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序章 第四話 ステータス


 転生してから三ヶ月程が経過した。つまり生後三ヶ月、首が座る時期のはずである。ちなみに僕は言葉が分かってきていたりする。

 ちゃんと雑音が聞こえるのに、何故か声は聞こえないという謎現象がおこっていたのは、多分言葉が理解出来なかったせいもある。

 最近はよく、アークの情報──もうめんどくさいので《知識の書》と呼ばせてもらっている。カッコいいし──で気になったものを随時調べるようにしている。これが意外と勉強になるのだ。


 さてさて。三ヶ月が過ぎたわけだが、僕にはある疑問があった。

 ステータスって見れるのか、ということだ。

 ゲームでは《システムコマンド》といえば、持ち物だったり装備だったりと色々なメニューが出てきた。ステータスもその中の一部だ。

 この世界の模倣であるゲームで出来ることは基本こちらでも出来るだろう。


 とりあえずまずはゲームの通りにやってみようか。


いうやううやんお(システムコマンド)

 

 ······なにも起こらないな。まあまだこれからだ。

 次はラノベに習って声にだしてステータスと言ってみよう。


あうーいや(ステータス)


 ──うわッ!? 


 突然、僕の視界に淡い水色の透けているパネルが二枚出てきた。

 パネルの右上にはそれぞれ右から、ステータス、スキル一覧と書いてある。さらに各パネルのアイコン、例えばステータスの欄を意識すればそこの欄の詳細がでてくる。


 では、気になる僕のステータスはこれだ。


───────────────────────

【名前】イオン・ビクトリアス【年齢】3ヶ月【性別】男


【体力】 30/30

【魔力】 15/15

【攻撃力】 3

【防御力】 5 

【魔法攻撃力】 7

【魔法防御力】 18

【俊敏】 4


【称号】

·守護対象······特定の一人に過剰に守られている証

【スキル】

無し

───────────────────────


 僕の名前はイオンなんだな。ゲームと同じでちょっと嬉しい。それにしても全てのステータスが弱すぎる······まあ赤ちゃんだから仕方ないけど。

 あとなんだ称号の《守護対象》って? 怖すぎる。


(おぉ、ゲームと同じで視点を動かせばついてくる······)


 早速色々遊んでみた。

 それはもうはたから見れば寝てる赤ちゃんの頭上にパネルが出ていてそれが更に右に左にと動いているので、とても謎だ。


 ──ただ、忘れていたのだ。僕の称号である守護対象の、僕を守護している存在を。

 

「さあ午前の仕事も終わりました! 早速イオン様を······おろろ?」


 扉の向こうで声がした。僕は驚いて、ステータスを仕舞えずにいた。

 扉の外で板が軋む音がすると思った矢先、急に人のいた気配が消えた。


「三秒で出てきてください」


 僕の眠るベッドの上から声が聞こえた。恐る恐る視線を向けて見ると、メイド服を着た女性が天井に張り付いているではないか。


「素人ですか? 魔力がダダ漏れですよー」


 これあれだな。僕の部屋に侵入者が入ってると勘違いしてるんだ。ていうかステータスを覗くのにも魔力が必要でそれでバレたのか。

 僕は急いでステータスのパネルを彼女に向かって飛ばした。


「うわわッ!? ステータス······まさかイオン様が!?」


 シュッ、と音もなく僕の傍にメイドさんが着地する。

 彼女はビクトリアス家で住み込みで働くメイド、名前をシエラと言う。ちなみに歳は多分十二とかそこら辺だと思う。


 彼女は美少女だ。もう『超』とつけてもいいくらいに美少女だ。

 かわいげのある顔立ちにうすい桜色をした綺麗な唇。ちょうどいいくらいに伸びた鼻。長い睫毛の下にある森の木々のような緑色の瞳。

 髪は黄金のようにそれでいて透き通った美しい金色の髪をしていて、前髪を眉毛にかかるくらい伸ばし、後ろはうなじが隠れる場所付近で切り揃えられている。 


 そのかわいげのある容姿に更にメイド服······しかも仕事用でありながら同時に可愛さを兼ね備えたメイド服をきている。

 具体的にいうと沢山白いフリフリがついていたり、スカートが膝上3~5センチくらいのところにあったりだ。特にスカートの方はシエラの足も少し長めなので自然にそちらに目がいってしまいそうになる。


 あれ? ていうか自分で言ってて気持ち悪いな。


「凄いものを見てしまいました! イオン様は天才ですねぇ~」


 そう言いながら僕を持ち上げて頭を撫でてきた。

 あー気持ちいいなーこれ。転生してからと言うもの、頭を撫でられるとこそばゆい感じがしてしまう。


 あ、ちなみに当たる胸はないからな。当たり前でしょ。まだロリっ子なんだから。


「へぇー赤ちゃんのステータスってこんなふうになってるんですねー。初めて見ましたよ」


 シエラは僕を抱きながら僕のステータスを凝視している。別に見られても心配ないよな······?


 んーいいや。一回消してしまおう。

 ステータスともう一回意識するとパネルは綺麗さっぱり消えた。


「あー、消えちゃいました。でもでも! イオン様がステータスを開いたことにかわりありません! こんなに可愛くて天使のようなのに、更に頭までいいとは······!」


 ちなみにこの言動からわかる通り、シエラは僕のことが可愛くて大好きらしい。

 赤ちゃんが可愛いのは当たり前なんだよ。それに天使だとか言うんだったらまずは鏡でも見にいきなさい。神が映るから。


 というかもう寝かせてくれないかな。ステータスを見ている間もずっと頭を撫でられて、抱かれたままなので赤ちゃん的にはそろそろ疲れた。



 大丈夫かな······これ。立てるようになった時に剥げてないよね、これ······。


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