【第28-2話】選択: 恨みを問う。
「花子、私たちはあなたの“怨念”を解くためにここまで来たの。
だから、姿を見せて。望みがあるなら教えて。」
すぐに、ゴボゴボッ——と水の流れる音が響き、
便器の中から血まみれの手が飛び出した。
続いて現れた花子は、もはや人間とは呼べない歪んだ姿だった。
ジウは思わず銀獅子の背後に隠れる。
花子: 「ククク……私の望み?
私を殺した男なら、もう私が“処理”したわ。
それなのに……お前たちが何をしてくれるって言うの?」
銀獅子: 「処理した……? つまり、お前を殺した犯人が別にいたということか。」
花子: 「私が一人で学校に来ていたとき、男に襲われて殺されたの。
何度も……何度も刃を突き立てられてね。
でもね、どうしたと思う? ハハハハハ——!」
トイレ全体が彼女の笑い声で震えた。
花子: 「その男にも、同じ苦しみを味わわせてやったのよ。
いや、それ以上ね。あの悲鳴……最高だった。
私の望み? お前たちもあの男みたいに、いい声で叫んでみせてよ!」
「……もう聞いてられない。
本体を見たら、逆に慣れちゃった。もう怖くないや。」
ジウは銀獅子の背から出て、静かに笑った。
「これは“怨念だけが残った鬼”だ。
たぶん、これがこの階のボスね。」
花子: 「お前たちも……殺してやる!!!」
その瞬間、ゾンビ型モンスターたちがトイレに雪崩れ込んできた。
「銀獅子、この子は私がやる。雑魚はお願い。」
銀獅子: 「了解だ。」
【 スキル:咆哮 】
銀獅子の咆哮が轟いた瞬間、モンスターの群れが一瞬で崩壊した。
まさに“獅子”の名にふさわしい一撃だった。
「さて、こっちもそろそろ終わらせよっか。」
花子: 「余裕ぶって……二人とも殺してやる!!」
【 スキル:剣聖 】
ザシュッ——
ジウが花子の腕を軽く切り落とし、
続けざまに連撃を叩き込んだ。
「余裕ぶるくらいの力は、あるんだよ。」
【 スキル:抜刀 】
ギャアアアア——!!
「さあ、これで終わり。」
ジウは壁を蹴って跳び上がり、一瞬で角度を変えて花子に斬り込んだ。
花子は両手で反撃を試みたが——
ズバッ——
逆にその腕を失った。
【 スキル:ディモクレスの剣 】
凄まじい悲鳴とともに、花子の身体は光の粒となって消え去った。
その頃、銀獅子も敵をすべて倒し、静かに振り返った。
銀獅子: 「終わったかと聞こうと思ったが……もう片付いていたか。」
「うん、外の時間で一時間もかかってないね。
さ、ちゃっちゃと片付けて帰ろっか〜。」
『 おめでとうございます! 国:日本 星位の塔 19階 攻略成功! 』
【塔攻略状況】
国家:アメリカ合衆国(27階)
国家:日本(19階)
国家:韓国(13階)




