81話 追撃1-2
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東の空が明るくなりかけた頃、義清の本陣は布陣を終えた。義清は砂丘の上から場を眺めた。
「何とも数の多いことだ。いやはやここまでの生き物に囲まれてはあの連中も為す術もあるまいな」
義清は横にいるベアトリスに尋ねる。
「時にベアトリスよ、あの生き物が何かわかるか?」
ベアトリス城の地下に多数の魔物を飼っている。生物の知識にも明るいため義清は、ベアトリスならばわかるかもと思ったのだ。
「ウ~ン残念ですが明るくならないと何ともですう」
「たしかに、わからんな」
ここで右前方の砂丘でで鬨の声が上がった。松明を明々と灯した軍勢は黒母衣衆だ。義清の本陣着陣を祝しての号令だろう。義清もラインハルトに命じて鬨の声を挙げさせる。本陣も黒母衣衆も士気は最高潮に達している。
すると前方の砂丘からも鬨の声が上がった。それを見た義清はニヤリと笑って言った。
「威勢や良し」
「まだまだ士気衰えておらぬ、といったところですかな」
ラインハルトが答える。
「これだけ不利な状況下でも、かかって来れるものなら来てみろと言いたいのだ。よほど兵に自信があるのだろう」
ここで東の空から光がさした。砂丘の陰に隠れた盆地にも光が差し込んでいく。
「あっ!!」
ベアトリスが思わず声をあげた。
コモドドラゴンの様な4mもある巨体、頭の付け根から首の終わりまである立派なたてがみ。首の始まりからは襟巻きがついている。朝日に照らし出された盆地には千匹を超えるシュレンゲが砂丘の周りを回っていた。
「あの子達だったんですねっ!!」
ベアトリスが嬉しそうに笑った。ベアトリスはヴァジムが連れていたシュレンゲに、また会うことができてとても嬉しそうだ。
「シュレンゲだったのか。ワシはてっきり正体不明の新種の生物かと思って肝を冷やしたぞ」
義清がほっと胸を撫で下ろす横でエカテリーナがハッとする。
「いけません。ヴァジム殿はオアシスに行ってしまわれましたわ」
「オアシス制圧が確実になったからな。俺の部下を護衛につけているが、もうオアシスにはついた頃だろう」
「急ぎ使いを出して来てもらうしかないな。なぜシュレンゲがこれほどいるのかワシらには見当もつかん」
ラインハルトは部下に命じて、急いで使者を出してヴァジムをオアシスから連れてくるよう命じた。
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次回更新予定日 2020/7/19




