アラームは、ひとつに。
今後もその場で吐き出すようにという指導が入った。
そのブログの話の流れで、ネッ友の話にも触れた。
自力で気づけなかった、彼がしている事がモラハラのひとつだという事実。
それに気づかせてくれたのは、近くに住むママ友でもなく、子どもたちでもなく、吐き出していた先で繋がっていたネッ友だった。
つながったキッカケは、まだガラケーだった頃の恋愛ゲームのいわゆる二次小説の作家と読者の関係から。
その時の読者さんが、後に自分の心身の不調に家族よりも先に気づき、声をかけてくれた人たちだった。
足りない知恵を授けてくれた人もいた。
彼が働かない時期に、子どもとあたしを案じて、ネット内で訳アリ商品の安くて量があるものを送ってくれた人もいた。
穿ったものの見方をすれば、施しを受けているとも思えそうなところだけれど、何のお返しも出来ないのに何度となく助けてくれた。
それぞれの生活があるはずなのに。
いつかお返しをしたいと思っていても、返せなかった相手の方が多い。
実際、何一つ返せていない。
ネッ友の中には、時に二次小説を個人で発注してくれて、原稿料という名目で援助をしてくれた人もいた。拙い、素人が書く小説に投資してくれた。
そういう人たちに支えられながら生き延び、子どもたちと一緒に成長してきたつもりでいた。
でも、本当に”つもり”だけだった。
親、二人。
どっちもそれぞれに違った意味合いで、成長が止まっていたように思えた。
身動きが出来ずにいたあたしの背を押してくれたのが、またしてもネッ友さんたちだ。
その話も担当医にすれば、すこし考えてからこう説明をされる。
「吐き出す場所=ブログは誰かが拾い上げてくれるから、治療としての効果が高まるもの。だから、あなたが繋いできたその人脈は大事ににしていくと治療にもなるし、きっとこれから先も宝物になるよ」と言い、続けてその宝物たちのことをこんな風に賞賛してくれました。
「なにより、あなたを大事に思って、考え、動き、押しつけにせず。あなたを急かすことなく、あなた自身が動き出そうと思えた時に背中を押し、支えてくれる場所にいつもいてくれる。肉親でもないのに、なかなか出来ないんだよ? そういうことは」
なんて風にね。
振り返ると、付き合いが一番長い方で15年の方もいました。
我が家の家庭環境のせいもあり、愚痴や甘ったれたことばかり吐き出すあたしに、厳しさも甘やかしも隠すことなく見せてくれる人たち。
血のつながりはないとしても、家族のように感じていた方たちばかりです。
今後の治療の心の支えにもよしとして、ネッ友さんについての話はまとまりました。
そうしてカウンセリングが本当に終わる直前に、今回のカウンセリングの中で、次回に向けて生活の中に組み込むことの再確認がありました。
ブログやノートに吐き出す格好とはいえ、自分がキツいと思っていることを書き、それを見つめ、認める作業。
それを継続すること。
次に、アラームの方法も指導が入りました。
毎朝5時から15分刻みでアラームをセットしていたあたし。
それは意味がないと、バッサリ斬られました。イメージとしては、袈裟斬り。
わからない方は、お調べいただきたい。
時代劇でよく悪役が斬られる時に、見栄えがよさそうな斬られ方と言っておきます。
担当医がそんな回数のアラームを意味なしと言いましたが、あたしだって一発で起きられる体調ならそうしてた。
元々朝に弱い方ではあるけれど、睡眠障害になって以降は特に起き上がるまでに時間がかかるようになってしまった。
なので、家族の誰よりも早起きのあたしは、誰よりも早い時間からアラームをジャカジャカ鳴らしてきました。
低血圧なこともあって、体がだるいのだろうと思っていたところ、担当医からそれは違うと明確な不正解だと断言されました。
何度もかけるアラームを意識していることで、ずっとずーっと眠りが浅い状態が継続しているようなもので、脳にも体にも決して良くない状態を続けているのでダルさを感じて起き上がれないし、脳もなかなか覚醒させられないんだそうな。
……眠りが浅いというのは、なんとなく理解できました。
次のアラームは何分後だとか、寝ぼけながらも考えつつウトウトしますから。
それで、一つずつでいいから減らしていくようにしましょうという話になりました。
今回のあたしでいえば、5時から15分おきなので、一番早い5時というアラームを使わない。最初が、5時15分から。
それ以外は、前と変わらず。
で、それに慣れてきたら次の段階へ。
次は、5時半に鳴らすアラームが最初。
それに慣れてきたら、最終的に5時45分。
それが最初の扱いになる。
いわゆる、起きたい時間に一発で起きられるようにする状態をつくるということ。
そこまで持って行くのが大事だと。
一日二日でそこまでやれるわけじゃないのは、担当医もわかっているので、多少の猶予はくれた。やろうと意識するのが必要なんだと。まずはそこが大事なんです、と言った。
起きる時の準備としてのそれをした対極で、例の“寝る前にはアナログ”の話に繋がる。そこから意識して読書やメモを使うなどの生活習慣を癖づける。意識するかしないかで、全然違うからねと釘を刺された。
下準備が整ったところで、担当医からカウンセリングの別れ際にある紙を手渡されるわけで。
なんてことない、A4の用紙に表が書かれたもので。その表の欄外には、記号や色分けの指示が記されていました。
どの時間帯にどれだけ寝て、どんな感じで眠っていたのか。それを書くもの。
睡眠の状態とは? と思いながら見ると、四つに分類されていました。
熟睡・うとうと・ボンヤリ・覚醒、という四つに。
それを色分けして、プラスで症状についても記号で視覚化していく。
▲が、脱力発作。■が、睡眠麻痺(金縛り)で、~という記号は入眠時に幻覚を見ていたという分け方。
入眠時に見る幻覚について、寝言・悪夢・うなされることがあってもそれに該当という扱いになりました。
ボンヤリと覚醒については、注釈付き。
ボンヤリ=目が開いてても、頭がぼんやりして働かない状態。
覚醒=非常にハッキリ覚醒度が高い状態。
とかいう内容でした。
また、横になってても眠れていない時間についても⇔という矢印で記入をとなっていました。思いのほか、細かい分類です。
いいとこ二週間ほどのデータが取れたらという軽い感じで渡されたその紙。
自分の睡眠状態を見るのにもってこいなのがわかったのはいいが、張り切って記入してみてまた思いきり斬り捨てられる事態に陥ることに。
その原因は、睡眠の状態に対しての認識不足が大きいのだけれど、思い込みってものは時に人の思考を邪魔するものだと知ったのはこの時だ。
当時、三女がまだ十代前半だというのに、PMSという生理前に心身が不調になるもので悩まされていた。その病気に、親子で一緒に向き合っていた。
なので、自分だけを優先した睡眠は難しい時もあったし、完璧なデータ取りも難しいこともあった。
三女は特に心のふり幅が大きくなりがちな時期があり、最悪の状況を作り出さないようにと細心の注意を払いながら過ごしていたのを思い出す。
その用紙を手渡された時点でその旨を相談させてもらうと、気長にデータを取っていきましょうと言ってもらえた。
余談ですが、あたしが治療をしているこの状態は内容次第では診療代に援助が出ることがあり、住んでいる自治体の方に問い合わせてみた方がいいかもしれません。
北海道でのそれの名称は、『自立支援医療受給者証』というものが、対象者になれば発行してもらえるというもの。
『障害者総合支援法第58条』と、その受給者証に書かれています。参考になればいいなと思ってます。その第2項の規定に該当するそうです。
該当して、受給者証を発行してもらって。継続して支援を得たい場合、有効期間が終了する三か月前から手続きが可能なので、発行までにたしか一か月はかかったはずだったので、早めに担当医に相談をすることをオススメします。
実際、この支援の話を受けていたからこそ、余計な負担が少なくて安心しながら治療を受けていたようなもの。
この支援があるとないとじゃ、金銭的な負担は当然としても、心へかかる負担も結構軽減されていました。
ただ、支援を受けるに値するか、そういう状態なのかを診てもらうことが負担になる方もいるかもしれません。
最初の一歩を踏み出すまでが一番大変かもしれません。
が、あたしのように自分にお金をかけるのをためらったり、心療内科や精神科へのイメージのせいでかかりにくくなっている場合もあるでしょう。
それでも、もしもいつか……踏み出せることがあった時の知識の一つとして、頭の端っこにでも置いておいてくれたらいいなと思います。
あたしの場合はその手の話が三か所目のクリニックに通院するようになってから、この病気は適用されるんじゃないかという話をいただけた。
手続きの完了までは費用がかかってしまうけれども、少しでも早く動きだせていれば早く楽になれるかもしれない。
費用を気にして相談するのをためらうくらいなら、担当医にダメ元で聞いてみるのも手です。通院しなければならない状況に陥っている患者からの相談なので、もしもその支援に該当できずとも他に何かの知恵があったら授けてくれるかもしれません。
絶対じゃないので、過信はしないで試しに相談する程度で聞いてみてください。
話を戻して、三回目のカウンセリングの話に突入です。