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68話 襲撃1-1

いつもコメントや評価とブックマークありがとうございます

皆さんのおかげで続けることだできています


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https://twitter.com/MAME24171101


貴族軍の兵士は何気なしに路地の一角を見た。

なぜ路地の方が気になったのか自分でもわからない。

やがて、その答えがわかった。

路地の奥でなにか音がしているのだ。



時刻は夜明け前。

人間の眠りが一番深くなる頃合いだ。

こんな時間に起きていなければならないのは辛いが、見張りの当直なので仕方がない。


兵士たちがいるのはオアシスの最も外周にあたる。

周りには土でできたレンガ造りの四角い家々が無計画に建てられている。

このオアシスに来てもう幾日も経ったというのに未だに、外周から中心のオアシスに向かうのに迷子になる者がでる。

それはこの無計画に建てられた土レンガの家々のせいだ。

オアシスには目印になるような高い建物がすくない。

いったん家々の間に入ってオアシスを目指すと自分がどこにいるのか見失ってしまう。

道が家々の間を縫うようにしてできており、真っ直ぐな道などなかった。

おまけに路地とオアシスに続く本道の見分けがつかない。

道幅も同じで周りにある家々も同じ形とあっては迷うのも無理ない。


兵士が後ろを振り返ると篝火の近くに仲間の兵士たちが数人、おしゃべりをしながら立っている。

全員篝火の方を向いており何の役にも立っていない。

オアシスの最も外周にいる自分たちは本来砂漠の方を向いて見張りをすべきなのだ。

侵入者は砂漠からしか来ないのだから当然である。




カチンカチン




路地の方から聞こえてくる音はなおも続いている。

こころなしか音が大きくなったように感じる。

兵士はため息をつきながら路地の方に入っていった。

このオアシスに来てから敵など見たことがない。

オアシスに住む原住民のクロディスの民は全員捕らえてあるし、助けに来る仲間もいないようだ。

そんな中で見張りなどしても意味がない気がするが命令なので仕方がない。

そんなやる気がでない任務の最中なので兵士はため息をつきながら路地に入っていったのだ。



路地の奥からは、なおもカチンカチンと音が聞こえる。

金属が重なり合っているような音だ。




「誰かそこにいるのかっ?原住民か?今なら牢屋に戻すだけで勘弁してやる。さっさと出てこい」




兵士は路地を歩きながら奥に向かって警告の言葉を発した。

しかし音はなおも路地奥から続いている。

兵士はうんざりしながら路地奥へ進んだ。

音はさっきよりも大きくなっている。音源がすぐそこなのだろう。


路地奥の建物の角がチラリと光った。

カチンカチンという音に合わせて、チラリとチラリと光が漏れている。

兵士は建物の角まで来ると再び警告を発した。




「そこにいるのはわかってる。クロディスの民の夜の出歩きは禁止だ!!

 はやく牢屋にもどって‥‥‥」




兵士は思わず途中で声を発するのを止めた。

カチンカチンという音とともに、一瞬だけ路地が明るくなる。

その明るくなった時、建物の角を曲がって自分のすぐ目の前にソレはいた。

兵士が見上げるほど大きく、全身をグレーがかった毛で覆われ、尻尾と首から足の付根にかけては豊かな銀色の毛で覆われた狼。

その狼が胸元に手をやっている。

狼が指を動かすとカチンカチンと音がして一瞬だけ火花が散って路地が明るくなる。

狼の鋭い爪が重なり合って音と火花が散っていたのだ。




「ひっ、おまっ、なにもの‥‥!!」




それが兵士がこの世で発した最後の言葉になった。

兵士が口を開いた直後に狼が素早く兵士の後頭部に手を回す。

そして反対の手で兵士の首に短刀を突き立てた。

この間1,2秒のことだった。

兵士は小刻みに震えながら、狼の腕の中でこの世での生を終えた。




「よくやったね。短刀をすぐ抜くんじゃないよ。血が溢れ出て鎧が汚れちまうからね」




短刀を突き立てたヴァラヴォルフ族の戦士の後ろから、ゼノビアが音もなく現れて戦士を褒めた。

戦士は静かにうなずいて死んだ兵士を抱きかかえると路地裏に消えていった。




「残りの奴らはどうだい?何か気づいたかい?」


「相変わらず篝火周りでくっちゃべってるだけですな」




ゼノビアの質問に別のヴァラヴォルフの戦士が答える。

このヴァラヴォルフの戦士は、ゼノビアより奥の路地裏で質問に答えている。

そんなところから貴族軍の兵士たちがいる篝火は見えない。

しかしその戦士は片目を閉じて、もう片方の目が蒼く光っている。

瞳蒼遠の術を使って篝火周りに霊化した目を置いて、敵を監視していたのだ。




「よし、とっとと準備をすませるよ」




ゼノビアが言うと路地奥から、準備ができましたと答えが帰ってきた。

先程死んだ兵士が路地奥の闇から姿を表した。

その顔は白骨化しており槍をもつ手も骨がむき出しだった。




「似合ってるじゃないか。そう悪い仕立でもないよ」




ゼノビアがそれを見て兵士の背中を叩きながら言う。

これは先程死んだ兵士が瞬時に白骨化したものではない。

ゼノビアたち北方方面担当軍の土蜘蛛(つちぐも)先行部隊には数人のガシャ髑髏が随伴している。

そのガシャ髑髏に死んだ兵士の鎧を着せたのだ。

死体は路地奥の隅に転がっている。

先程ゼノビアがヴァラヴォルフの戦士に、短刀をすぐ抜くなと言ったのはこの為だ。

ガシャ髑髏が敵の兵士のフリをするために着る鎧が血に塗れていては、敵におかしいとすぐに気づかれてしまう。


ゼノビアたち北方方面担当軍はオアシスの北の外周の路地にいる。

そこから密かに見張りの敵の兵士を倒しつつ、オアシス中央部を目指す手はずになっている。

同じ作戦が西は(おおとり)、南を尾白(おじろ)で展開中だ。

コメントとブックマークと評価して頂けると、すごく励みになります。


ブックマークだけでもポイントはいるんです!!


どれか1つだけでも構いませんのでやって頂けると、非常にとても大変すごく嬉しいです。

どうか是非ともお慈悲をっ!!


次回更新予定日 2020/4/19


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