜や魔王が来たら、かなり厄介でね。私でも対処が難しいんだ」

僕は彼女がここを荒らされたくない理由よりもドラゴンや魔王、神竜が存在する事に驚いた。


「さらに音狂神おんきょうしんが来たら、聖域を捨てなければならなくなるんだ」

「音狂神?」

聞いたことない単語が出た。

「音狂神は飛び散った力の中でも特に強く、大陸中を歩き回っているんだ」

(ほうほう...ん?待てよ、音狂神もリメルの力の一部と言うことは音狂神とも戦わなくてはいけないのか!?)

リメルは僕の考えていることがわかったらしく、補足した。

「音狂神は別に倒さなくていいよ。君には五つの力を取ってくるだけでいい」

「そうですか」

(おそらく僕たちじゃ手も足も出ないだろうし倒さなくていいのならそれでいいや)


「もう遅いから今日は寝ようか」

リメルは話を切り上げた。

(確かに、今日は休んだ方がいいな。疲れがたまっているだろうし)

「ベットが有り余っているから、どれを使ってくれても構わない」

「リメルさんは?」

「リメルで構わないよ。私は別の部屋で寝る」


リメルは僕たちを部屋まで案内したら、あくびをしながら別の部屋に入っていった。

二スターをベットの近くに置き、横になった。

(寝るところまでくれたんだ。やはりリメルのお願いを聞くべきだな)

僕はベットの上で考える。

(だが、怪物たちが跳梁跋扈ちょうりょうばっこするこの世界で、僕はリメルの願いを叶える事ができるのだろうか?)

そう思うと、どんどん不安になってくる。

(もう考えるのはやめて寝よう。不安になるだけだ)

目を閉じ、眠りについた。


洞窟で見た石に似た光で目を覚ます。

アーデはまだ目を覚ましていなかった。

ベットの側に置いてある二スターを手に取り、部屋から出た。


昨日の部屋に行くと既にリメルは起きており、椅子に座り紅茶を飲んでいた。

「おはよう。ゼノ」

「おはよう。リメルさ…リメル」

リメルは笑顔で頷いた。


しばらくすると、アーデも起きて来た。

朝食を取り、身支度を整えた。

リメルが新しい服をもう一着くれたので、それに着替えてからリメルに聞き忘れた質問をした。

「そういえばいつ、その力を取りに行けばいいんですか?」

「うーん…」


「じゃあ、今から行って貰おうか」


「えっ!?」

「じゃあ、行ってきてくれ」

足元が光りだす。

「ま、まってくだ…」

視界が光りに包まれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ