表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/32

その6

「そういやぁさ。夏の夜で思い出したんやけどさ」


「ん? 」


「ぎおんさんの肝試しって、おぼえとる? 」


「ああっ、たしか、川向こうのお墓まで行って帰ってくるやつじゃなかったっけ」


「おっ、覚えとったかぁ」


「確か、4年生以上が参加できるっていうルールで」


「それそれ。」


「4年の時一回行ったかな? あんまり覚えてないけど、面白かった気がする」


「あれっ。ようじ、しらんだっけ? 」


「えっ。なにを? 」


「そうかぁ。知らんかぁ・・・・・・。まぁ知らんだらええんやけどな」


「そんなこと言われたら、気になる。で、なにがあったの? 」


「実はな・・・・・・」


ぎおんさんは、地元の氏神さんを祭る行事やったけど、子供やった俺らが唯一、夜遊びに行ける行事やった。大人は、祢宜さんと一緒に祈りを捧げてからお酒を飲んでて、俺たちはその間花火をやって楽しんでた。それで、花火がなくなると、肝試しするんが恒例になってて、それは、二人組になって川向こうのお地蔵さんに手を合わせて帰ってくるだけなんやけど、川沿いの道は街灯あらへんし、単2電池2本の懐中電灯だけがたよりやったから、真っ暗でふつうに怖かった。

それで、戻ってきた組に、「どうやった! 」と聞いて、「怖かったわ! 」とか、冗談で「火の玉見たわ」とか「墓石が光ったわ」とか言って、次の組の人をビビらせて、面白がってたけど、恒例やった肝試しを俺たちでやめにしたんは、同級生のあきよちゃんの一言やった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ