チートな俺が悪役勇者を倒し伝説になるまで
1 魔法陣現る
日本屈指の名門校、狭間学園に通う創始蓮也は退屈だった。
成績は中の上で、顔もそれなり、スポーツはどんな種目でも日本代表に選ばれるほどのスペックを持つ蓮也は、何にも本気になれなかった。
しかしそんな蓮也の密かな趣味は、ラノベを読むことだった。所謂隠れオタクだ。
頭の中で非現実を想像しては、それに興奮を覚えていた。
いつしか蓮也は、自分が生きるべき場所はここではないと思い始めていた。
「おう、おはよ蓮也」
そう声をかけてきたのは、蓮也の唯一の親友、坂野徹だ。
「今日もぼーっとして、お前は本気になればなんでもこなせる奴なのに勿体ねーよな」
「っるせ、別にいいんだよ俺は」
「はいはい、しっかし今日は暑いなー、もう9月だってっのに」
「そうだな、この暑さは夏みたいだ」
そんなくだらない話をしていると、クラスの中から女子の歓声が聞こえてくる。
理由は見なくてもわかる、星沢拓人が登校してきたからだ。
星沢拓人は星沢財閥の御曹司で、全国模試は常にトップ、スポーツもそれなりで何より顔がいい、100人いれば150人の女性が目を釘付けにされる。
そして、蓮也の苦手な人物だ、何故なら…
「やあ坂野くん創始君、おはよう」
にこやかな笑みを向けて、星沢が挨拶をしてきた。
「今日はまだ真白ちゃんは来てないのかな?」
「うん、まだだね」
そう、徹が答える。
真白というのは蓮也の幼馴染で、拓人は真白のことが好きなのだ。
と、そうこう言っていると今度は男子の歓声が聞こえてくる。
見なくてもわかる、真白が来たのだ。
真白は七瀬真白といい、七瀬コンポレーションの社長の1人娘だ。成績は全国模試で一桁に入り、何より容姿が優れ過ぎている。
突っ立っていれば人形のようだ。
そして…
「蓮也様、おはようございます」
「ああ、おはよう」
「真白ちゃんおはよー」
「坂野君、おはようございます」
「やあ真白ちゃん、おはよう、今日も綺麗だねっ」
「………」
真白は蓮也に挨拶をし、坂野に挨拶をした。
すかさず星沢も挨拶をするが、無視をされる。
「真白、挨拶ぐらいしてやったらどうだ?」
「……星沢君、おはようございます」
「あ、ああ、おはよう、真白ちゃん」
蓮也がそう言うと真白は嫌そうに挨拶をした。
星沢は顔を引攣らせながら挨拶を返す。
これはいつもの光景だ。
真白は蓮也の事を好いている、嫌、愛している。
だからこそ拓人は蓮也の事を嫌っていて、蓮也は拓人のことが苦手なのだ。
そしてもう一つ
真白は何事もなかったかのように自然に蓮也の膝の上に座った。
「真白、毎回言うがいつまで俺の膝の上に座るつもりだ?」
「蓮也様、何度でも言わせてもらいますが、一生です」
「はぁ、好きにしろ」
「はいっ!」
これもいつもの流れだ。
なんだかんだ言って蓮也も真白の事を好いている。
蓮也も真白には甘いのだ。
「毎日同じやり取りをして飽きないのかねー?」
そう言って徹が茶化してくる。
「うふふ、飽きませんよ、私は蓮也様と居られるだけで幸せですもの」
「本当に真白ちゃんは蓮也のこと好きだね」
真白は好き嫌いがハッキリしている、坂野のことは人間的にも蓮也の親友的にも好感度が高い。
だが…
「真白ちゃん、今日の調子はどうだい?」
「………」
星沢のことは嫌いみたいだ。
そんなこんなをしているうちに担任が来て、ホームルームが始まった。
いつもと変わらないホームルーム、誰もがそう思っていた。
突然、教室の床と天井が輝き、円とその中に奇妙な文字がびっしり書き連ねられていく。
そして誰もが状況把握をできないまま、クラス全員(20人)の視界が真っ白に染まった。
初投稿です。処女作です。
コメントはなかなか返信できないと思います。