第7話 どうぞ、お渡りください
12月7日(日曜日)
今日で無事アルバイトを終える。
七日分の日当を貰い終了した。
日記に「住人の方々は心温かい人たちばかりで安心して働けました。」
と書いておいた。
名残り惜しい感じもするが..
このマンションとその住人の方ともお別れである。
ただ、この一週間は色々な人と出会い、
充実した一週間であった。
そうだ。そういえば宮沢さんから貰った
お店の食券が残っていた。
お財布も今は暖かい。
晩御飯は予定していた通りそこで
お婆さんと一緒に美味しいものを食べよう。
食券を見ると
「冬の季節におすすめ!じさま鍋&ばばまんま」と書かれていた。
おー..実にいいじゃないか..
じさま鍋というものがわからないが、
なにやらこの店限定の鍋なのだろうか。
ばばまんま…というのもよい具材を使っているに違いない
すこぐ興味をそそる書き出しである。
なにより、
この店の名前はとてもセンスが良い。
昔ながらの風情のあるものが感じられる。
なになに。西洋料理のシェフが
一転して和食屋に変更…?
ますます気になって仕方がない。
どんな料理が出るのだろう。
お婆さんと談笑しながら、食べているのを
想像しながら帰宅の途につきました。
体がプルルと少し震えた。
そんなに寒くはないのだがなぁ..
やはり代謝のせいだろうか…
それにしてもお腹が空いた。
早く食べたいなあ…
……
….
…
..
六階では
未だに仕切りに騒いでいる男が一人いた…。
その男の背中がみえる。
「くそっ!」
ガシャンっとキーボードを叩きつけた。
なにやら、化け物と人間が戦っているゲームらしい。
〜GAME OVER〜
薄暗い部屋の中で
パソコンの画面にはただ、その文字だけが青白く描写されていた。
……
屋上には
猫が一匹ぽつんといた。
そうして
こう呟いた。
「ごちそうさまでした」




