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25-9.洋子の股の布回収(5) 神龍になってギャルのパンティおくれ~と言われたら困るの巻

挿絵(By みてみん)


俺の部屋に、女物の下着が干してある。

俺が実家を出て以来、女物の下着を洗ったのも干したのも、今回がはじめてだと思う。


いや、洗濯機で洗ったので、俺は洗濯終了後に干しただけだが。

そのまま返すのもどうかと思って、一応洗ったのだ。


扇風機で風をあてておいたので、余裕で乾いている。

水を吸うような材質でもなさそうで、風当てなくても、すぐ乾くものなのかもしれないと思った。


返却するパンツを袋詰めする。

恐る恐る触るが、いきなり転移しそうになったりとかはしない。


昨日、干すときも、特に何も無かった。

俺には耐性が付いたのか……いや、洗うと効果が落ちるのか?


そもそも、なんで形見がパンツなんだ?

凄く疑問に思う。帽子だったりスカーフだったり、良く目立つ、トレードマーク的な意味合いのものならわかるのだ。

でも、パンツじゃ見えて無いから誰のものかわかりにくいし、消耗品だ。


『なあ、なんで、妻の形見がパンツなんだ?』


いきなり話しかけるが、オーテルは、ちゃんと答えてくれる。

『転移で持って行けるのは、体の一部だけです。

 人間には毛皮が無いので、代わりに持って行けるのだと思います』


まあ、でも、普通に考えたら、髪の毛とかで良いのではないかと思うのだ。

下着は、いくらでも交換可能で、そもそも体の一部では無い。


『髪の毛とかじゃダメなのか?』


『本当は、髪の方が良いのですが、洋子の髪は、匂いも色も変えてあります』


ああ、髪は染めてもダメなのか。シャンプーもダメ。制限が厳しい。

匂いも色も、俺が気に入ればそれで良いのではないのだろうか?


本当は染めて無くて、匂いも付けてない髪が良い。

パンツはあくまでも代用品だ。


代用品だよな?


すごく心配になる。


『その割に、触っただけで、俺が異世界に行きそうになったぞ』


『妻が形見として渡すものです。人間の女は、形見として股の布を渡すようです。

 お父さんに、股の布をプレゼントするのは、人間の女の求愛行動なのです』


なんだ? それを知っててカバンに入れるか?


『そんなもの、いきなりカバンにいれるなよ!』


『そうでした。私がカバンに入れたので危なかったです』


なんか変だな。


まあ、おかげで助かった。

かなりの威力だったからな。小泉さんに直接渡されたら、確実に、異世界行きだっただろう。


ああ、もしかして、それを俺に教えるために?

毛皮の代わりという話からすると、パンツに限らず、ブラジャーでも、同じだろう。

衣類全般気を付けた方が良いか?


それとも、股の布、パンツだけに気を付ければ良いのだろうか?

いやいや、俺が女物の衣類……特に、下着に触れる機会なんて、無いから気にしなくて良いか。


一つ確実なのは、妻と言うのは、俺と相手が気持ちの上で認めれば良く、日本の法律上の妻とは別のものだということだ。

俺は、小泉さんを俺の妻だと思っているのだと思う。


もし、下着を渡すのが求愛行動だとして、俺が満足したときこの世界を去るのだとしたら、そんなものを貰ったら、俺は確実に、この世界を去ることになりそうな気がする。


事情を知らなかった俺は、使い古しのパンツを見て、見すぼらしいと思ったが、

あれがもし、未使用の新品なら、俺は持って行くことができないと思うし、形見にもならない。

そう考えると、わざわざ、あれを選んでオーテルがカバンに入れたことも納得できる。


ただ、返すのが前提で入れるなら、もっときれいなものの方が、形見としての機能で劣って安全な気がする。


なにか手違いがあったのだろうか?



あれ? ギャルのパンティ?

今、何かを思い出した気がする。


妻のパンツを持って行く……間抜けな話だと思ったが、なんか、俺が言ったような気もしてきた。


そう言えば、竜とパンツの話をしたことがあった。ギャルのパンティ……


俺はあのとき、竜の神様と聞いて、ドラゴンボールの神龍(シェンロン)を思い浮かべた。

俺は竜で、神様になると聞いたから。

俺が神龍(シェンロン)になったら、困ったことになると思ったのだ。


ドラゴンボールで、はじめて7つのドラゴンボールが揃ったときの話だ。

その時叶える望みは”ギャルのパンティおくれ~”なのだ。


もし俺が、異世界に行って神龍(シェンロン)になったとして、ウーロンのようなやつが居て、ギャルのパンティを所望したとしたら、俺はそれをどこで入手すれば良いかという重大な問題があったのだ。


そこらにあるのを勝手に持ってきたらまずい。

女物の新品の下着を入手するのは簡単だが、それだと、”ギャルが穿きそうなパンティ”であって、ギャルのパンティには、ならないのではないかと思うのだ。


”禁断の”とか、”超級”とか、”封印されし”とか”伝説の!!!”みたいなやつとか、民明書房の本に載ってたりするような、”良くわからないけど、とにかく凄いやつ”とかだったら、神様なら指先一つで簡単にできそうな気がするのだが、ギャルのパンティの調達と言うのは、それらと比べて格段に難しいと思うのだ。

※個人の感想です


あ、なんか思い出してきた。

そうだ、やっぱり、俺は過去にオーテルとこの話をしている。


…………

…………


『竜の神様って、神龍(シェンロン)かよ。くそう。

 ”ギャルのパンティおくれー”って言われたら、すげー困る』


『何を困りますか?』


『俺が竜で神なんだろ?

 ギャルのパンティ所望されたらどうすれば良いかと思って』


『ギャルのパンティとはなんですか?』


『女の子の下着で、こういうやつだな』

そう言って、画像を見せる。


『私は絵は良くわかりません』


絵は分からないのか。実体が無いから見え方が違うのか?


『下着とは何ですか?』

ああ、そこからして知らないのか。


『服は何枚も重ねて着るの知ってるだろ』

『なぜ重ねるのでしょう?』


『温度調節とか、汚れる度合いの問題だ。

 まあ、とりあえず、重ねて着るものだと思っておいてくれ』


『はい。人間は布を重ねて身に着けます』


『肌に直接触れるやつを下着って言うんだ。一番汚れやすいから、頻繁に交換する』

『はい。下着は、肌に直接触れる布のことですね』


『それの股のあたりに着けてる方がパンティなのかな?

 色んな呼び方があるから、よくわかんないけど、

 まあ、パンティと言えば、女が股のあたりに着けてるやつのことだ』


『わかりました。直接肌に触れる、女の股の布がパンティです』


う~ん。なんか、言い方が卑猥だけどまあいいか。


『竜の神様がギャルのパンティをリクエストされて渡す話があって。

 動画がある。コレ』


検索して出てきた絵を見せる。


『私はその機械のことはよくわかりません』


『機械はいいから、この絵を』

『絵も分かりません』


画面の絵は見えないのか?


『この写真は?』

『それはわかります。洋子という人間の女です』


小泉さんのことは知っているのか。それに画面に表示した写真は分かる。


だったら、絵柄の問題か。マンガ絵は分からないのか。

考えてみれば、人間の感覚に合わせてデフォルメしたものだから、人間以外の生き物が見ても、意味わからないかもしれない。


そう考えて、口で説明する。


『まあいいや、こいつが”ギャルのパンティおくれー”って言って、龍の神様がくれるんだよ』


『なぜギャルのパンティを欲しがるのですか?』

『ギャルってのは、若い女のことだ』


『願い事をするのは女ですか?』

『いや、欲しがってる方は男だ』


『パンティは、男も着けますか?』


『いや、女物は着けないし、男のはパンティとは呼ばないな』


『男にも必要ですか?』


『いや、男だから欲しがるんだよ。

 ギャルはギャルのパンティ何枚も持っているけれど、

 男にはギャルのパンティは、簡単には手に入らないから』


『人間の男にとって、それは好きなものですか?』


え? なんか際どいところを突いてきた。

『まあ、好きな人が多いんじゃないかな?』 そう答える。


するとさらに踏み込んでくる。

『お父さんはパンティは好きですか?』


うん。そう言うと思った。


『まあ、もちろん嫌いじゃ無い』


ちゃんと、正直に答える。なぜなら俺は紳士だからだ。

俺が知る限り、紳士の大半はギャルのパンティが好きだ!!

※個人の感想です

だから、これで良いのだ!


『それは良いことを聞きました。

 それが毛皮の代わりなら、持って行けるかもしれません』


『持って行ける?』


『お父さんは、この世界ですべてやり終わると、私の世界に行きます。

 そのとき持って行くものがあります。妻の思い出の品です』


確かに、もし妻が居たとしたら、形見くらいは持っていたいと思う。


『俺は行かないし、妻も居ないけど、でも、行くとしたら形見くらい欲しいな』


そう答えると、オーテルが訊く。


『形見とは何ですか?』


『今、オーテルが妻の思い出の品って言っただろ。それのことだよ。

会えなくなった人の持ち物を、その人のことを思い出すために持っておく物って感じかな。

 身近なものが多いな。その相手が、身に着けていたものとか』


これを聞いて、オーテルは思う。身に着けていて、父が喜びそうなものがある。

ついさっき聞いたばかりだ。


『もし、妻と別れて私の世界に行くとき、形見が”妻の股の布”だったらどうですか?』


『普通に写真じゃダメなのか?』


『その絵は無理です。身に着けるものなら持って行けます』


そうか。じゃあ、その写真見ながら、”俺この戦争終わったら”とかフラグ立てて死ぬのは難しいのか。


『妻の下着が形見か。俺には妻は居ないし。そんなものが貰えるなら嬉しいな。

 妻が俺に持っていて欲しいと思って渡してくれたら、俺は喜んで形見にするよ』


一番大きな竜は物を運ぶことができないが、体の一部であれば運ぶことができるかもしれない。

オーテルはそう考え、石の記憶を辿る。

すぐにわかった。関連の深い情報は簡単に読み出せる。

予想が当たっていれば、簡単に情報が読み出せる。


一番大きな竜が持ち帰る妻の形見は、思った通り、股の布だ。


『わかりました。お父さんが行くとき、妻の股の布を持って行きます』


わかりましたって何だよ。

俺が、妻の股の布……いや、パンティ持っていくことを、承りましたというニュアンスにも聞こえた。


まあ、俺は異世界には、行かないし、そんなものくれる相手も居ないんだけどな。


…………

…………


この神龍(シェンロン)の記憶はなんだ?

俺が股の布の話をしたのか?


小泉さんが股の布をくれた? 俺は行かないといけないのか?


これ、いつの話だ?

『オーテル、俺は神龍(シェンロン)の話したことあるか?』


『若い女の股の布の話ですか?』

『いつの話だ?』

『私がはじめてこの世界にやって来たときです』


こんな話してたのか!!

俺はあのときはまだ、小泉さんが妻になるとは思っていなかった。

俺は、妻を持てないと思ってたから、ああ言った。

まずい、なんで股の布なのかと思ったら、ウーロンのせいか!!


『ギャルは若い女のことだぞ』


『では、若い女のものを持つようにしますか?

 お父さんは、”妻が俺に持っていて欲しいと思って渡してくれたら、喜んで形見にする”と言っていました』


ぬおおおおおおお、ちくせう。

石の記憶があるから、一度言ったことはごまかせないのか!!

股の布って、小泉さんとオーテルがおかしいんじゃなくて、俺が言ったことが原因だったのか!!


ぬおおお、なんで、そんなフラグ立ててんだよ!!俺は!!!

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