序章 第十四話 ターニングポイント
テストが近くなってきて、あまり書けてませんでした。多分、暇があるか気分で投稿してくと思います。
四歳になった。いや、なってしまったと言ったほうがいいのだろう。
なにせ、最初の目標である『友達を作る』ことの前に、子供に話かけすらできていないのだから。
一年間、森の比較的入り口に近いところで魔法の練習をしていたので、魔法に関しては大きな成果があった。
例えば、魔力量。前までは朝起きてから魔力を消費するだけだったが、寝る時にも消費させて、単純計算で二倍の効率アップを果たし、数値が2000を超えてきた。
例えば、無詠唱。初級の魔法をついに無詠唱で発生できるようになった。
でも、僕が望んだのはそういうことじゃない。
このままやっていても、必ず無理がやってくる。
必ず一人ではどうしようもない壁を乗り越えなければいけない時がくる。
必要になってからでは遅すぎる。
今動かなければいけないことくらい、自分でも痛い程わかる。
「はぁ······」
全部わかっては、いる。
けれど、どうしょうもなく不安なのだ。
「友達も出来ないし、しかもシエラにバレちゃったしなぁ」
そう、それである。
それはある日のこと。中級魔法『炎剣』を魔力MAXくらいまでためて放ってみたところ、炎の柱のようになってしまって、それを様子を見に来たシエラに見つかってしまったのだ。
僕が父様と母様にはいわないでほしい、とシエラに伝えたので、言ってはいないみたいだけれど時々シエラがここにくるようになった。
······シエラに言わせてみれば、僕が魔法を使えること自体が不思議で仕方ないらしい。
簡単にいってしまうと、魔力や魔法の概念も教えていないのに何故出来るのか、とのこと。
「はあ······」
僕は何度目かも知れない溜め息をついた。
※※※※※※※
今日も一通り魔法の練習を終えて、森の入り口付近から出口まで歩いていた時。
それが聞こえてきた。
(ん······? なんか声がするような······)
ここは森の入り口付近であっても森は森。あまり人も寄ってこない。
「風に乗りし音を我が手元に手繰り寄せ。『集音』」
この魔法は簡単に言えば耳がよくなる魔法だ。なぜ手元に、と言っているのに効果があるのは耳なんだろうとは思うけれど。
「ん、これって······」
子供の声······人数は四人。聞こえてくるのは、
──叫び声。
──悲鳴。
──何かがぶつかる音。
──微かに聞こえた、「助けて」という言葉。
「ッ!!」
僕はその言葉を聞いた瞬間、反射的に手を後ろにつき出して魔法を詠唱した。
「──『風圧』ッ!」
グンッと体が衝撃で逸れ、景色が移り変わる。
『アーク』プレイヤーが考えた、直線に強い加速方法だ。ただ、方向転換が出来ないために諸刃の剣となっている。
更に、少しでも加減を誤ればリアルだと全身の骨がバラバラになってしまう。
(『風圧』ッ! 『風圧』ッ!!)
更に更に加速していき、目の前に木が見えたところでそれを蹴って空中に飛んで、また加速する。
そして、見えてきた光景は。
──同い年くらいの少年が、目の前に座りこんでいる少女に手を上げようとしていた光景だった。
「──『水球』ッ!」
僕は空中で『水球』を無詠唱で手を上げようとする少年に放つ。
水球は見事に少年の顔にあたり、よろけさせることができた。
「『風圧』!」
僕は着地する寸前に、地面に『風圧』を放って威力を殺した。
僕は、少女を背にして着地した。
「なっ······てめぇ何もんだ!? 悪魔の味方すんのかよ!?」
「僕は弱い人の味方だ! それに僕からしたら君らのほうがよっぽど悪魔らしいよ!」
僕はゆっくりと右手を、先程手をあげようとしていた少年に向けた。
「覚悟はできてるんだよね? ······降参するなら今のうちだよ」
沸々と沸き上がる憎悪を押さえつけて、僕はゆっくりと告げた。
魔法の解説。
・『炎剣』······中級火魔法に分類される。手の平に剣程の長さの火を形成する。斬ることや触ることは出来ないため、攻撃を受け止めることもできない。
・『集音』······中級風魔法に分類される。周囲の音を集め、聞き分けることができる。
・『風圧』······初級風魔法に分類される。手のひらから団扇で扇いだような風が出る。最大で、落下の衝撃を抑えれる程の威力になる。




