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序章 第三話 目覚め


 ──ここは、どこ?


 ん? なんだかセリフにデジャブを感じるな。

 

 しかし辺り一面真っ暗でなにも見えやしない。感じるものと言えば誰かに抱かれてるのか、温もりくらいだ。なんだか心地がよくって眠ってしまいそうになる。

 もしかしてここは病院のベッドの中で、目は開けられないのに意識だけはある植物状態なのだろうか。それにしてはどこか遠くから赤ん坊の声が聞こえる。


 ······もし本当に死ななかったとしたら。彼女にはとても酷いことをしたから謝りたい。その後すぐまた死んでやろう。どうせもうゲームという居場所も失って生きる気力もないのだから。



 《《神の選定によって、あなたは特別に異世界転生の権利を得たのです! 拍手〜》》



 あ、思い出した!

 僕は確かに死んで女神イシスさんに出会って、転生して異世界にいる。はず。多分。


 落ち着く為に状況を整理しよう。

 まず僕は《アメイジング・ソード・クエスト》──《アーク》の世界に転生した。

 転生したということはつまり、今僕は赤ん坊の姿だってことだ。

 僕の転生した目的はこの世界で自由に生きて、ついでに邪神を倒すことだ。


 段々冷静になってきた······よしよし。


 そうそう。気になることと言えば僕のもらった転生特典だ。確か《アークの全情報》を貰ったはずだけど······頭の中には僕の記憶していることしか思い出せない。なにか条件があるんだろうか。

 条件があるとしたら······特定の場所や状況でしか見れない? それともアイテムの入手、使用だろうか。


 うーん············

 ··················

 ············

 ······。


 あ、光が見えてきた!

 つまり外の世界が見れる!? やっばい緊張してきた。


 ひっ、ひっ、ふぅー。ひっ、ひっ、ふぅー。これ落ち着くやつじゃなくて産まれるやつだ。

 まぁ落ち着け。落ち着くんだ僕。景色を見るだけだぞ? なにをそんなに緊張する必要がある。


 よし、転生した僕の初めてみる景色は一体どんなもの何だろう······! 

 期待を膨らませていざ────



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 転生してから体感で一日はたっただろうか。寝たからそう思うだけなので多分一日ではないと思う。


 さて。結局僕が最初に見た光景は謎のおばあちゃんの顔だった。僕にとっちゃ皆、『謎』ってつけてもいいんだけれども。恐らく祖母? それとも助産師? まあどちらでもいいか。


 きっと赤ちゃんだからなのだろう。最初は会話も全く聞こえないし、視界だって寝起きのようにずっとぼやけていた。

 でもどうだろうか。少なくとも視界は少しクリアになっていた。聞こえてくるのは自分の泣き声と思わしき声だけだが。


 それでまずクリアな視界に写ったのは、とっても美人な女の人だった。

 整った輪郭に堀の深い顔立ち。きらきらと輝く銀色の髪を腰まで伸ばしていて、つり目がちで瞳は赤い色をしていた。

 僕を見たとたん、にこっと効果音が付きそうなくらい綺麗な笑顔を向けてくれた。

 だけど、僕が知っているキャラにこんな美人はいない。


 次に見たのは、まさしくイケメンと呼ぶにふさわしい顔をした男だった。

 美人な女の人同様に整った輪郭に堀の深い顔立ちをしていて、金髪をオールバックにしている。目はまたつり目がちで瞳は髪と同じく金色だった。

 パッと見たとき、これが所謂細マッチョかとでも言えそうなくらい引き締まった筋肉をしていた。

 こちらは銅像かゲームの写真で見たような気がするが果たしてどうなんだろうか。


 ──あと、起きてからまた寝るまでの間に僕のことを扉の陰からチラチラ見ている誰かがいる。いるのは分かるんだけど、僕の目では全く追い付けないくらいに速かったので誰かはわからない。




 転生して気づいたことが沢山ある。というかあって当然だろう。

 まずは転生特典(アークの全情報)について。それに関しては見たいと思った時に見れるようでそのように意識すると僕自身の意識が途切れた後、真っ白な空間に連れていかれる。そこには沢山の本棚がある······という感じの部屋に意識だけ連れていかれる。もちろん本棚にある本は全て資料集の内容だ。


 その中で更に調べたいことを意識して絞りこみをすることもできる。凄く便利だ。しかも意識が持っていかれた間、外の世界の時間が止まっているようなのでこれまた凄い。

 ちなみに白い空間で意識を失うと、いつのまにか現世に戻ってる。



 そういうことなので早速気になっていた家族に関して調べて見た。


(えーと。まずは、子持ち······うわっ、絞りこんだのにまだ沢山あるよ······えーと176951件か。どんだけ設定凝ってるんだよ) 


 この資料集の内容はあくまでも模倣の世界の内容を人が考えた、もしくは追加したものなのだ。だからこの内容は全て人が考えたことになる。

 まぁ、いい。更に絞りこんで見よう。


(性別は女、銀髪、そして赤い瞳。一気に減ったな······973件。この特徴の人は少ないのかもしれない)


 確かゲームの設定ではこの特徴を持つ人はMPやら魔法耐性など魔法関係のステータスが高いはず。だからこんなに一気に減ったんだろう。

 さて次のキーワードは······。


(既婚者。夫は金髪オールバック。瞳が金色で体は筋肉質······検索候補が1件。確定かな······?)


 表紙には多分人の名前だろうか。『カナリア・ビクトリアス』と記されている。

 本の厚さは漫画の単行本一冊くらいの厚さだ。

 そして本の内容を彼女のことについて纏めるとこうなる。



《カナリア・ビクトリアス》

 『既婚者で夫の名前はワイゼル・ビクトリアス。名誉男爵の地位についている。

 子供の名前はナタール・ビクトリアス。アバターを操作できる時点で既に死んでいる。彼女が住んでいた村は綺麗に消えている。

 彼女は魔法の才能を持っており、魔王を倒せるだけの魔力量と実力を持っている折り紙つきの実力者である。

 質素なものを好み、あまり着飾らないものの時々家族に見せたドレス姿をワイゼルは神だと言っている。性格は基本はおとなしいが、少し強引なところがある。』


 

 まず、驚いたのはゲーム開始時には既に死亡しているということ。

 かなりの実力者だったはずなのに、死んでいるということはよっぽどのことがあったのだろう。

 それに、村が消えているとも書いてある。そんな設定は知らなかったので、もしかしたらカナリアさんが死んだのにも関係があるかも。


 そして次は僕の──もしくは僕じゃないときの子供の名前。

 名前をナタール・ビクトリアスというらしく、その名前に少し聞き覚えがあった。


 ビクトリアスという姓は初めて聞いたが、ナタールという人物はチュートリアルにでてくる、所謂雑魚キャラの一人だ。

 こんなのに名前つける意味あるのかなーなんて思っていたら後で仲間にできるらしいので驚いた記憶があった。


 と、ここで段々と意識が途切れかかってきてしまった。


 まあ、調べものも終わったし眠ってしまおう······。


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