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64話 オアシス奪還作戦1-1

いつもコメントや評価とブックマークありがとうございます

皆さんのおかげで続けることだできています


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https://twitter.com/MAME24171101


八咫烏(やたがらす)より報告。(おおとり)が布陣完了とのこと」



映伝士が組頭に小声で話しかけた。


土蜘蛛(つちぐも)は?」


「まだです。一番遠い場所ですので」


「よし、別命あるまで待機だ」





ヴァラヴォルフ族の戦士たちが10人ほどいるのは砂丘の頂上付近だ。

時刻は夜明け前。

空には元いた世界では馴染み深い月はなく、かわりに土星のような輪っかをもった大きな星とオーロラと大小の星々が夜空を覆っていた。



組頭はそっと砂丘の頂上からその先の様子を伺う。



砂丘を下って少し先に、非常に大きなオアシスが見える。

オアシスは満々と水を湛え、その周りには少ないが背の高い木が幾本か生えている。

オアシスに近づくに連れて下草もその数を増やしており、

オアシス直近になるとちょっとした草原のようになっていた。


そのオアシスの周りには人ほどの大きさの巨石をいくつも重ねた四角い家々がオアシスを囲むように建っていた。

そして、その巨石の家を囲むように土のレンガでできた家々がその周りに建っている。

巨石の家も土のレンガの家も無計画に建てられたと見えて、オアシスへと続く道は家々の間を縫うようにしてできている。



ヴァラヴォルフ族の組頭が様子を伺うこのオアシスこそ、ヴァジムが義清に助けを求めた、クロディスの民が囚われているオアシスである。



いまこのオアシスを三方向から包囲しようと、

北南西にそれぞれヴァラヴォルフ族の戦士たちが布陣を敷いている最中だった。

それぞれの部隊名を北は土蜘蛛(つちぐも)、西は(おおとり)南を尾白(おじろ)としている。

そしてそれを束ねるのが八咫烏(やたがらす)だ。



この砂丘に隠れてオアシスの様子を伺う10人は先行部隊である。


彼らの背後にもう1つ砂丘があり、その後ろには南方方面担当軍のヴァラヴォルフ族の戦士たちが数百人隠れている。


同じような布陣が北と西にも敷かれようとしていた。



ヴァラヴォルフ族のみがオアシス奪還作戦に参加しているのにはちょっとしたわけがある。


それはラインハルトに起因する。

ラインハルトはこのところ山賊討伐やダミアンとの一騎打ちなどで手柄を上げている。

言い換えればこの世界に来てからボア族は手柄を上げているが、

ヴァラヴォルフ族はこれと言った目立った手柄がないのだ。




「手柄の大小は関係ない。大事なのは手柄をあげる順番だ。

 一勢力のみに手柄をあげる機会が集中するのは避けたい。

 よって此度はヴァラヴォルフ族にオアシス奪還を命じる」




義清のこの命令によってボア族は今回は待機となった。



大森林を北上して、ヴァジムの案内のもと砂漠を進んだ義清たちはオアシスの南へと至った。

そこで夜を待ってオアシスの奪還へと乗り出したのである。



作戦の要であり実行部隊の先鋒衆(せんぽうしゅう)はヴァラヴォルフ族。

彼らがオアシスを三方向から囲みクロディスの民の救出と貴族軍制圧を受け持つ。


四方向から完全に包囲しないのは相手に死ぬ気で抵抗されないためだ。

人は逃げ場があるうちは全力でそちらに逃げようとするが、

逃げ場がなく、集団でいると死中に活を求めて死ぬ気で抵抗する。

そうなるとヴァラヴォルフ族が目的を達成できても余計な損害が増える恐れがあった。

その損害を抑えるための三方向からの方位である。


ヴァラヴォルフ族がオアシスを制圧、奪還したあとは追撃部隊として黒母衣衆が出陣予定となっていた。

彼らが砂漠に逃げた貴族軍を追いかけ殲滅する。

仮に黒母衣衆が貴族軍を補足し損ねたとしても、クロディスの民も伴わない貴族軍は砂漠で迷子になるはずである。


すでに砂漠は貴族軍が来たときから季節をまたいでいるため、地形が変化しており地図は役に立たない。

ウルフシュタットによれば貴族軍は食料と物資が不足しているらしい。

そんな状態で不案内な砂漠で生きていける可能性はゼロに等しかった。


黒母衣衆は貴族軍を追撃する役目があるので、オアシスでの戦闘には緊急時以外は参加しない手はずとなっている。



ボア族は今回は黒母衣衆に代わって義清の護衛である本陣脇備(ほんじんわきぞな)えとなっている。

ラインハルトはこの世界に来て初めての大規模な集団戦に参加できないことに不満を漏らしたが、原因が自分にあるとわかるとみんなから白い目で見られた。


その後ボア族の副官から話があると言われて砂漠に正座させられると小一時間説教を聞かされる羽目になった。

コメントとブックマークと評価して頂けると、すごく励みになります。


ブックマークだけでもポイントはいるんです!!


どれか1つだけでも構いませんのでやって頂けると、非常にとても大変すごく嬉しいです。

どうか是非ともお慈悲をっ!!


次回更新予定日 2020/3/22


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