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心の中がどろどろしてた。
自分自身ではどうしようもなくて。
だからといって、誰かに助言をもらえるほど気軽なことではなかった。
つまり、私は自分が可愛くて、周りから嫌われるのを恐れていたんだ。
私には今の現状をどうにかできるほどの力はなくて、ただただ過ぎ去る流れに何とか食らいついていくのが、やっとなんだと思う。
そんなことを、最近常に実感している………
「おい、なにしてんだよ。」
普段振り向きもしない顔がいつの間にかこちらを向いている。
「っ!」
声をかけられるまで気付かなかった。
「見たっ!?」
私は慌ててスマートフォンを制服のポケットに隠した。
「見るわけねーだろ。急に隠すとか何?なんかやらしーサイトでも見てたわけ?」
「バカなこと言わないでよ!誰がそんなことっ!」
「はっ、どうだか?」
肩をすくめてニヤニヤと笑っている。
目の前の人物に対しての葛藤を、今まさにつらつらと書き綴っていたわけで。
そんなものを本人に見られていたなんて、考えたくもない。
「なー、今日の放課後あいてる?」
「今日?あいてるけど。」
「そしたら、ちょっと付き合え。」
強引なのは今に始まったことではない。
もう慣れっこだ。
「はいはい。いつもの通り、カノジョさんへのプレゼントの買い出しですかー?」
ちゃけて言えば、睨み付ける視線が痛い。
「お口チャック、でしたねー。」
「わかってんなら、言うな。」
なぜ隠そうとするのかわからない。
そのカノジョは、お嬢様女子高の品行方正、容姿端麗なザ・女の子。
隠さなくてはいけないことは何もない。
カノジョをほかの男子に知られたくないというやきもちだったりして。
「お前の考えてるようなことじゃねーから。」
「え?なにが?」
「いや、その、カノジョのことだよ。」
「…フーン。分からないけどわかった。」
そうして私の貴重な休み時間は、イレギュラーな形で終わったのだった。




