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S級ハンターがあまりにも珍しい  作者: Stella
18階の選択肢
30/34

【第28-1話】選択: 食べ物を渡す。

インベントリからリンゴを取り出したジウは、それをトイレの個室にそっと置いた。


「さあ、花子。あなたのために食べ物を持ってきたよ。」


すぐに、ゴボゴボッ——と水が流れる音とともに、便器の中から手が飛び出した。

続いて姿を現した花子は、もはや人間とは呼べない異形の存在だった。

ジウは慌てて銀獅子の背後に隠れる。


だが、花子が求めていたのは食べ物ではなかった。


花子: 「私が欲しいのは……こんなモノじゃない!!!」


その叫びがトイレ全体に響き渡った。


銀獅子: 「ならば、お前の“怨念”は何だ?

話してくれれば、俺たちが解いてやる。」


花子: 「私は殺された!

一人で学校に来ていた時、男に襲われて、殺されて……そしてこの場所に閉じ込められたのよ!」


銀獅子: 「ならば、その男を我々が——」


花子: 「ククク……もう殺したわ。そんな奴、もういないのよ。」


「ふぅん……なるほどね。

本体を見たら逆に慣れちゃった。もう怖くないや。」


ジウは銀獅子の背から出て、冷ややかに笑った。


「これは“怨霊化した鬼”ね。

たぶん、こいつがこの階のボスだ。」


花子: 「お前たちも……殺してやる!!」


その瞬間、ゾンビのようなモンスターたちがトイレに押し寄せた。


「銀獅子、この子は私がやる。

雑魚は任せた!」


銀獅子: 「了解だ。」


【 スキル:咆哮 】


銀獅子の咆哮が響いた瞬間、モンスターの群れが一瞬で崩れ落ちた。

まさに獅子の名にふさわしい咆哮だった。


「さて、こっちもそろそろ終わらせよっか。」


花子: 「余裕ぶって……二人とも殺してやる!!」


【 スキル:剣聖 】


ザシュッ——


ジウが花子の腕を軽く切り落とすと、

すぐさま連撃を叩き込んだ。


「余裕ってのは、こういう時に使う言葉よ。」


【 スキル:抜刀 】


ギャアアアア——!!


不気味な悲鳴と共に、花子の身体は粉々に砕け散った。

ちょうどその頃、銀獅子もすべての敵を片付け、振り返った。


銀獅子: 「終わったか……と思ったら、もう倒したのか。」


「うん、これなら外の時間で一時間もかかってないね。

さ、ちゃっちゃと片付けて帰ろっか〜。」


『 おめでとうございます! 国:日本 星位の塔 19階 攻略成功! 』





【塔攻略状況】


国家:アメリカ合衆国(27階)

国家:日本(19階)

国家:韓国(13階)

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