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鼠ノわるつ  作者: 文字だけ達者
2/7

第2話 収穫

12月2日(火曜日)

管理記録帳を見ていると、

以前の管理人の方が記載したであろう、

ねずみ取りの記録が残っていた。

1階 管理室 ×

2階 ? 

3階 ◯

4階 ×

5階 ◎

6階 ×

7階 ◯

屋上 ⭐︎


記号は鼠の出易さを示しているのだろうか?

5階が頻繁に発生しているらしい。

巣でもどこかにあるのだろうか?

あと、

2階のこのはてな..とは。

⭐︎というのもよくわからない。


そうこう悩んでると

谷崎さんと名乗る人が管理室に訪れてきた。

「あのー..七階の者なんですけど…」

「テレビの電気がつかなくて…」

「朝はあまりつかないんですけど、

 夜はよく光るんですよ。」

「電灯は....」

「交換したんですけどねぇ。」

「ふむ..困りましたね。」


七階までエレベータを転がした。

そうして谷崎さんの部屋についた。

702号室。

部屋の中に入り、

switchを押して確認してみる。

確かに谷崎さんの言うように

うんともすんともしない。

しかし、夜になるとつくという。

これまた不思議な話である。


「ケーブルが断線したりして供給が不安定になっている可能性もあるかと。」

「なんかここ最近ネズミもよく集めたから、齧られちゃったのかしら」

「…集めた?」

カチン…と部屋の中が一瞬

氷のように固まるような、

谷崎さんの顔もピクリと引き攣っている。


「…集まってるから..ね。あらやだごめんなさい。人間の言葉って難しいですね」

谷崎さんは今度は耳をすませるように、

すっと目を瞑って、なにかを聞いていた。


「なにかカリカリ..っと。きこえませんか」

谷崎さんは嬉しそうな声を出した。


「ん…なにか聞こえましたかな…」

「すみません、年を取るとどうも耳が聞こえずらくて….」


「あらやだ、あんな美味しそうな音なのに..」

「美味しそう..?」

音にも味という物はあるのだろうか。

なんとも詩的な表現をされる方だな。と思った。

「そこです。そこ。」

すると、

谷崎さんは一つの遠くのコンセントを指差した。

カリカリ..

カリッ…

「…なにか音がしますね」

しかし、谷崎さんは耳が良い。

あんなに離れたところにいるのに聞こえるとは..


「差し支えないようでしたら…こちらのコンセント、一度をお外しして、確認してみましょうか」

「ええ..いいんですか?..」

「ええ。電気工事士の資格は所持しておりますので」

「そうですか。ではお願いします」

そうしてコンセントを外してみると、


想像した通り一匹のねずみが、

ぱっと飛び出してきた。

「やっぱり!ねずみだ!」

すると、谷崎さんは一瞬にして私に飛びかかってきたネズミをぱしっ..と素手で捕まえたのである。

手には、ちうちうと体を悶えさせている

子ネズミが、

谷崎さんに尻尾を摘まれて

宙ぶらりんとなっていた。

「…」

「あーっ..結構齧られてますねぇ。

これは大元から交換しないといけないかもですね..」

「かかりそうですか。」

「はい。電気屋さんに修理の依頼をお願いしておきましょうか?」

「お願いします」

「このネズミは私が駆除しておきますので」

「はい。」

しかし、素手でネズミをさわれるなんて

アウトドアチックな女性もいるものだなと、

私は感心した。 

そして管理室に戻る。

しかし、これだけネズミが出ているが..

ネズミ駆除の依頼はしないのだろうか。

前回の管理記録を見る。

一度したものの、断られているようだ。

理由は「オーナーの都合により」とある。

このマンションのオーナーが、何故か止めているようだ。駆除費の工面に滞ってるのか。

しかし、このままでは住人がますます迷惑すると思うのだが…


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