第一夜
5世紀から16世紀かけてヨーロッパでは教会による「魔女狩り」が行われていた。。。
確かに教会の目は正しかった。
教会それぞれの君主に教会側は魔女と思しき者を魔女裁判にかけ魔女を処刑していたが、その中には魔女ではない者も処刑されていた。
魔女以外の者で処刑された理由は、国の機密を守るため政府と教会による口封じだった。というのはよくある話だ。相当隠したいことがあったのだろう、が本当に隠したいことってなんだったんだろう。
「って最近考えてるんだけど・・・何だったんだろうね?」
「はいはい。歴史の穿鑿してもしょうがないしー。可愛そうなおっさん。」
今俺の心にダイレクトアタックをかましてきたのは「仁堂綾香」、そして俺こと「壱岐希輝」は、「弥栄高校」という学力は上の中あたりの高校に二人で通っており、自分的には誰にもゆずれない時間なのだ。
なんせ綾香が好きだからだ。てかこの時間最高~・・・中学校で3年間同じクラスで自分的には運命としか思えない、高2なった今でも同じクラスで5年間一緒のクラスなんて、運命以上の何かが・・・かみさま~、ありがとーー
と内心喜んでおり、不意によくにやけ顔になる。綾香はそんな時俺に、罵ったりカバンで後頭部を殴ったり、時には顔面をカバンで・・・綾香自身、一応冗談でやっているわけだがそんな綾香も好きなわけだ。しかしある日気付いてしまったのだ。俺には、M質があるのだと。
まぁ人間そんなこともあるもので、俺は幸せな日々を送っているのでした。
「えへっ」
しまった。と思った。にやけた。するとすかさず、
バシッ
ばきっ
「えっ・・・」
今後頭部をやられたわけだが、俺は今からきっと死ぬんだ。なんせ今何かが折れた音がしたからだ。みんな、さよなら。だけどこいつに殺されるなら本望だよな・・・
俺は膝から地べたにつきぐったり倒れた。が、実際綾香の眼鏡が壊れた。その後何故か俺が怒られ、弁償せざるえなかった。
その時の空は俺を慰めてくれてるように雲ひとつなくきれいな青空だった。そしてホロ泣き。
ある日俺は帰宅部なのですぐに家に帰り、ある程度の予習復習を済ませる。行きたい大学は特には決まってないが上の大学を目指している。夢は「公務員になり安定した職に就いて、自分がつくる家族を幸せにしたい」ということなのでがんばっているが、そんな俺に今日はご褒美をと思って、F社という歴史ゲーム専門のゲーム会社が発明した新商品をやるわけだが、歴史好きの俺にとって待ち遠しかった。このゲームについての書き込みを見るとまだ誰もクリアしてないらしい。クリアすれば会社に連絡とのことで、なんと豪華な景品がもらえるらしい。ゲームの内容はというと・・・
アウリウスという今のヨーロッパのどこかにあったとされる架空上の国のある勇者あるいは英雄についての話らしい。~その人は、とにかく強かった。そして夢を持っていた。その人は国のため、夢のため、そして片思いでも大好きな人がこの国で幸せに暮らせるため自らを悪魔に売り、契約を交わしてその国を個性的な仲間と共に一時的には救った悲しい独り歩きの道化師の話~今となっては伝説の話だ。
そして俺はなんとか二週間で終わらせた。長かったぁ・・・
しっかしあのゲーム、やけにリアルだったなぁ。頭の中を何かが駆け回ってるようで吐き気もした。だからみんなクリアできなかったのかと納得した。だけど不思議だったことは、話の展開が分かっていたことだった。ふと頭に何か浮かんだ。
「俺って、生まれ変わり!?うわーやっべー、いわゆるチュウニ病患者だ~」
とは思ったものの、電話はしてみようと思った。
「あのー、クリアしたんですが・・・」
「はい。分かりました。後日伺います。」
う、伺う!?もしや、この人が豪華な景品では!?思春期真っ盛りだな。と自粛した。
翌日、学校の帰りある友達にその話をすると
「お前ってそんなに救えない奴だったのか。残念だ。」
今俺に遠い目をして言ったのは「乃・・・」突然何か大きな音が俺の方にぶつかろうとしていた。そしてぶつかった。トラックに引かれたらしい。健治朗は・・・。
「あれ?動かねぇ、なんで・・。」
俺はすぐにこのままじゃ、死ぬとわかった。まだ死にたくない。だが全身から力が抜けていくのが分かる。なら最後くらいと思って携帯をなんとか取り出した。自然に俺は泣いていた。恐怖と後悔で押し潰されそうだった。そして綾香に電話をかけた。だがでなかった。
「こんな、ことっ、て・・・あってたまる、か・・・。」するとふっと意識がなくなった。
目覚めると知らないところに・・・。
「目は覚めたかな?久しぶり。アルス・プリーアー」
そこに立っていたのは、あのゲームの主人公だった。